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【解決法】廃材利用で品質特性が目標値に達しない!

1.問題発生

今回は、廃材を利用して新商品を開発し始めたものの、品質特性がなかなか目標値を達成することができなかった事例です。

2.大切なことは?

廃材を利用する場合において注意すべきことのひとつに、廃材の品質のバラツキがあります。市販されている材料ならば、バラツキ少なく製造され手に入れることができますが、廃材の品質特性はバラツキが大きいため注意が必要です。

3.状況は?

活用した廃材は、県のある業界の組合に所属されている各企業様よりご提供をいただきました。最初に各社の廃材の基礎物性を確認したところ、見た目からして各社バラバラで、強度の特性も目標値より低く・バラツキが大きいことがわかりました。最初に強度の向上とバラツキを少なくするため、廃材と別の材料とを混合することとしましたが、一般的な混合率では目標の強度特性を達成できませんでした。

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検討の結果、別の材料を目標原価を超える量で混合しないと目標の強度特性を達成できないことがわかりました。
そこで、代替案として製品の構造仕様を変更することにより強度を持たせるべく、さらに別の廃材と複合化させてみたところ、目標の原価内で目標の強度特性を達成することができました。

4.解決のポイントは?

今回の解決のポイントは、目標の品質特性を達成するため、材料を通常よりはるかに多く適用したものの、目標原価を超えてしまったため、さらに別の廃材の適用へと方向展開をしたことでした。


5.失敗しないためには?

このように、商品開発においては方向転換が必要な時があります。その際、どのような理由から判断し方向転換を行うかが重要となります。今回は、あらかじめ設定しておいた目標原価から判断したのですが、別の指標も併せて設定しておくことにより、総合的に判断することが良いでしょう。

今回は、廃材を活用した商品開発事例についてご紹介しました。

ご参考になれば幸いです。

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