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『Go to Togo』を出版してからのこと

 ぼくと烽火書房・嶋田くんの渾身の一作、『Go to Togo』を出版してから2ヶ月くらい経った。ぼくたちにできることをやろうと、オンラインイベントをやりまくってきた。コロナ禍でこそ、ぼくたちの挑戦には価値がある。こういうときだからこそ、諦めわるくアクションを起こす。暗闇にいるからこそ星は輝いて見える。

 そうしてぼくたちのすべてをぶつけながら、倒れたり、すりむいたり、崖っぷちに立たされたりして実績をつくってきた。イギリス・ガーディアン紙「The world’s 10 best bookshops」に選出されたことでも有名な「恵文社一乗寺店」。その日本を代表する京都の書店に『Go to Togo』はラインナップされている。そしてその恵文社をブランディングしてきた名書店員がオープンした「誠光社」。京都最強の本屋さんと名高い書店にも『Go to Togo』はある。

 しかもその「誠光社」さんに至っては、買い取りでの取り扱いである。多くの書店で、基本的に委託取引となるため、売れなかった本は返本される。そんな中で、買い取りをするというのは「確実にお客さんに届けられる自信がある」ということの表れでもある。一流書店を築いてきた店長の目利きで『Go to Togo』は買い取りされた。本としての価値が、認められはじめていることの証左でもある。

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 この写真は、北海道江別市にある蔦屋書店さん。人と人がつながって、『Go to Togo』は津軽海峡を渡った。これまでリーチしなかった人たちに、ぼくたちの挑戦を届けられることは、本を出す魅力のひとつだ。そのことが可能性を秘めているのは、いろんなジャンルの人の目にふれることで、これまで思いもしなかったようなアイディアやチャンスをもらえたりする点にある。発刊前(ビフォーコロナ)より活動の幅が広がって、そのぶん事業に多様性がうまれている。

 とはいえ、めざすべき方向性をぶらさず、コンセプトの設計を入念におこなうことも必要だ。しかし当然のことながら、ぼくにそんなスキルはないので、いまいろんな人にコミットしてもらって土台づくりに奔走している。これが結構しんどい。いまは我慢のとき、種まきのとき、踏ん張りどき。起業してからずっとそんなことを言っているような気もするが、しゃがんだぶんだけ高く飛べると信じて前を向きたいと思う。

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中須俊治(アフリカドッグス代表)
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