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EUと米国 ウクライナの欧州国境に臨時サイロを建設へ

今月のG7でウクライナからの穀物輸出支援策が議題となる予定のなか、EUとアメリカによる具体的な支援策が報じられ始めました。

バイデン大統領は火曜日、フィラデルフィアでの演説で、ウクライナからの穀物輸出支援策として、ポーランドなどのEU-ウクライナ国境に臨時のサイロを建設する計画があると言及しました。また、EUも同様の計画を検討していることが報道されています。

現在、ウクライナでは黒海ルートの輸出網が機能していないため輸出分の穀物在庫が積み上がり、国内の穀物保管能力が限界を迎えつつあります。7月からは冬小麦の収穫が本格的に始まるため、穀物を保管するスペースの確保は喫緊の重大問題となっています。

また、黒海ルートの代替策として、隣国のルーマニアやポーランドに鉄道などで穀物を運ぶルートも徐々に機能し始めてはいますが、鉄道の軌幅が異なるため国境で積み替えが必要なことなどが相変わらず障壁となっています。

そうしたなか、対策として出てきたのが、国境地帯での臨時サイロの建設です。つまり、ウクライナとEUの国境地帯に臨時サイロを建設し、まずはそこに鉄道を使って穀倉地帯から穀物を送り込む。そうすることで保管スペースの逼迫に対処しつつ、サイロに溜まった穀物をEU側の鉄道に移し替え輸出ルートにのせる。アメリカとEUとしては、この流れを作り、陸路ルートの効率化を進めたいものと見られます。

一時は黒海に英などが海軍を派遣し、主要港であるオデーサ近海を掃海しつつ、穀物を運ぶ民間船舶の安全を確保するという案もありましたが、結果的に西側陣営は陸路ルートを最大限パックアップする方針でまとまりつつあります。

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