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グルメな夫、納豆がなくて料理する

グルメな夫は納豆が好きである。インドネシア人が納豆を食べるのか、と驚かれるが、インドネシアにもテンペという大豆発酵食品があるから大丈夫らしい。グルメな夫は日本に暮らし始めて食生活が激変したが、その一つはテンペが食べられなくなったことだった。それを納豆が補ったので、なおさら納豆が好きなのである。
我が家はたいていの食材を週1回配達してもらっているが、今週は注文ミスで納豆が届かず、グルメな夫はがっかりしていた。しかし、そこはグルメ、「納豆がなくてもテンペがある!」
と言うや、テンペ・バッチャム(テンペの甘辛煮込み)を作り始めた。
幸運なことに、最近冷凍のテンペが手に入るようになり、グルメな夫はテンペのある生活を享受している。

料理する前のテンペ(インドネシアの大豆発酵食品)

テンペと一緒に豆腐も入れると、タフ・バッチャム(豆腐の甘辛煮込み)も同時に出来上がる。使うのは焼き豆腐。インドネシアの豆腐は固くしまっていて、必ず火にかけて料理して食べるので、グルメな夫が豆腐料理をするときに最も好むのが焼き豆腐なのである。
テンペ・バッチャムやタフ・バッチャムをつくるとき、インドネシアでは欠かせないココナッツミルクをグルメな夫はだんだん使わなくなった。醤油や味醂を使い、ケチャップ・マニス(インドネシアの甘醤油)も後から入れる。こってりせず、食べやすい。グルメな夫は「日本式」だと言っているが、サラムの葉やガランガー(生姜の仲間のスパイス)を入れるとしっかりインドネシア風の味である。

テンペ・バッチャムとタフ・バッチャム
横にあるのはサラムの葉

ところで、注文ミスで納豆のかわりに冷奴が届いた。メンタルブロックがかかって冷奴が食べられないグルメな夫は言う。
「冷奴、よろしくね。」
でも、テンペ・バッチャムがおいしすぎてグルメな夫が皿洗いをし始めても食べ続ける私。
冷奴はまだ冷蔵庫を占領している。

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