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感動!「ロバート・キャパ写真展」

「崩れ落ちる兵士」の写真が、ロバート・キャパを戦争写真家として一躍有名にした。そのキャパの写真展が開かれており、それを観に今日、八王子にある「東京富士美術館」に行ってきた。
 
写真という手法で、戦争の現実を、そしてそこに生きる住民や兵士の心の内を、世界の人に知らせようとしている氏の気持ちが伝わって来た。

そしてタイムスリップして,「怒りの葡萄」を書いたジョン・スタインベック、「誰がために鐘は鳴る」のヘミングウェイ、俳優のハンフリー・ボガード、イングリットバーク・バーグマン、さらにはピカソ、蒋介石、周恩来にも会ったような気になった。

そして史上最大の作戦で知られる、ノルマンディー上陸作戦のその場にいるような気になった。

それほど、その写真は私に迫ってきた。
戦争カメラマンだったキャパは5つの戦場を駆け抜けた。
彼は言う。「私の夢は、永遠の失業である」

是非、ご自身の目でご覧になることを心からお勧めしたい。展示枚数は200点にも及ぶ。

この写真展は、めずらしいことに「写真撮影可能」である。
それは5月25日にロバート・キャパがインドシナ(ベトナム)戦争で地雷を踏んで亡くなってから70年が経ち、著作権が切れたからである。
(もちろん一部撮影不可のものもある。彼を撮ったのは別の人だったりするから)

 ロバート・キャパ没後70年 戦争を超えて
会場:東京富士美術館 東京都八王子市谷野町492—1  無料駐車場あり。
開催は、2024年6月23日まで
入場料:大人1500円。(年齢や、JAF会員等での割引あり。割引後の価格は1200円)

会場に入られたら、すぐのところに小ホールがある。そこで25分程度の概要を知らせる動画上映がある。それを観てから写真をご覧になることをお勧めします。



ロバート・キャパを有名にした1枚の写真
共和国軍兵士の死(崩れ落ちる兵士)
スペイン


当時、戦争の状況を大衆に知らしめる有効な手段は、
雑誌に載せる写真であった。


ツールドフランス(自転車のレース)
面白いのは下の2枚で、一枚は観客が自転車が来る方向を向き、
もう一枚は走り去った後を愛で追っかけている。


ノルマンディー上陸作戦決行のとき、
兵士より先に進み、待ち構えるようにして撮った1枚。

写真がボケているのは現像者のミスである。
現像者があまりにも興奮して現像時にミスをして、
ほとんどの写真をダメにしてしまった。
残って何とか見ることだ出来たのは、たったの数枚。
そのうちの1枚だが、水を流し過ぎた為、ボケたように見えるとのこと。


スタインベックとキャパの共著 「ロシア紀行」



ヘミングウェイと、彼の息子グレゴリー。キジ狩りの休憩時。
サン・バレー、アイダホ、アメリカ
1941年12月



怒りの葡萄の著者 ジョン・スタインベック。
キャパは、いろいろな分野の人と接点を持っていた。


美貌の名優 イングリット・バーグマン。
一時期、バーグマンとキャパは恋仲だったとのこと。


映画「カサブランカ」、「マルタの鷹」で有名な俳優 ハンフリー・ボガード(手前)


映画「真昼の決闘」で保安官を演じた名俳優 ゲーリー・クーパー


ご存知 ピカソ


マルクスの肖像画の前に立つ周恩来


蒋介石


ドイツ軍が去った方角をアメリカ軍将校に教えるシチリア(イタリア)の農夫
彼がインドシナ(ベトナム)で地雷を踏んで亡くなった時、
愛用していた日本製のカメラ


イスラエルの写真もあります。日中戦争の写真も展示されています。
そこから伝わって来ることは、武器は違えども、未だに人類は戦争をしているということです。戦争は悲惨です。
キャパが言うように「戦争カメラマンの永久失業!」を願うばかりです。

#ロバート・キャパ #東京富士美術館 #写真展


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