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痩せる事と引き換えに健康を失うリスク

おはようございます。

本日はご質問を頂いた事もあり、ダイエット&欠食について綴っていこうかなと。

健康に痩せる為には、当たり前過ぎることの積み重ね

「健康」について書こうとすると、基本的には超当たり前のことにいきついてしまいます。

・毎日、太陽を浴びながら20分以上はお散歩しましょう

・1日3食、主食、主菜、副菜がある食事を摂りましょう

・腹八分目を心がけましょう

・自分の睡眠タイプにあった適切な睡眠をとりましょう

みたいな感じですね!

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そんなことは皆分かっているので、書籍化されたり、TVで紹介をされたりする様なものって、尖ったものが多いんですよね

・リンゴだけ食べましょう

とか

・1日1食なら何を食べてもOKです

など

「痩せる」ことだけに目を向けるのは要注意!

まず、医師の方が書籍を執筆している場合も多く、医師が薦めるなら間違いないと、あるダイエット法を実践されている方もいるかと思いますが、医科学的な裏付けの無い、その方1人だけの体験談ということも多いんですよね

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また、この方法によって痩せました!という裏付けを、論文などを元に書いてあることもありますが、体重や体脂肪が減った!ということは分かっても、それによって中長期的な健康がどうなったのか?までは分からない場合が、多くあります

例えば以下の研究では、研究の質が低いから、まだ分からないことが多いけれど、朝食を追加することは減量の為の戦略としては、必ずしも良い戦略ではないかもしれない。ということが示唆されています。

Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials

これだけ見ると、朝食を摂る事で1日の総摂取カロリーが増える可能性が高いので、食べない方が良い!みたいに書かれてしまうかと思いますが、以下の研究では、1995年から2010年にかけて、45歳から74歳までの82,772人を対象にしたもので、朝食を毎日食べる人に比べて、朝食を0~2回の人たちは、脳出血のリスクが36%も高かったということが分かりました。と書かれています。

Association of Breakfast Intake With Incident Stroke and Coronary Heart Disease


朝食を毎日摂取する群と比較して、朝食を週に0〜2回摂取する群の発症リスクは、脳卒中と虚血性心疾患を合わせた循環器疾患で14%、脳卒中全体で18%、脳出血で36%高くなっていました。しかし、くも膜下出血、脳梗塞および虚血性心疾患については、朝食の回数との関連は見られませんでした。~朝食の欠食と脳卒中との関連について~ https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3768.html より

上記の様に、たしかに朝食を抜くなどの食事回数が少ない方が、1日の総摂取カロリーが低くなる可能性はありますが、朝食を抜く事で脳出血のリスクが36%も高いと分かっていてまで、朝食を抜こう!と思う方は、そんなに多くないんではないでしょうか?

グリコーゲンの貯蔵量と筋肉の分解

そして、栄養学や生理学的な観点から考えていくと、肝臓で貯蔵できるグリコーゲン量は約7時間分になります。

その為、朝食を抜いたり、1日2食などの形になると、食事の間隔が7時間を超えてしまう為、グリコーゲンが枯渇し、筋肉の分解などが行われます。

更に言えば、解毒に関わる肝臓や体内で酸素を運んでくれる赤血球などは、グリコーゲンがエネルギー源になりますので、グリコーゲンが枯渇した状態が続くと、貧血に繋がるなど、身体の機能低下も起こり得ます。

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その為、痩せることを目的として朝食を抜いたり、1日2食にしたりすると、筋肉が分解をされることで体重は減ったけれど、体脂肪はそこまで燃焼しておらず、たしかに痩せはしたけれど不健康に近づいたということが起こります。

また、1日2食にして、1食あたりの摂取カロリーが増えると、1度に貯蔵&利用できるエネルギー量は決まっていますので、それを超えた分は体脂肪として貯蔵されますので、太りやすくなりますので要注意です!

健康的に痩せる為の食事まとめ

・健康の為の食事の基本は、当たり前過ぎるくらいに当たり前のこと

・6時間おきの1日3食、主食:主菜:副菜のセットが基本

・朝食抜きは、たしかに総摂取カロリーを抑える事が出来るかもしれないけれど、健康を損なうリスクが高まる

・1食あたりの摂取カロリーが増えると、体脂肪の増加に繋がるので要注意

参考書籍

・栄養コンシェルジュ協会テキスト

・川合智氏分子栄養学研修テキスト

・千野ひとみ氏分子栄養学研修資料

・ポケットアトラス栄養学

・新スタンダード栄養食物シリーズ 生化学

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