朝霞つゆり

小説を書き始めてます。 未だ、不慣れなところもあるかと思いますが、読んで頂ければ幸いで…

朝霞つゆり

小説を書き始めてます。 未だ、不慣れなところもあるかと思いますが、読んで頂ければ幸いです。

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アダムの祭壇とイブの祈り 第三部

第三部 Encounter(邂逅) 「コン、コン、」 「あっ、どうぞーお入り下さい。」 「確か初めましてですね、よろしくお願いします。物理の後藤淳です。」 「ピピッ、この教師は特に不自然な点はありませんでした。ですが、先日の黒田研究室の卒業生です。」 「問診票を拝見しましたが、特に問題なさそうですね。お仕事上のストレス、例えば、人間関係や業務上のトラブルなどは如何ですか? 出退勤を拝見しましたが、毎晩、随分遅くまで働いていらっしゃるようですので。」 「はい、私は業務の

    • アダムの祭壇とイブの祈り 第二部

      第二部 Collapse(コラプス) 「ぐおぉーん、ぐおぉーん、ぐおぉーん」 誰も居ない室内で、非常事態を告げるサイレン音と、赤色の回転灯の光がクルクルと室内を照らしている。 「ぐおぉーん、ぐおぉーん、ぐおぉーん」 「ぐおぉーん、ぐおぉーん、ぐおぉーん」 「ザバーン」 続いて、奥の方から大きな容器から大量の液体が溢れる音が漏れ聞こえてくる。 やがて、サイレンは鳴り止み、あたりは静寂に包まれた。 Filippo(フィリッポ) 「みんなさーん、お静かに!。。。」「それで

      • アダムの祭壇とイブの祈り 第一部

        Synopsis(あらすじ) 第一部 Prologue(プロローグ) 薄明かりの研究室で、ドラフトチャンバーに手を突っ込み培養液をシャーレに移し替えた。その試料を今度は、分析器にセットすると、遠心分離機がヒュンヒュンと唸り出し、データが出力されるのを待つ。今日1日でこのサイクルを何度行ったかわからない。 「ねぇ、知ってる? 2000年頃の世界の人口は60億人だったのが、2050年に98億人だって。」 「さっき聞いた。そして今現在、約3億人以上の人たちが日々の食事に困

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