1枚の写真から・・・馬車の名残り・ランブルシートのある車
初めて見たとき「あれっ、この車、何だろう?」と思った。
日本では見たことのないタイプの車で、最初はわからなかったが、初期の車のタイプの一つで、ランブルシートの車だと分かった。
英語では RUNBLE Seat と綴る。
まさに馬車のなごりをひく形で、デッキシートとも呼ばれ、また何故かは分からないが義母シードとも呼ばれている。
後部に折りたたまれた「外部シート」で、必要な時だけトランクを開ける要領でシートを出して使うものだ。
じっくり眺めていると、なるほど合理的な考えのもとに造られた車だと思えてきた。
そんな車に出会ったのは、今から約30年前で、場所はアメリカのカルフォルニア州ポモナ。
ロスアンジェルスから1時間くらいの郊外にあるポモナで開催された車のスワップ・ミート会場を訪れたときのことだった。
スワップ・ミートとは「物々交換の場」の意であるが、実際には値段を付けているので、つまりは車の蚤の市。
アメリカのロスアンジェルスに住む友人から、その情報をもらい、私は一人で会場に向かった。
以前私は、その地域で飛行機のフライトトレーニングを受けたことがあり、土地勘がある。
当時は今の様にカーナビなんてないが、ラリーのコース設定を職業にした来た私は、外国でも正確な地図さえあれば、大体どこへでも一人で行ける。
レンタカーを1人で運転し、軽快な音楽を聞きながらフリーウェイを飛ばした。
会場入り口で、20ドルくらいの入場料を払い、入った。
蚤の市だから、本当に欲しいと思う人は、売り主にその場で交渉している。
出展車は数千台あったと思う。
出展は車のみならず、エンジンや、キャブレター、足回りのタイロットなど様々。
中にはサビサビの部品もあり、「こんなもの買う人がいるのかね?」と思うようなものもある。
ところが、これがまた売れるのである。
だから買う気のある多くの人は、キャリーカートをゴロゴロと引っ張りながら、欲しいものを物色している。
アメリカでは、自宅のガレージで数か月も、いや数か年もかけて、古い車をレストアして楽しむ人が多いから、それも頷けることだ。
因みに出展したい場合はどうするのか?と、主催者に聞くと「出展する品物にもよるが、1プースあたり数十ドル出せば可能」とのことだった。
その会場には入り口が東西南北に1つづつある位なので、とにかく広い。
足が棒になるくらい歩いたが、自動車王国アメリの、自動車の文化と歴史を見た気がした。
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