💖とことんユーミン💖　昨晩お会いしましょう

ユーミンライブ定番「カンナ8号線」が収録されている『昨晩お会いしましょう』登場です。1981年11月あなたにとってどんな年だったでしょうか！

♪タワーサイドメモリー
♪街角のペシミスト
♪ピュッフェにて
♪夕闇をひとり
♪守ってあげたい
♪カンナ8号線
♪手のひらの東京タワー
♪グレイス・スリックの肖像
♪グループ
♪A Happy New Year

こんばんは。今夜のアルバム「昨晩お会いしましょう」
キャッチコピーは

「過去、現在、未来、
 時の流れは 今 ユーミンに止められた。
  あなたの青春の一場面が息づく。」
    でした。

ジャケットのデザインはイギリスのヒプノシスが手がけ、
ユーミンに後ろ姿が似たモデルを起用して、
アイスランドで撮影されました。
なお、デザインに提案された絵コンテのうち
最後まで迷ったもう一つのジャケット案は、
同時期に発表されたピンク・フロイドの『時空の舞踏』に採用されました。

1、タワーサイドメモリー

霧雨に誘われてタワーサイドに出れば
最終モノレールが東の空を流れ

さて最初からクイズです。
クイズの答えがお分かりになったらてをあげてください。

最初の方お一人にお答え頂きます。
まず、一曲目　タワーサイドメモリー　
このタワーはどこのなんというタワーのことでしょうか。



この曲は神戸を舞台にしたご当地ソングで、
タワーは神戸ポートタワーのことです。

当時、神戸で行われていたポートピア博覧会も
歌詞に織り込まれています。
モノレールは1981年に開通したポートライナーと考えられ、
実際この新交通システムはモノレールではありませんが、
そんなのはあんまり問題ではないですね。

2、街角のペシミスト

不安な明日を笑いとばしても
みんな街角のペシミスト

タワーサイドメモリーはポートピア、
祭りの後の寂しさと感じさせる曲ですが、
街角のペシミストは人生における祭りの只中にいながら
不安と祭りの後の予感を感じさせる曲です。

地方出身の女の子だと思われる主人公は
夢を持って都会にやってきました。
真面目に働いて、金曜日の夜は濃いめの化粧をしてディスコへ出かけます。
クラブではないディスコです！
夜中の1時に帰る道すがら自分の夢はいつ叶うのかなあとか
ちょっぴり不安も感じています。
都会の波にもまれ、疲れを感じながらも、
平凡だけは嫌と言い、
やがて踊りすぎた金曜日を卒業していく娘たちの女心…
深いですね。

3、ピュッフェにて

昔の友達と　今旅をしています
遠くを流れてゆく山の雪を見ながら

ビュッフェにてのクイズです。
この曲の舞台となる路線、
城下町はどこでしょうか。


答えはユーミンコードから
「舞台は北陸本線、福井から海岸線を
金沢に向かっているときに思いつきました。
当時は食堂車があったんですよ。
そこのトーストが美味しくてね…。
さらに濃いめの紅茶も美味しくて、
そしてわかさぎのフライ。これらが歌の通りさめていくんですよ。」

ビュッフェ　子どもの頃のった特急電車のビュッフェ、
日本食堂だったのかしら。
白いテーブルクロスのかかったテーブルに座り、
窓の向こうに流れる景色を見ながら
食事をしたことを思い出します。

4、夕闇をひとり

そしてもう一度　もう一度
私の声にふりむいて
しばらくは夕闇をひとり歩いてるから

ユーミンにしては珍しくネガティブなタイトルって感じですね。
中島みゆきっぽい感じとも言えます。
別れた彼のことを知ることができたら、どこでもいくわ
冷えそうな心と慰めのカセット　カセットですよ！
淡い口紅一つ持って。
さくらんぼの包みとできるだけ笑顔と、
最後の連絡先を持って
別れた男を愛してくれる女に会いにいくっていうのも
考えれてみればストーカー？
とツッコミたくなる年になってしまいましたが、
大好きな彼に失恋してもなお
恋心を捨てきれなかったわたしは大いに共感したものでした。

