🍁紅葉狩②松原湖🍁

世古壽實

2023年10月28日 10:03

松原湖は南佐久郡小海町の標高1123 mにある湖です。
猪名湖（いなこ）・長湖・大槻湖の3湖の総称です。

【松原湖】

887年仁和地震によって、
天狗岳山が崩れ、岩屑雪崩が起きて、
丘陵地の窪地を流れる大月川が堰き止められて氾濫し、
生成された自然の湖です。

名月や
池をめぐりて
夜もすがら

1686年8月15日夜当日
芭蕉庵にて月見の会の席上
「仲秋の名月を眺めながら池の周りを歩いていたら
　いつの間にか夜が明けてしまった」と詠んだ句である。
松尾芭蕉43歳の最も心身充実の時期の作。

湖を一周4kmは散策路が整備されていて、
紅葉狩をするには絶好の場所です。

貸ボートと民宿が数軒あるほかには
カフェもレストランもありません。

夏はヘラブナ、冬はワカサギの釣り場ですが、
今の時期は2、3釣舟が出ているだけでした。
静かな湖畔には
トンビの声が響いていました。

【畠山重忠の母】

散策していると、畠山重忠の母のお墓があるという表示を見ました。
気になって歩いていると、対岸に由来が槐多たて看板がありました。

昔、源頼朝がライ病にかかった時、龍の生肝を飲めば良いという神のお告げが夢に現れた。
頼朝は畠山重忠に龍の生肝をとってこちと命じた。
重忠はどこへ行けば龍がいるかわからないので困ったが、ある夜の夢に信州松原湖に住む龍の生肝をとるがよいと教えられた。
重忠はすぐに出かけると、松原神社から弁天島へ降る大弥太坂で母に行き会った。
重忠は母に頼朝の命を話すと、「私が湖中に入って蛇体となるから肝をとって主君に奉れ。」と言って入水した。
たちまち水面にむずばしらがたったと見る間に大蛇に姿が湖上に現れた。
重忠は、今はもう躊躇する時ではないと、ついに之を殺して生肝を取り頼朝に差上げた。
頼朝は病気がたちまち治ったので、湖畔神光寺の境内へ重忠の母のために五重塔を建てて供養したという。

息子の出世のために命を捨てる母の美談・・・
いつの世も変わりない母の愛ですね。

【北風小僧の寒太郎】

童謡　北風小僧の寒太郎は　ここ松原湖に生まれて幼少時代を過ごした井出隆夫氏が湖を渡る冬の風を思い起こし昭和四十七年に作詞、作曲家・福田和禾子氏によって親しみやすいメロディーが付けられてNHKの幼児番組で発表されました。
　その後　おなじNHKの「みんなのうた」などで長年歌い続けられ月岡貞夫氏によるアニメーションのキャラクターとともに時代を超えて多くの人々に親しまれてきました。
　井出氏は“山川啓介“の筆名で数多くのポップスや歌謡曲の作詞もしていますが「北風小僧の寒太郎」は松原湖での日々をしのび本名の井出隆夫で発表しています。
　その寒太郎ゆかりの地として有志によりここに歌碑の建立をします。

平成二十四年十月
北風の歌いはじめる季節に