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FAO 3月の食品価格指数を発表-過去最高値を記録

日本でも新年度になって食料品価格の高騰が話題となっていますが、この傾向は世界的にも深刻になっています。FAO(国連食糧農業機関)は4月8日に、2022年3月の食品価格指数(FFPI)を発表。これによると、2014年から2016年の平均価格を100としたときの先月の価格指数は159.3となり、過去最高値を更新しました。

この価格指数、FFPIは穀類・植物油・乳製品・食肉・砂糖の5分野のコモディティから構成されており、各コモディティの価格指数の変遷は以下の通りです。

FAO Food Price Indexより

このなかで注目すべきは、やはり植物油の価格動向でしょう。植物油の3月の価格指数は248.6ポイントで、前月から23.2%上昇という深刻な上がり具合です。

この要因についてFAOの説明です↓。

黒海地域で進行中の紛争による輸出供給の減少で、3月の国際ヒマワリ油相場は大幅に上昇した。ヒマワリ油の供給が途絶えたため、代替としてヤシ油、大豆油、菜種油の価格も著しく上昇した。

FAO Food Price Indexより

「黒海地域で進行中の紛争」と回りくどい説明になっているのが、さすが国連機関だなという感じですが、ロシアとウクライナは合計すると、ヒマワリ油の世界貿易量の半分以上を輸出しており、その影響が植物油全体に及んでいると見られています。

また、植物油同様に価格指数が急激に伸びている穀類については、ウクライナからの小麦輸出量が大幅に低下する見込みであることに加えて、肥料価格やエネルギー価格の高騰による米国などでの生産への影響の懸念から価格指数が高くなっています。なお、小麦については、これまでウクライナから輸入していた国々に対して、インドが代替輸入先としてシェアを伸ばす見込みとの報道も出ており、引き続き食料価格と生産の動向に注目する必要がありそうです。


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