5、守ってあげたい

1980年代前半の最大ヒット曲です。
クイズは、避けて通れないものですね。
はい、この曲が主題歌になった映画のタイトルをお答えください。

大正解　角川映画「ねらわれた学園」です。
第一回日本作曲大賞を受賞して、「ザ・ベストテン」で披露したとき、「ピンクの曲」と紹介したそうです。

You don’t have to worry.worry
守ってあげたい
あなたを苦しめる全てのことから

6、カンナ8号線

想い出にひかれて
ああ ここまで来たけれども
あのころの二人はもうどこにもいない

ユーミンライブの決定版ナンバーの一つです。
ユーミンの念頭に置かれているのは、

環状八号線、通称カンパチだと思われます。

わたしにとってもカンパチは極めて重要な道路でした。
第三京浜を降りて、多摩美の前を通るこの道は
横浜から東京西区域へいく通過儀礼道路でした。
ちなみに環状7号線、カンナナは東京東区域にいくときに
よく走りました。
カンパチ通るたびにカンナ8号線を歌っていたことを思い出します。

7、手のひらの東京タワー

このアルバムには二つのタワーが登場します。
旧約聖書の「バベルの塔」が人類初のタワー
「より高くより神に近づきたい」という欲求の表れと
酒井順子さんは「ユーミンの罪」で書いています。
バベルの塔のお話は大変興味深いのですが、
ちょっと置いておきますね。

人類の煩悩が天を刺すように屹立し、
夜になればライトで光輝く都会のタワー。
1980年というキラキラした時代の幕開け、
バブルへ向けて右肩上がりの成長を続けている時代。
ポートタワーも阪神・淡路大震災を経験していない時代。
ユーミンは「都会の象徴」としてタワーと登場させたのでしょうか。

金色の鉛筆削りの東京タワーを渡すわたしは、
彼自身も手のひらに乗せていたのではないかしら。と

さて、ここでクイズです。

この曲はだれに提供された曲でしょうか。

1978年に井上陽水と結婚していた石川せりさん。
陽水は彼女の手のひらの上の孫悟空だったかもしれませんね。

東京スカイツリーはまだ歌われてないのはわかりますが、
マリンタワーが登場しないのはちょっと寂しい気がします。

本当は金色のエンピツ削りなの
手のひらに包んだ　東京タワー

8、グレイス・スリックの肖像

タイトルにあるグレイス・スリックは
アメリカ出身のロックバンド、
ジェファーソン・エアプレインのメンバーでした。
このグループはアメリカンロック黄金時代から活動する
サイケデリック文化を象徴するグループで、
一度解散後、ジェファーソン・スターシップに改名し、
さらにスターシップへと分離しました。

「私を忘れてから
もうどれくらいたちますか」
少し悲しげにつぶやく　写真のグレイス

イントロとアウトロでは有名な
フランス民謡『フレール・ジャック』が使われています。
輪唱にも使われ、替え歌もたくさんありますね。

Are you sleeping?
Where is thumbkid?
グーチョキパー　など…



わたしはロックはあまり詳しくないのですが、
グレイススリックを調べていたらこの曲に当たりました。
“Let it go” です。高校時代、ユーミンは聞いていたのではないかと思う曲です

9 グループ

過ぎ去った季節
あなたは陽気な学校一の遊び人
顔を合わせても戻ることのない
素敵なグループ

この曲を聞くたびに何故か
慶応幼稚舎から育った遊び人グループを想像します。
ところが、このストーリーの舞台は
上智大学アメフト部だったことがわかりまして。
コアなファンの方がWikipediaに載っていないことを
教えてくださるので
本当に「とことんユーミン」おもしろいです。


