見出し画像

脊柱起立筋の概要

こんにちは。合計9つの筋群で構成される脊柱起立筋ですが、一つひとつの起始・停止を覚える必要はありません。

大体の付着位置さえ把握しておけばOKです。

起始・停止


http://therapistcircle.jp/sekicyukiritukin/

棘筋、最長筋、腸肋筋で構成されており、それぞれ3つに細かく分けられます。


棘筋

頭棘筋、頚棘筋、胸棘筋に分けられます。
頭、首、胸ですね。

起始

頭棘筋:C5-Th3棘突起
頚棘筋:C5-Th2
胸棘筋:Th11-L2

停止

頭棘筋:後頭骨(上項線、下項線間)
頚棘筋:C2-C5棘突起
胸棘筋:Th1-Th9棘突起

C:頚椎 Th:胸椎 L:腰椎

棘突起とは脊柱(背骨)の背面に突起している部分になります。

https://japaneseclass.jp/img/%E6%A3%98%E7%AA%81%E8%B5%B7


最長筋

読んで字のごとく、脊柱起立筋群の中で最も長い筋肉です。

頭最長筋、頚最長筋、胸最長筋に分類されます。
棘筋と同じく頭、首、胸ですね。

起始

頭最長筋:C3-Th3横突起
頚最長筋:Th1-Th5横突起
胸最長筋:仙骨後面、腸骨稜、下位腰椎横突起、腰椎棘突起

停止

頭最長筋:側頭骨の乳様突起
頚最長筋:C2-C6横突起
胸最長筋:上位腰椎副突起、全腰椎横突起、腰椎肋骨突起、肋骨角

になります。胸最長筋ややこしいですね。

肋骨突起とは上記画像で言う横突起の部分に当たります。

肋骨突起と横突起の違いに関してですが、元々肋骨に当たる部分なので肋骨突起と呼ぶのが正しいと思います。

本来の横突起は肋骨突起後方にて、副突起や乳様突起という小さな突起として存在しています。

http://rensa.blog43.fc2.com/blog-entry-1829.html

側頭骨乳様突起とは耳後方の出っ張りにあたります。
触診可能です。

https://ooooorange.com/pilates%E2%88%92neutralposition/

肋骨角とは肋骨背面側の湾曲している部分になります。

https://arch-seminar.com/first_posturalanalysis/



腸肋筋

頚腸肋筋、胸腸肋筋、腰腸肋筋に分類されます。
棘筋、最長筋とは異なり首、胸、腰になります。

首から始まる分、腰で終わります。

起始

頚腸肋筋:第1-第6肋骨角
胸腸肋筋:第7-第12肋骨上縁
腰腸肋筋:仙骨後面、腸骨稜、下位腰椎棘突起

停止

頚腸肋筋:C4-C6横突起
胸腸肋筋:第1-第6肋骨の肋骨角
腰腸肋筋:第7-第10肋骨角、第11-第12肋骨

肋骨に多く付着しています。
肋骨上縁とは一本一本の肋骨上面になります。


作用

脊柱の伸展、脊柱の側屈、脊柱の回旋です。

https://yoshitakaabe.blogspot.com/2019/08/blog-post_30.html


ここまで滅茶苦茶長かったっすね。約1200文字ですここまで。
先が思いやられます。


簡単な見分け方

脊柱の正中線から最も近場に棘筋が存在し、中間に最長筋、最も遠い位置に腸肋筋が存在します。


作用のイメージ

細かい動きが苦手で、脊柱をまとめて動かす大きい動きを得意とします。
椎体を一堆ずつ動かすような動きには働きません。

多裂筋に関しては椎体を1堆ずつ動かす、細かな動きを得意とします。


抑えるべき2筋

胸最長筋、腰腸肋筋は抑えておきましょう。

脊柱起立筋は腰椎伸展(バックエクステンションなど)に貢献するイメージが強いかもしれませんが、実際にはTh12ないし腰椎部分は筋腹がほとんど存在せず、膜組織になっています。

中でも胸最長筋は腰椎伸展よりも胸椎伸展に貢献すると言われています。


また腰腸肋筋は腰椎伸展よりも
骨盤後傾位による猫背姿勢を支える為に強く働きます。
身体がそれ以上前に倒れないように支えてくれています。

脊柱起立筋がやたら隆起している方は、インナーである多裂筋機能不全や普段の姿勢が骨盤後傾位である場合が多いです。

腰痛になりかねません。


腰椎部分の伸展や仙骨前傾位は脊柱起立筋で行うよりも、多裂筋により行われる事が望ましいです。


骨盤前傾位を作る為に

先ずは多裂筋のトレーニング・アクティベーションは欠かせないでしょう。

大殿筋への伸張性刺激を与えられるトレーニングなんかも有効的だと思います。スクワットやデッドリフトですね。


多裂筋における歩行時の役割

立脚の後期に働きます。股関節が進展している状態ですね。

股関節のみでの伸展可動域は20°が限界です。
寛骨(骨盤)が前傾する事で伸展可動域を確保可能になります。


寛骨の前傾を担う筋肉は多裂筋です。

立脚後期で多裂筋が機能する事で両側寛骨が前傾し、後ろ足は伸展可動域を確保でき、前足は大殿筋が機能した状態で着地の瞬間を迎えられます。

仙腸関節で左右の寛骨は分かれてるとは言え、右寛骨が10°前傾すると左寛骨も8°程度前傾すると言われてますので。


逆に伸展可動域が広い方は多裂筋の過緊張が疑えます。
伸展可動域が広くなる事で足関節背屈可動域や、MP関節背屈可動域は広くなります。


多裂筋が働かないと殿筋はじめ、その他筋群が使えなくなります。


例えば大内転筋。


寛骨後傾により伸展可動域低下、起始・停止が近づき撓む事で機能低下の可能性があります。

大内転筋が機能しないと立脚中期以降、伸展時における内転・内旋が出せないので、常に足底外側に荷重が乗り、足底が不安定になります。

MP関節の背屈バランスが崩れるからですね。


骨盤後傾すると股関節は外転・外旋し広がりますので、余計歩行動作時のエラーが起こりやすくなります。

O脚の様な姿勢ですね。


おわり。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?