北海道滞在記 エピソード4: 大空へ飛翔? 滝川グライダーポートへ
■ワクワク感。大空への飛翔
今年7月に、友人の木村さんに電話した。
茶木:「来月、一緒に北海道で滞在するとき、グライダーに乗ってみますか? 滞在先の近くにある滝川のグライダーポートは、施設も良さそうですよ。」
木村:「ええ、是非乗ってみたいです。茶木さんの操縦のグライダーに載せて下さい」
茶木:「えっ~と、私の操縦では無理ですが、現地ではドイツ製の2人乗りのASK21型のグライダーで体験飛行が出来ます。インストラクターが操縦してくれ、値段は1回のフライトが8,500円です。」
木村:「では、それでお願いします」
こんな会話から、木村さんの大空を飛ぶ夢は広がった。
そして、私の操縦では飛べない理由も伝えた。
グライダーで単独飛行するには、次のものが必要となる。
① 国が発行する滑空機(グライダー)操縦免許、
② 飛行機で使える無線従事者免許、
③ 航空身体検査証(1年飲み有効)
④ 2年に一度の技量チェック、
⑤ グライダーそのもの
つまり①と②は手元にあるが、暫く飛んでいないので③以降は無い。だから無理。
⑤の機体は借りることも考えられるが、それには相当なる技量が無いと現実的には無理である。
もう何年も飛んでいないので、私の技量は相当下がっているだろう。
これらのことから、私の操縦で飛ぶのは現実的ではない。でも現地のグライダーの体験飛行なら、天気さえよければ簡単に実現できる。
グライダーは、上空で曳航の小型飛行機からローブが切り離された瞬間、無音の世界に入る。まさに鳥になった気分となる。
動力を持たないグライダーは、セールプレーンとも言い、大空を滑空して飛翔することをソアリングという。機体で言えば、滑空性の良い高級滑空機のことをソアラと呼ぶ。トヨタのパーソナルクーペ車ソアラはそこから命名された。
そんなことを吹き込むものだから、木村さんの大空飛翔へのワクワク感は高まったに違いない。
こうして8月6日、私と木村夫妻の北海道歌志内市にある「かもいホッフ」での滞在は始まった。
■ワクワク感は、思いがけぬ方向へ
滞在翌日の8月7日、滝川のスーパーに買い物に行くということから、ではついでに近くにある滝川グライダーポートに行って見ようということになった。
そこの正式な名前は「滝川スカイパーク」という。所在地は北海道滝川市中島町で、日本で3番目に長い石狩川の河川敷にある。
施設は私が今まで見たどの滑空場(グライダーポート)よりも立派だ。
さて、そこまでは良かったが、グライダーを収納してある格納庫に入ったことから、事は思わぬ方向へと動き出した。
スタッフの方に了解を得て、機体を見せてもらうことになった。そこには流麗な高級滑空機(ソアラ)が沢山並んでいた。
私から見ると、実に綺麗な機体だが、コックピット(操縦席)を見せてもらった時から雲行きが怪しくなった。
ソアラは一人乗りで、滑空性能を良くする為に機体を細くし、パイロットは寝そべるように座る。つまり狭い。そして透明のキャノピー(天蓋)を閉めると、外は十分に見えるのだが、穴倉に寝そべって閉じ込められた感じがするのである。
これがいけなかった。
しばらくして彼は言った。「茶木さん、閉所は苦手でね」
私は、「いや、これは一人乗りの機体だから、こんな寝そべったように座り狭いが、2人用の体験走行グライダーは、もっと広いから大丈夫ですよ」と言った。
受付の女性も「当日の体験飛行の時、座ってみて狭くてダメなら、その段階でキャンセルしてもらってもいいですよ」と言ってくれた。
でも、閉所に恐怖感を抱いた木村さんの気持ちは変わらなかった。
結果として「体験飛行、キャンセル」と相成った。
今にして思えば、一人乗りのソアラを見せたのがいけなかった。さらには事前訪問をしないで、いきなり当日、考える暇を与えず、サッと乗せてしまえばよかったかな・・・などと思う次第である。
「木村さん、ごめん。 夢とワクワク感を膨らませるだけ膨らませて、絵にかいた餅で終わらせしまって」・・・そんな気持ちで一杯となった。
#ソアラ #ソアリング #セールプレーン #滝川スカイポート #グライダー
次回のエピソードに続く
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