大学を卒業して数年、
主人公の元に公認カップルだった二人から
結婚パーティーの招待状が届きます。
あ、彼も来るなと直感します。
だって4人はどこへいくのも一緒だったから。
彼とわたしは別れてしまったけど、
あの頃はたのしかったと思い出します。

私の大学時代、同じグループで結婚したカップルもいましたから、
これはリアル感がハンパありません。
ちなみに田中康夫氏「なんとなくクリスタル」が
芥川賞候補になったのも1981年です。


遊び人たちのお祭りの終焉は結婚と思ったあの頃、。
でも結婚も終わりではなかったのですね。
こんなことを思う曲です。

10、A Happy New Year

今年も沢山いいことが
あなたにあるように いつも いつも

アルバム最後の曲　A  HAPPY　NEW　YEAR の
「今年もたくさんいいことが　あなたにあるように　
いつも　いつも」
は年賀状やお年賀メッセを書くときにいつも口ずさんでいます。


さて、最後に「昨晩お会いしましょう」という
アルバムタイトルについて触れてみたいと思います。
あるオペラからヒントを得たということですが、
なんというオペラでしょうか？

はい、《椿姫》原題は『堕落した女（直訳は「道を踏み外した女」）』を意味するLa traviata（ラ・トラヴィアータ）

色々調べてみますが、オペラ「椿姫」からヒントを得た。と書いてあるだけで、
どこのどのようにというのがよくわかりません。

5ちゃんねるでも取り上げられているようですし、
中には「おとといきやがれ」を引用してあるものもあります。
これはびっくりです。
嫌な奴が来た時に使う言葉ですから「良い子」は使わないようにしましょう

ユーミンもびっくり！という解釈かもしれませんが、
ここではわたしの独断的解釈を話しますね。
ヴェルディ作曲　椿姫　大好きなオペラです。

30秒でわかるあらすじです。

舞台はパリ。
青年貴族アルフレードはパリの社交界の華ヴィオレッタに恋をします。
高級娼婦のヴィオレッタは身分の高いお金持ちの男たちの間を
ひらひら舞う蝶の様でしたが、
アルフレードの真実の愛に目覚め、
パリを離れて二人だけの暮らしをします。
でもアルフレードの父親に反対され、
ヴィオレッタは愛する彼の将来のために、
わざと悪い女ぶって、パリに戻ります。
ヴィオレッタの本心を知らず、
アルフレードは一時はヴィオレッタを憎みますが、
彼女が病に臥せっていることを知り、逢いにいきます。
しかし、時すでに遅し。
結核という不治に病にかかったヴィオレッタは、
愛しいアルフレードの腕の中で息を引き取るのでした。

このヴィオレッタのアルフレードへの恋する思い。
もうすぐ死んでしまう。
死ぬ前にもう一度逢いたい、
本当の気持ちを伝えたいけど伝えない…
そんな複雑な思いが『昨晩お逢いしましょう』
になったのではないかと思います。

ちなみにフィレンツェ初演の失敗は、
ヴィオレッタのミスキャスト。
結核で死ぬというのに、
まるまる太ったソプラノ歌手の容貌に皆が笑ってしまっとか…
それとイタリアにはパリの社交界事情がさっぱりわからなかったようです。

映画「プリティ・ウーマン」でも効果的に使われました。
ご記憶にありますか？
二人でオペラデート『椿姫』観劇にいきます。
真っ赤なイブニングドレスのジュリア・ロバーツ綺麗でしたね。
最初はちんぷんかんぷんだったビビアンが
最後には感動の涙を流しているシーンが忘れられません。
こちらはハッピーエンド。
片手に花束、片手に傘を持って
アパートの裏階段を登っていくリチャード・ギアの
騎士姿が感動的でした。
バックには「椿姫」第二幕『わたしを愛してください」
が流れていました。

さていかがだったでしょうか
『昨晩お会いしましょう』
お楽しみいただけましたか？