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vol.1 出来の悪い娘の在宅介護【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

ALS?!病気ひとつしなかった母が?

介護の仕事を20年ほどしている私が、3〜5年ほど前に介護をした母のことをポツポツ書いていきます。

2016年4月 母の体に異変が

「なんかしゃべりにくんじゃけど、変じゃない?」それは、隣に住んでいる弟家族や娘やら、一緒にわいわい夕食を食べている時でした。2015年の年末に肺癌だった父が他界し、厳格だった父の看病で気が張っていたところから、急に一人になった母が気落ちしないように、時々、集まっていた食事会の時でした。

「ぜんぜん変じゃないよ。お父さんがいなくなったから気持ち的なものじゃない?」と言う私と弟に、「しばらく、この会はやめとくわ」と言う母。この時は「気のせい、気のせい。食事会やめるって鬱的になってない?だいじょうぶかな」という感じで、この後に起こることは全く想像していませんでした。

母に起こった症状

①呂律が回りにくい

呂律が回りにくく、声が前に出ない。車の中で一人歌ってみるが、やはり発声しにくい。

②左手が痛く、握りにくい

フライパンを持つとき、運転でサイドブレーキを引くときにやりにくさを感じる。手をさすったり、マッサージすると翌日には治る。

③首を回したときに痛い

首筋縦方向に痛みが走り、回すとカクカクと動き痛みがある。

④麺類がすすれない

一口目はスムーズにすすれるが2回目からまったくすすれない。→「うそだ〜」と一緒にうどんを食べに行くと「みてよ〜」とうどんをすすった母を見て「できるが〜」と思った瞬間に「ぶはーー!!」とうどんが丼鉢に勢いよく戻る。

⑤「かきくけこ」と濁点のつく言葉が話しにくい

鼻から空気が抜けていく感じで、声が前に出ない。

病院受診へ

仕事で忙しい私に代わって叔母(母の妹)がさまざまな検査が受けられる病院へ付き添ってくれ、受診しました。血液検査、平衡機能検査、記憶検査、MRIを行った結果、軽いパーキンソン病の疑いがあると内服薬が処方されました。パーキンソン病かな・・・?

パーキンソン病じゃない・・・

処方薬を内服しても全く症状は変わることなく、発声時に鼻にかかったような、鼻から空気が抜けていくような声は徐々に強くなってきていました。そして、私の中では別の病名が頭をよぎっていました。10年以上前に在宅ヘルパーをしていたとき、その病気の方に私は出会っていました。本が大好きで私がとても尊敬していた女性です。彼女の症状に似ているところと、そうではないところがある・・・。まさか母が・・・そんな稀な病気にはなるはずがない。誰よりも元気で薬ひとつ飲んでいなかった母が。旅行が大好きでみんなの数歩前を軽快に飛ぶように歩いていた母なのに、そんなはずはない。

   2016年5月 セカンドオピニオンへ







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