🌹横浜ローザを知っていますか🌹

🌹横浜ローザ

横浜に実在した伝説の娼婦「メリーさん」をモデルに
五大路子さんが1996年の初演以来、
26年間、演じ続けている舞台です。



主人公のローザは横浜伊勢崎町に
立つ雑居ビルのエレベーターホールを根城にする老齢な娼婦です。
白いドレスに白塗りの化粧に独特のアイライン。
横浜の街角で娼婦をしての生き方を貫いた女性です。

モデルになったハマのメリーさんは
1921年生まれ（だと思われます）で本名は不詳です。
2005年1月17日に天寿を全うされました。

1970年代、私もメリーさんを
横浜駅西口ダイヤモンド地下街や、高島屋、
伊勢崎町森永ラブなど、あちこちで見かけました。

口差がない友達同士の会話では
「白塗りおばさん」とか「白狐」とか呼んでいて、
誰も彼女の正体を知りませんでした。


呼び名についてはwikiによれば

第二次世界大戦終戦後、進駐軍兵士相手に身体を売っていた「パンパン」と呼ばれる娼婦だと噂され、「皇后陛下」「白狐様」「クレオパトラ」「きんきらさん」などの通り名で呼ばれていた。1980年代に入った辺りから「（港の）マリーさん」と呼ばれ出し、同じく80年代の後半から「メリーさん」と呼び名が変化したようである。また「西岡雪子」という仮名もあり、他にも「ホワイトさん」、「白いお化け」などと呼ばれるとともに都市伝説にもなった。そして後年ドキュメント映画がヒットした影響から「ヨコハマメリー」「ハマのメリーさん」などと呼ばれることが多くなった。

五大路子さんは、
1991年、横浜みなと祭会場でメリーさんと出会ってから
彼女に惹かれていきます。
どんな人生を送ってきたのでしょう。
しかし、本人から話を聞ける訳はありません。

そこで独自の取材を始めました。
あの白いドレスをクリーニングしているお店、
あの髪を結い上げている美容院、
あのお化粧をするためにお化粧品を買っているお店、
専用のコーヒーカップのある喫茶店、

メリーさんの行きつけの場所を丁寧に取材していくうちに
メリーさんの人柄に触れていきます。

そして彼女をモデルとした「横浜ローザ」ができていきました。
1996年から一人芝居の「横浜ローザ」は、
今年も先日公演が終わったばかり。
2015年にはNYで上演されたのです。
戦争に負けた国の娼婦の物語を戦勝国アメリカで
上演し、NYタイムズでも高い評価を受けました。

私もこの舞台を2度、観ています。
赤い薔薇一輪を手に舞台から降りて
客席の階段を上がって扉を開けて出ていく
ローザの姿に堂々と明日を生きる決意を感じた記憶が鮮明です。




五大路子さんのお話の中に
二俣川にある神奈川県立公文書館に行き、
昭和31年11月に行った
街娼への聞き取り調査の文書の資料
を読んでいったことがありました。

膨大な資料はどれだけ多くの女性たちが
街娼として生活していたかを示しています。
一人ひとりのドラマがあります。

誰にも知られず、
ひっそりと生きて、
死んでいった
多くのもの言えぬ女性たち。

そう、ローザはその女性たちの代弁者なのです。


メリーさんという個人の話ではなかったのです。




五大路子さんは娼婦を演じている女優と言われているそうです。


「もうメリーさんを演じるなよ。そっとしてやれよ。」
と言われることもあるそうです。

そういう考えもあるかもしれない。
でも五大路子さんは「ローザを演じる」
覚悟をしっかり持っていらっしゃいます。

すごいなあと尊敬します。

🌹「横浜ローザ」24年目の想い、感謝を込めて

🌹五大路子さん

さて五大路子さんはどういう女優さんでしょう。

横浜市港北出身、篠原小学校、神奈川学園を経て、
桐朋学園演劇科で学び、早稲田小劇場から新国劇へ。
1977年、NHK朝の連続テレビ小説『いちばん星』でテレビドラマデビュー。
以来、時代劇、水戸黄門、大河ドラマや、
舞台TVに多数出演されています。

ご主人は俳優の大和田伸也さんです。

📨「手紙　LETTERS 奇跡の歌姫『渡辺はま子』

「横浜ローザ」と並んぶ素晴らしい舞台は
「蘇州夜曲」などの大ヒットを飛ばし、
チャイナメロディーの女王と呼ばれた
横浜育ちの歌手渡辺はま子さんの生涯を
テーマにしたものです。

