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寄り道で癒されて

朝からとてもモヤっとする案件が飛び込んできた。

こちらに犠牲が強いられる案件で、おいそれとは返事ができない。

困った。

検討して返事をしないとならないのだが、本当に億劫。

はぁー、平和だった心が一気にざわつく。

もやもやしながら用事に出かけ、炎天下の中、郵便局へ向かうと閉まっていた。

がーーん

死語になりかけてるだろうけど、

がーーん、

以外表現の言葉を知らぬ。

今日って山の日で祝日だったのね。


しょんぼりしつつ帰宅。

まっすぐ帰る気にならなくて、おなじみの喫茶店に寄り道。

本日最後のひとつです、と言われた絶品のコーヒーゼリーにしようか、
ここの一番人気の豆かんてんにしようか、

メニューを前にしばし悩む。

朝のもやもやで昼食まだだったことを思い出し、
結構どっしりしてる豆かんてんを注文。

黒蜜が暑さと精神的なダメージをとろかせていく。


豆かんてん。
お客さんがこぞって注文してるのが気になって気になって
ある日おそるおそる注文してみたらこれがまた予想外に美味しかった!

えんどう豆は苦手で、みつ豆に入ってるアレはよけていたはずなのに
ここの豆かんてんをいただいて開眼。
お店でゆでているらしく、やわらかさも塩味も絶妙。
寒天の歯ごたえもまたまたうるわしく。

豆かんてんに癒された。


オトナになって寄り道してひとりで飲み食いするのっていいよな。

私はほぼ下戸に近いので、ちょっと一杯はないけれど
甘味やコーヒーのちょっと一杯は本当に気分転換になる。

赤ちょうちんに吸い込まれるおじさんの気持ち、わかるよ。


うさや心のおりで重くなったからだと心は
なんとかせんといかんのだ。

数百円とかでそれができるんだからプチ贅沢も自己投資。


寄り道買い食い。

ふと今は亡き父を思い出した。

幼少期、父と散歩中のある夏、かき氷屋さんに立ち寄り、イチゴのかき氷を食べさせてもらった記憶。

たぶんあれが最初で最後。
あまり子供に関心なかった親父さんだったしな。
父はあのときどんな気分で寄り道したんだろ。


そんな父が亡くなってから10年近くなる。

お葬式はその夏で最高に暑い日だった。

帰り道によったSAで自販機で冷たいものを買ったら、
何やらいつまでもチカチカ光が点滅して派手な音とともにゾロ目が並んだ。

え、当たっちゃった……

そんなこと人生初よ。

きっとおじいちゃんが、
暑かっただろう、ご褒美だ、
とくれたんだね、と家族が言った。

そうかもね。

今日は寄り道したおかげで
父のこと、久しぶりに思い出せた。





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