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「思考の道具箱」(未来が変わる考え方)

よい人生を送るために必要な「思考の道具箱」を得たいと思い、本書を読みました。

タイトルは「Think clearly」(著者 ロルフ・ドべリ)です。

よりよい人生を送るためのさまざまな思考法。
そういう枠組みのことを本書では、「思考の道具箱」と呼んでいます。

本書で書かれている「52の思考法」のうち、特に私の印象に残ったところをお伝えします。


考えるより、行動しよう

頭の中で熟考しても、懐中電灯で照らす程度の範囲にしか考えはおよばないが、行動を起こせばサーチライトであたりを照らし出したかのように、一気にいろいろなものが見えるようになる。その強い光は、考えただけでは見通せない世界の奥まで行き届く。

それ以上長く悩んでも1ミリも先に進まない

私は、本書に書かれていた、思考に「飽和点」があるという考え方をはじめて知りました。

なんとなくイメージはありましたが、頭の中で熟考することと行動することを懐中電灯の照らす範囲とサーチライトの照らし出す範囲のちがいになぞらえることで、はっきりイメージができました。

考えているだけのほうが気楽、でもそれでは前には進まないということです。

「何を描きたいかは、描きはじめないとわからない」これはピカソの言葉だそうです。

自分が何を求めているかを知るには、何かを始めてみるのが一番だということです。

前に進むためには行動が必要だということをあらためて学びました。

なんでも柔軟に修正しよう

「飛行中、機体が予定されたルート上を飛んでいる」のは、飛行時間全体のどのくらいの割合だと思うだろうか? 飛行時間全体の90パーセント? 80パーセント? それとも70パーセント? 正解は、なんと、「ゼロパーセント」だ。飛行機の窓際の席に座って翼のふちのあたりを見ていると、「補助翼」がしきりに動いているのがわかる。補助翼の役割は、飛行ルートを絶えず修正することにある。自動操縦装置は、毎秒何回も予定位置と現在位置とのずれを感知し、舵の役目を果たす翼に修正指令を出している。

飛行機が「予定ルート」を飛んでいる割合とは?

補助翼の役割は飛行ルートを修正すること

飛行機が「予定ルート」を飛んでいる割合って?

私は99パーセントくらいかなと思いましたが、なんと意外にもゼロパーセント! 驚きです。

そういえば以前、飛行機に乗ったとき窓際の席から補助翼らしきものが動いているのを見た記憶があります。

自動操縦装置で絶えず飛行ルートを修正しているわけですね。

「なるほど!」と感心してしまいました。

それはさておき、人生も同じだということ。

重要なのは、「スタート」ではなく、「修正技術」のほうだということです。

私はいままで、スタートまでの計画が大事だと思っていました。

しかし、そうではなくスタートした後、状況に応じて修正を繰り返しながら進んでいくことのほうが大事なんだと。

これは、私にとって大きな学びでした。

やってみてダメだとわかったときには、見方を変え、やり方を変えて柔軟に軌道修正していければいいと思います。

好ましくない現実こそ受け入れよう

世界初の量産型ジェット旅客機であった、イギリスのデ・ハビランド社の「コメットMk1」。1953年から1954年にかけて、この飛行機には次々と謎めいた事故が起きた。機体が空中分解するという事故である。最終的に事故原因は、「窓の形が正方形であること」が問題であると判明した。「正方形の窓」の角の部分から生じた亀裂が機体全体にひろがり、最後には飛行機がバラバラになってしまうのだ。いまでは、「丸窓」の飛行機しか見ないのは、そのためである。だがそれ以上に重要なのは、この事故をきっかけに導入されるようになった、もうひとつの対策だ。事故の原因究明にたずさわった科学者のデビッド・ウォーレンが、衝撃に強い「フライトレコーダー(飛行記録装置)」を定期航空便全機に搭載するよう提案し、そのアイデアが採用されたのだ。

「フライトレコーダー」が全航空機に搭載されたわけ


飛行機の窓は「丸窓」

私は飛行機に乗る機会はあまり多くはないです。

これまで数回、海外旅行や海外研修での搭乗経験がある程度です。

ただ実際の飛行機を見たり、飛行機が登場する映画(たとえば「エアフォース・ワン」)を観るのは好きで、羽田の航空機整備工場の見学に行ったこともあります。

飛行機の窓がすべて「丸窓」になっている理由と全機にフライトレコーダーが搭載されることになった経緯は、この本を読んではじめて知りました。

飛行機の「丸窓」の形にも大事な理由があったのでした。

さて、「失敗からの学習」というアプローチは、すぐれた思考の道具として、人生のほかの領域でも活かすことができるということです。

人生には失敗がつきもの、たまに失敗するのは仕方ない、と認識しておく必要があると思いました。

そして、「失敗の原因」を突き止めて、その「原因」を完全に取り除くことが大事だということに思い至りました。

「心の引き算」をしよう

1946年に公開され、ジェームズ・スチュワートが主人公を演じた悲喜劇映画「素晴らしき哉、人生!」を知っているだろうか。(中略)現実世界のクリスマスの夜に戻ってきた彼は、鬱々とした気分から解放されていた。

この映画は、長いあいだ、クリスマス映画の古典的名作のひとつに数えられてきた。だが、この映画で天使が用いた精神的な戦略については、まだ古典と言えるほどには定着していない。心理学者が「心の引き算」と呼ぶ戦略だが、この思考法もよい人生のための道具箱にぜひとも加えておいたほうがいい。

映画「素晴らしき哉、人生!」が教えてくれること

映画「素晴らしき哉、人生!」私も観ました。

観終わったときの感想は、まさにタイトルのとおりでした。

私がこの映画から学んだことをひと言でいうと、「幸福というものは、手に入れるものではなく、そのことに気づけるかどうか」ということです。

いま持ってないものについてアレコレ考えるよりも、いま持っているものがなかった場合、どのくらい困っていたかを考えたほうがよいということです。

これからは、「ないものねだり」ではなく、「いまあるものに感謝」をして仕事や生活をしていくようにしたいと思います。

ただ私自身、どうしても他人と比較して自分を見てしまいがちです。

そうではなく、過去の自分と比較してどうなったかを意識することが大切だと思います。

1日1ミリでも成長する気持ちをもって歩んでいきたいと思います。

最後に、映画「素晴らしき哉、人生!」

これは、おすすめできる映画です。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。


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