1945年に日本軍慰問のため訪れた
中国・天津で終戦を迎えた彼女が、
実際に戦犯たちと交わした数百通の手紙を元に、
作家の山崎洋子さんが脚本を手がけ、
五大路子さんがはま子を演じました。
2007年公演時に五大路子さんはこう語っています。

「渡辺はま子さんは、BC級戦犯として捕らわれていたモンテンルパの死刑囚の人たちを歌の力で命を救った。『私は唄う戦犯』と苦闘しながらも突き進んでいった彼女の真心を、平成の世の今に昭和からの手紙として皆様の心にお届けしたい。彼女が歌った歌『あぁ、モンテンルパの夜は更けて』に秘められた出来事をぜひ感じてほしい」

渡辺はま子さんは私の母校の大先輩です。
1970年代に母校のチャペルで講演会がありました。
彼女についてほとんど何も知らない女学生たちは
最初は「綺麗なおばさん」程度に思っていました。

でもお話が進み、
どんどん魅了されていきます。

そして、そのあと、アコーディオンの伴奏での歌を聴いて、
圧倒されました。
すごい！なんという迫力！


私はメリーさんにもはま子さんにも実際に
あっていたのです。

このお二人を演じる五大路子さんに
ご縁を感じないわけがありません。

♩モンテンルパBC級戦犯の　もうひとつの歌

🌈夢と希望と平和を演劇に込めて

2022年平和のための戦争展inよこはま　
特別企画戦争・空襲

77年前の5月29日、横浜は大空襲に見舞われ、8000人以上とも、10,000人以上とも言われる尊い生命が奪われ、当時の市民の約半数の31万人が被災しました。
戦後も横浜は占領され、今なお米軍基地があります。
今なお、戦闘状況のある国もあります。
戦争による悲劇を忘れず、平和な21世紀を願い、「見つめよう　語り合おう　戦争の過去といま」をテーマに開催されました。

この会の第二部で五大路子さんは
横浜ローザへの想いや
平和への取り組みを熱く語ってくれました。

戦争に翻弄されながらも生きてきた一人の女性の話、
「横浜ローザ」を今年終わったばかりの公演を振り返りながら、
26年続けてきた想いを話します。
そして、横浜大空襲を体験した15才の少年の実話「真昼の夕焼け」を
小学生から大学生までに朗読していることや、
そのような活動をするきっかけについてなど、
映像をご覧にいただきながら、演劇を通して平和を、
そして今を生きることの大切さを伝えるお話をしていきます。

子供の時、祖父母、父母から聞かされた
戦争の話が大嫌いでした。
戦争が終わってから生まれてよかったと
心から思いました。

「戦争を知らない子供たち」を歌ったあの頃、
沖縄が日本に返還されました。
50年前のことです。

戦争は遠いところで、
知らないうちに
起きて
知らないうちに
終わっているものと思っていました。

2022年が戦後でなく、戦前と
のちに語られることがないように
私たちは、
しっかり自分の頭で考えて行動したいと思います。

五大路子さんは演劇を通して平和を
伝えていきたいという明確な決意をもって
明日を生きています。

では私はどうしたら良いかしら。
何ができるかしら。

まず自分ができる
平和への一歩を考えてみたいと
想いました。



例えば
おはようと挨拶する
ありがとうって言ってみる
悪いなあと思ったら謝る
思いやりを持つ
友達を作る

些細なことからできること。

それに真実を知るということもあります。

📗朗読劇「真昼の夕焼け」

横浜大空襲の実体験を描いた15才の少年の実話

作：筧槇二（かけい・しんじ）
演出：高橋和久
出演：五大路子　横浜夢座メンバー



杉田劇場ではさわの里小学校、
屏風浦小学校、梅林小学校などの小学生が招かれています。
また、羽沢小学校、神奈川学園にも出向いています。

精力的に伝える五大路子さんの
姿に感動します。

大人もみることができますよ。

2022年9月28日（水）14：00
磯子区市民文化センター杉田劇場
チケット　2500円（前席指定）
7月上旬発売予定です。

詳しくは横浜夢座HPをご覧ください。

横浜夢座 ｜トップページ

♫風の吹く街　野毛坂ダウンタウンストーリー

1945年5月29日
横浜は大空襲をうけ、焦土と化しました。

今日の繁栄を築いてくれた先達の方々を覚えて
感謝します。ありがとう。

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