グルメな夫の昭和な料理
グルメな夫に脱帽するのはコトコトと煮込む料理をしてくれる時だ。高野豆腐もふかふかでおいしい。(私がつくるとふかふかにはならない。)今日もふかふかな料亭ででてくるような高野豆腐がたべられると思うとうれしい。
その上にのっているさやえんどうを食べたとたん、祖母の料理を思い出した。小さいころ、夏は畑でとれた胡瓜や茄子やさやえんどうを煮て食べるのが日常だった。味付けは醤油だけ。祖母がコトコト煮込んでいる横でできあがるのを待っていたものだ。
平成4年に日本に来た夫はもちろん祖母のことを知らない。なのに、不思議と同じ味がする。日本が豊かになる前の昭和の味だ。なつかしい。
夫はそもそも日頃の行動が親か祖父母の世代の人間に似ている。物が捨てられないところとか、万が一に備えて買い込むところとか。同世代とは思えない。そんな夫と暮らしていると、夫婦と言うより父娘のような気がしてくる。グルメな夫の料理が「昭和の味」なのはそのせいかもしれない。
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