マッカラン②

前回はマッカランについて簡単に紹介していきましたが、今回は「6つの柱」(シックス・ピラーズ)という、長年の伝統を守り続けるためのコンセプトを紹介していきます。

○イースターエルキーハウス

ザ・マッカランを象徴する家、スピリチュアルホーム、イースターエルキーハウスは、蒸溜所が誕生するずっと前の1700年に建てられました。いいことばかりではなく、様々なことが起こったマッカランの歴史を見続けてきました。改装や修復を経て、今なお威厳ある姿でザ・マッカランを見守り、2005年にはゲストルームを設け、よりザ・マッカランに親しむことができるようにもなり、ザ・マッカランのおもてなしの象徴となってます。

○スペイサイドで最小の蒸留窯

ザ・マッカランの蒸溜釜は、スペイサイド地区で最も小さい銅製の蒸溜釜です。銅との接触を考え抜かれて作られたそれぞれに形も大きさも違います。そのこだわりが、マッカランに特有の豊かな風味や芳醇な味わいをもたらしてくれるのです。この蒸溜釜が珍しく、また有名でもあるので、スコットランド銀行の10ポンド紙幣になったほどです。

○樽

ウイスキーを熟成させるために使う樽の品質、それこそがザ・マッカランの最大のこだわりです。樽に使う木を自社の森林で伐採をするところから樽づくりは始まります。ザ・マッカランのための樽の完成までには数年の手間をかけており、樽だけで年間26億円以上の投資をしています。2013年にはスコットランドに輸入されているシェリー樽の8割以上がザ・マッカランで利用されています。ザ・マッカランのオーク樽の品質こそが、ザ・マッカランの風味や味わいに貢献しています。

○ベストオブベスト

素晴らしいシングルモルト「ザ・マッカラン」のために行われる「ファイネストカット」は、新しく生まれるマッカラン全ての出発点と言えるでしょう。ファイネストカットとは、いくつかある蒸溜釜の生まれたてのスピリッツを、熟練の職人がテイスティングし、口当たりや風味でマッカランの原酒になれるかどうかの判断がなされることです。「ザ・マッカラン」のために選ばれるスピリッツは全体のわずか16%、ザ・マッカランはまさに選び抜かれた品質なのです。

○無着色がもたらす色彩

丁寧に作られた樽というゆりかごの中で、長く穏やかな熟成という眠りにつくスピリッツ。樽の個性によって出来上がる原酒の色に違いが出るのですが、あの美しい琥珀色は決して着色料で人工的に作られたものではなく、自然に任せた色合いなのです。

○職人の思い

ザ・マッカランが「ザ・マッカラン」であり続ける理由は、全ての職人が生み出す比類なき情熱によるものであると言えます。マッカランの職人達は、ウイスキー作りに人生を捧げていることに誇りを持っていると言います。

これらのこだわりを持って生まれたのがこのマッカランなのですね。これらの背景を浮かべながらマッカランを飲むとまた違った味わいを感じれるのではないかなと思います。