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渋家の話

渋家が終わる。
現在の渋家が終わる。
要は退去ってことだ。

2008年から始めてもう12年経ち
今の渋家を借りたのが2011年なので
そこから考えても9年近く経つ。

あっという間だった気もするし
すごい長かった気もする。
今の僕の始まりの全ては渋家だし
これからもその先もたぶんずっと変わらない。

今回の引っ越しで過去のメンバーと現メンバーを入れたライングループを作ったら
100人近くいた。連絡取れなくなってしまったメンバーとかも含めたら多分200人超えてると思う。

僕は本当渋家は街とか村とかと同じ概念だと思っている。

メンバー内で恋人ができ
メンバー内で別れたり
メンバー内で結婚をし
メンバー内で離婚をし
メンバー内で子供ができ家族になり
メンバー内で会社を始め

彼ら、彼女らはただの賃貸の民家を「故郷」だと言う。
結婚をし子供ができた彼ら彼女らはみんなのところに「帰りたい」と言う。

2017年に僕は渋家に住まなくなった。
僕の世代から次世代に切り替わった。
今、彼らが初めて渋家を引っ越そうとしている。
そして彼ら彼女らも故郷とか同じようなことを言う。

渋家は齋藤恵汰の現代美術の作品である。
渋家はみんなの故郷であり、帰る場所である。
渋家はコミュニティである。
渋家はただの賃貸の物件である。

渋家は慈善事業ではない。
渋家は学校ではない。
渋家は自分たちが購入した家ではない。
渋家はシェアハウスではない。

ノスタルジーになるつもりなんてない。
ノスタルジーなんぞクソ食らえだ。
そこにあるのは美化された過去と
あの頃が良かったと言う適当な記憶だけだ。

僕は現渋家の家主だ。
僕の名義で借りている。

次の渋家は僕の名義にするつもりはない。
今の彼ら彼女らの名義にするべきだ。

あと5億年続けばいい。
とにかくパーティーを続けるようにやればいい。愛だよ、愛。

終わらんでしょ、渋家は。
これからもこの先もせっかくの若者の人生をめちゃくちゃにしてこうぜ。

さあて渋家の口座にお金ぶっこむかな。
よかったらみんな協力してやってくれ。
公共でも何でもない。ただの私的なスペースに。

https://hikkoshi.shibuhouse.com/

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