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ゼロファイター 世界を翔ける男 まえがき

これはパイロットの腕1本で、人生を切り開き、世界を渡り歩いた男の壮大な実話ドラマである。

私は「“事実は小説よりも奇なり”とは言うのはまさにこのことか!」と思った。

「火だるまのゼロ戦を操り敵中強行着陸。麻酔無しでの皮膚移植手術。死線上の彷徨から奇跡の生還。ハワイでの特異な捕虜生活経験。YS-11を南米やアフリカなどの世界中へフェリー(クルーのみでの回送フライト)し、日本人最高位の2万7千時間の飛行時間と国宝級の腕を持つといわれたパイロットの、夢と信念に生き、世界に羽ばたいた波瀾万丈の人生」。

普通の人ならおよそ遭遇しないであろう菅原靖弘氏の特異な経験は、私に大いに関心を抱かせた。
この人の特異な経験を物語にして、歴史的史実という面もさることながら、「一人のパイロットが、生死を賭け、自分の信念で生き、腕と度胸であらゆる困難を乗り越えていく男の心意気」を伝えたいと思った。

この本により皆さんの視野がさらに広がり、そして最悪の逆境の中からでも立ち上がる勇気と生きるエネルギーに結びついたら、とても嬉しく思います。


菅原靖弘が飛行した主な地名
(南太平洋のクワジャリンのみ海路)

今回、Web版の特性を生かし、前書き、第1章~第8章、そしてあとがきと、全10パートに分けて掲載し、パート毎に購入できるスタイルをとりました。
目次としては次の通りとなります。

尚、文庫本でお読みになりたい方は、「ゼロファイター 世界を翔ける!」で検索してください。書店等でご購入頂けます。

目次

第1章 危機への滑落 火だるまのゼロ戦


1・海軍のサーカス部隊
2・高級士官は軍服を着たサラリーマン
3・ブラックアウト
4・死の垂直急降下

第2章 死線上の彷徨


1・敵陣地だから助かった皮肉
2・戦場の紳士

第3章 ゼロ戦パイロットへの道のり


1・“飛行機・搭乗員募集”ポスターとの出会い
2・“二度と生きて帰ることは無い”宣告
3・さらば日本

第4章 死の宣告 ハワイでの捕虜生活


1・軍医師からの死の宣告
2・ベッドに寝た通訳
3・両足切断の危機
4・捕虜の身で、米軍医師の助手
5・収容所のナンバーワン・トラブルメーカー

第5章 空への恋慕


1・“パイロットへの道”模索
2・国宝級の腕の評価で自衛隊へ
3・秘策“嫌われ作戦”

第6章 制服を着た自由人


1・自衛隊割愛パイロット第1号
2・奴隷契約をした覚えなし
3・YS11の量産型定期便、第1号機長

第7章 飛行機冒険野郎 フェリーで世界へ


1・身につけた特殊な飛行技術
2・フェリー開始 サンフランシスコへ
3・南米へフェリー
4・世界でだだ一人! 100メートル特殊着陸デモフライト
5・ギリシャに向けて離陸
6・魔法の太平洋横断術
7・クーデター勃発
8・最終売れ残りYS11と機長のセット販売
9・客室に豚を乗せてくる乗客
10・消えていた籍
11・定期便機長に自ら終止符
12・新たな一歩

第8章 いぶし銀パワー アフリカ機長生活


1・たった一機の航空会社
2・必要は発明の母
3・背面飛行か! お客を乗せたYS11
4・変身!大統領機の機長に
5・異例、全日空との機体購入仲介交渉
6・行く手に広がる湾岸戦争の暗雲
7・消えた900万円
8・明日に向かってテイクオフ



*菅原氏の旧姓は粒(つぶ)針(はり)ですが、戦後自らの意志で改名されました。物語の中では菅原姓に統一してあります。
*人名は一部変えてあります。
*これは2002年12月に発行された「ゼロファイター大空を翔る男」及び、文庫本として2022年4月に発売された「ゼロファイター世界を翔ける!」をベースに加筆し、写真も追加挿入して、Web版として発売したものです。

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