クルマの豆知識 2 タイヤ使用限度は 残溝何ミリまで?
黒くて丸けりゃ皆タイヤ”ではあるが・・・
“黒くて丸けりゃ皆タイヤ”ではあるが、減ったタイヤは性能が下がる。
そしてタイヤには使用限度がある。その限度をご存じだろうか。
答えは、乗用、バス、トラックを問わず、残溝1.6㎜である。道路運送車両の保安基準の細目でそのように決められている。よってそれ以上減ったタイヤは車検が通らない。そのことに留意したい。
因みに、プリウス等の乗用車や軽四の場合、新品の夏タイヤの溝の深さは約8㎜で、冬用のスタッドレスタイヤは約10㎜である。
タイヤにはスリップサインがあり、タイヤの溝が摩耗して浅くなると、そのスリップサインと面一になる。それが残1.6㎜である。
なぜ、溝のない新品タイヤはあるの?
世の中には、溝のない新品タイヤもある。それはサーキット用のレーシングタイヤである。このタイヤで行動は走れない。
ある人がレーシングカーのガレージを訪れた時、こう言った。「レーシングドライバーは大変なんですね。こんなにタイヤの溝が無くなるまで使うんですねー」
それを聞いたガレージの人は、一瞬何のことを言っているのか分からなかった。
が、すぐに分かり、思わず苦笑し、一般の人ならそう考えても不思議はないと思った。
レーシングカーのタイヤには、基本的に3種類あると思えばよい。
1・ドライ路面用のスリックタイヤ。ドライタイヤとも称す(溝のないタイヤ)
2・1と2の中間的なタイヤ(溝はある)
3・雨用のウェットタイヤ(溝はある)
写真のようなフォーミュラ・レーシングカーの乾いた路面を走るスリックタイヤは、如何にグリップ力を出すかを考えて作られたタイヤだ。溝が無い分、接地面が増えて駆動力が増す。
ところが溝が無いから、雨が降り出すと、全くダメで、危険だ。
だからレインタイヤに替える。
二律背反の要素の融合
タイヤは二律背反で、相反する要素をもつ。
二律背反とは、矛盾する二つの原理や規則が同時に成り立つことを指している。
グリップ力を上げれば、耐久性は下がり、値段があがる。
一方の市販エコタイヤは、その逆である。
これらのタイヤ魔、見た目は“黒くて丸い”から同じように見えるが、ゴム質も全く違う。
だから市販車用のタイヤでも、ファミリーカーのタイヤは廉価で耐久性を持たせ、スポーツカーのタイヤは、グリップ力を上げているために高価になり、耐久性は下がる。
それらを、天候を加味したうえで、目的に合わせて二律背反の要素を上手く融合させているのである。
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