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食べたい!と思う文章が書けない理由

 先日、とあるコンテストに応募しようと書きなぐったエッセイ。不評でした。エッセイのタイトルが良くなかったのかな。それともテーマかな。僕としては面白い遊びかな、と思って書いていたんですが。

 どんな話だったかというと、コンテストに応募しようとしていると、「歌詞募集」と「レシピ募集」が同じカテゴリーに入っている。変だな、と思った。でも面白いから、それならレシピになる歌詞を書いちゃえ、とそんなお話でした。まだの人はぜひ読んでみてくださいね。

 「コンテストに応募してみよう」


 そのエッセイは不評、というか、あまり閲覧されなかったのですが、その中でも数少ない友人たちが読んでくれて、コメントをくれました。励みになりましたが、逆に友人たちを不安にさせたかもしれません。「ひょっとして面白いと思ってるのは自分だけ・・・?」本当にすいません。

 その反応の中でフレンチのシェフが「レシピを歌にするという発想はなかった」と言ってくれたんです。僕もなかった。たまたま思いついたんです。正直レシピにはなっていなかったから、もっとレシピになる歌詞を書きたい、と伝えたら、笑ってくれました。でも僕は本気です。というか、そもそも食べ物の話を書くなら、基本的にゴールは一つしかない。それは、美味しそう!食べたい!と思ってもらえるかどうかです。それしかない。

 だから、僕は僕が食べたい、もしくは美味しいと思うものしか書かないんです。だけど、問題がある。大きな問題です。

 僕はここ2ヶ月ずっと机に向かって毎日書いてました。集中はものすごく簡単に途切れます。神が降りてくることも少ない。たまにぐっと書ける時はありますが、大抵すぐしぼんでしまうのです。なぜしぼむのか。それはお腹が減るからです。僕はお腹が減ると何もできない性質なんです。僕のライブを聴いてくれている人はわかってくれるでしょうか。僕がステージでも隠れてチョコを食べているのを知ってますよね? ダメなんです。空腹は、創作の一番大敵なんです。

 そこで大きな問題です。食べたい、というものを書く。これは勿論、食べたいな〜と思っている時が一番筆が進みます。こうこう、こんな料理はどうだろう? こんな食材と相性が良くて、こんな調理法だと際立って、こんな時期に、こんなタイミングで食べたい。何かと付け合わせるのもいいし、お酒はどれがいいかな? なんて考えていると、途端に、物凄く、急激に、腹が減る。これはもうかなりの速さです。自分が油断してると、あっという間に空腹に襲われ、身ぐるみ剥がされ、何の役にも立たなくなります。

 間食をして凌げばいいのかもしれません。でも間食は嫌なんです。たまにします。でもあくまで紛らわせなんですよ。失礼ですよね。自分にも、間食のおやつにも、本当に食べたいものにも。

 ということが理由で、僕はおそらくここ2ヶ月、ずっと食べ物の話を書けなかったのです。レシピ歌詞のお話も、最後お腹が減ってしまい、途中で書くのを諦めてしまいました。うどんを食べて、机に戻ったときは、すでに書く気持ちが喪われていた。

 今も、夕飯の準備がしたい。食べ物の話を書くくらいなら、料理を作りたい。そう思っているのです。

 読んでいただいてありがとうございます。とりあえず、夕飯の準備をします。いつか、美味しいエッセイを書ける、自分なりの方法について考えてみます。

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