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処理水を知る⑱-高校生の提言書

 2022年3月29日、福島県の高校生、「ふくしま浜通り高校生会議」のメンバーが岸田総理や末松文科大臣に、提言書を渡した。
 文科省のサイトには、末松大臣との意見交換の場で、高校生から以下のような意見や提言をもらったと書かれている。 

「いつどこで大きな災害が起こるかは分からない。日本に住む一人一人が復 興を自分事として考えていくためにも、義務教育でしっかりと放射線や原子力について学ぶようにしてほしい」
「修学旅行先や研修先に福島という選択がもっと増えるような取組を希望する」
「廃炉に関する技術開発や人材育成に取り組んでほしい」

文科省HPhttps://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2022/20220329.html

 処理水を知る⑧で、学校機関に配られたALPS処理水のチラシで現場に混乱が見られたことをnoteに書いた。配布しないことより、事実を教えて自分ごととして考えさせる方がいいと思っていた。
 だから、今回の高校生の提言には、大賛成である。(まあ、反対する人はいないだろうけど。)
 福島第一原発事故が起こるまで、放射線についての知識が全くなかった。放射線ときいて浮かんだのは、原爆だった。原爆が落ちたことと同じか?と思った。だか、放射線に関する知見に触れるにつれ、現在(当時)の状況下では、遠くに避難する緊急性はないし、必要以上に怖がることもないと判断したことを記憶している。もちろん、これは個人としての判断だ。情報を得て、自分事として考え、そうしたのである。
 
 東電、政府の対策や考え、反対する側の考え、どちらの意見も事実として、自らネットで調べたり、聞き取りをしたりする学習機会があればいい。
 その上で、自分の考えを持ち、合意形成を図っていくのだ。
 
 私も今年になって少し「福島イノベーション・コースト構想」を調べて概要がわかった。noteにも書いた。廃炉に関する研究を行っている人達の存在を知った。高校生が言うように、学習旅行に適した施設がたくさんあると思う。

 これから、処理水の海洋放出は30年以上続く計画である。
 今の若者が自分の親と同じくらいになるまで行われるのだ。
 知らないままでいたら、原発事故後の放射線に対する混乱がまた繰り返されてしまう。
 
 


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