ビール②

前回からビールの話をしておりますが、今回はビールの名前の由来的な所を調べてみたいと思います。

ビールは古代バビロニアではシカリといいました。このシカリがヘブライ語ではシェケール(濃い酒)となり、ギリシャ語ではシケラ(甘い酒)となります。ホメロスの『イーリアス』にはキューケイオー(混ぜ粥)というものが出てきますが、これは粥といっても飲み物といったもので、元来はビールではなかったかといわれています。

 ケルト人(ガリア人)はローマ時代、フランス地方に住んでいましたが、ローマ人は彼らの飲むビールをセルボワーズと呼んでいました。これはスペイン語のセルヴェーサ、ポルトガル語のセルヴェージャと同じく、ラテン語のケルウィシア(ケレスのウィシア、生命力)に由来します。ケルト人は自分たちの言葉ではアルーとかエウルといっていたようです。これはエール同様「植物のしぼり汁」の意味で、苦味や渋味をもつ植物を加えた飲料を指していたといわれます。オイルも同じ系統の言葉です。

 ビールという言葉はゲルマン語のベオレ、つまり穀物からきたといわれています。どうやらこれが現在のビールの語源といえるのかもしれません。
 ロシア語ではビールのことをピーヴォといいます。"飲む"のピート、"酒類、飲料"のピートョの古語ピーヴァトに関係があるようです。今もつくられるクワスはパンを砕いて水に入れ、発酵させたものです。