【投資編】トルコリラは1リラ6円を切る…(解説)

トルコの通貨であるリラは「投資で利益が出る」なんて昔耳にしたこともあるのではないでしょうか。

結論としては、リスクが高い通貨で、結果損をした人の方が多いのではないかと思います。
簡単に解説します。

まず、トルコリラが儲かるなんて言われていた最大の理由は「金利が高いから」です。
FXでリラを持っておけば、毎日結構なスワップポイント(利息としてもらえるお金みたいなもの)がもらえたのです。

それがなぜ損をしているかというと単純で、ものすごいスピードでリラの価値が下がり続けているからです。
2014年には1リラ50円くらいだったものが2019年には20円、2023年6月11日現在では6円を切るところまで下がっています。
いくらスワップポイントが高かろうと、そんなの追いつけないスピードで通貨の価値自体が下がっているのです。
(ちなみにトルコの金利も下がり続け、スワップポイントも減っています。)
以下は過去10年のリラ/円のチャートです。

リラ/円チャート(過去10年)

なぜそんなにリラが安くなっているのか、最大の理由は、政策金利を下げ続けているからです。

前の記事にも書きましたが、政策金利が上がれば通貨の価値は上がります。
逆に政策金利が下がれば、通貨の価値も下がります。

トルコのエルドアン大統領は低金利推進派で、どんどん利下げをしてきたのです。
その理由は、低金利こそ経済活性化につながるという考え方でした。
利下げをすれば以下のような効果が起きて景気が良くなるという考えです。
・お金が借りやすくなって経済がまわり、雇用も増える。
・通貨が安くなるので観光客が多くなる。また、輸出産業も活性化する。

ただ、実際はリラの価値が下がったことで深刻なインフレに陥っているという話もあります。

そのエルドアン大統領が2023年5月末の選挙で再選したこともあり、更にリラ安が進みました。
(なお、エルドアン氏の得票率は52.2%で対立候補のクルチダルオール氏は47.8%だったようです。)

エルドアン大統領が急に政策を変えることも考えづらく、長期的視点でリラが買い時とは考えづらいでしょう。
ただ、一方で6月22日のトルコ政策金利発表で大幅な利上げがされるのではないかという話もあります。

トルコリラに限らず、新興国通貨はリスクが高い側面があるので、これからFXを始める人などは注意した上でご検討ください。
この記事が検討の一助になれば幸いです。

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