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土佐山アカデミーの定点観測 vol.02〜「さぁ、どうする?土佐山アカデミー」

〜東京在住のサポートメンバー髙木健太さんに、都会から見る土佐山や土佐山アカデミーについて書いてもらっています〜

「龍馬が好きすぎて、高知に移住した人がいるんだよ」

わたしが、土佐山アカデミー(以下TA)の吉冨さんを誰かに紹介するときに一番最初に話すことはこれです。彼と出会った広告業界の言葉で「キャッチコピー」ですね。興味をグッと掴む、最初の一言。大抵の人が「え!?」と前のめりになって、その後の話を聞いてくれます。

これまでの10年を振り返りながら、これからの10年を考えて、土佐山、高知、他の中山間地域における役割や、ありたい姿を一つ一つキャッチコピーにする作業中、出てきたキーワードが「面白がる力」という話を前回は書きました。

「どうしてそこまで『面白がる』に思い入れがあるんだろうね。例えば、別の言葉に置き換えるとどうなるんだろうね」そう質問した時に話してくれたエピソードが、とても印象的だったので、今日はその話をご紹介したいと思います。

「多分、『意味を見出す』ってことじゃないかなあ」少し間を置いてから吉冨さんは話し始めました。

「僕の名前は『しんさく』でしょう。やりで龍馬を守った三吉慎蔵と、龍馬にピストルを渡した高杉晋作の二人の長州藩士から一文字ずつもらっている。その名前に意味を見出してきた。二人が守っていた「龍馬」に興味を持ったし、高専に入った時も、デザイナーになった時も、そうとしてきた」

そこから、デザイナー時代の話に続きます。

「入社してすぐ、落ち葉の掃除を命じられたんだよね。こっちは遅れて会社に入ってるから、1秒でも早く周りに追い付きたいのに。でもね、そこにもデザインを学ぶ上での『意味があるんじゃないか?』って。箒の掛け方だったり、葉っぱ一枚のデザインだったり、視点をたくさん持てば、なんでも面白がれる。イコール、万物から学べる。それこそ『おもしろきこともなき世をおもしろく』高杉晋作の辞世の句にあるように、さ」

対話が白熱するあまり、吉冨さんは次のオンライン打ち合わせをすっかり失念。
「どう面白がりますか?」青ざめる吉冨さんにニヤニヤしながらいうと、「平謝りしかありませんよ…」と頭をかいていました。

・果たすべき使命、存在意義。
・目指す理想の姿。
・大切にする価値観、行動基準。

企業や団体において、「ミッション・ビジョン・バリュー」と言われるもの。
TAのそれの「もと」は今、このように広がりながら、転がりながら、まとまってきています。

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もちろん、このままを世間に掲げるわけではありません。来るべき7月のTA10周年の一環として、毎週定例のオンライン焚き火meet upにて、今までTAとご縁のあった方にお知恵を借りているところです。
様々な対話をしながら、焚き火だけに炭を焼くようにジワジワと。ときには強火で、鰹に香ばしさを加えるように白熱した時間を繰り広げています。

各会ともに、焚き火が爆ぜるように盛り上がった単語やフレーズをコメントに残してあります。今回は、その一部をご紹介しますね。ぜひお時間とご興味ある方は、アーカイブをご覧になってください。

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【焚き火Meetup45】 
企画とコピーの永野さんと、ミルクマイスター高砂さんの会では「ワーケーションなどの利用者として」「クリエイターの視点」から。

・東京で在宅勤務している人は切り替えができない。来る人向けに、時間割をつくって、給食の時間、おやつの時間などを設定してみるとかいいかも。
・便利さを謳っているところはたくさんある。不便さをうまく言えるといいかも。
・土佐山アカデミーを一言でいうと「つながり」や「きっかけ」。 など。

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【焚き火Meetup46】 
現役大学生、土佐山アカデミーで4年間、インターンとして(※いい言い回しありますか?)活動していた立野くん。卒論のために色々調べ、わざわざ連絡をくれた東京の渋江さんの会では「関わりを積極的に持つ立場として」「若手の視点」から。

・何して学ぶ?の「何」から考えさせられるイメージがある。
・大学生からすると、面白そうだけど、どう関わったらいいか分かりづらい。
・吉冨さんは変態。変態が変態を集める場所になってほしい。 など。

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【焚き火Meetup47】 
高知出身、土佐山でイベントも主宰しているパラレルマーケターの小島さん、長期的な取り組みを共にする日本航空株式会社 / JAL Local Gateメンバー野中さんの会では「土佐山のフィールドを活用している」「協業者の視点」から。

・土佐山の人の「頭と体がつながっている感じ」を感じてもらえる場所にしたい。
・学びたい人が来続けることが100年続くことにつながる。
・どんな人に来てもらったらいい?を意識する。 などなど。

47回目では、ジェフ・ベゾス(amazon)が、紙ナプキンに5分で描いたと言われる成長モデルにならって、吉冨さんが書いた土佐山アカデミーの成長モデルも披露されました。

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「どんな人に来てもらいたいか?」

たくさんの人を受け入れることは物理的にも難しく、移住を促進できるような空き家も少ない状況で、どんな人に来てもらって、何をしてもらうことが互いの幸せに繋がり、ありたい姿に近づいていけるのか。

毎回、ゲストの先にいる「誰か」の顔を焚き火の向こうに想像しているように思います。ゲストの熱が、その周りの人に飛び火して、関係する人が各地で熱を発していくこと。土佐山アカデミーの成長とは、一言でいえば「関わる人の成長」。プレーヤーとして、中山間地域でも暮らしが成り立つことを証明し、お手本になること。

それを一言で表すと「面白がる人が増えれば、生きやすい世の中になる」であり、土佐山の先人たちから学んだ一番大事なことなのだと思います。

TAでは現在、焚き火meetup他、同時並行で色々仕込みつつ、拠点の一つとなる空き家の改修プロジェクトも着々と進行中。次回にはお披露目できるかと思います。徐々に聞こえつつある春の足音にも、ニンニン(企む感じのニヤニヤを意味する土佐弁)しながら「さぁ、どうする?」と口にしています。

土佐山アカデミーの「ミッション・ビジョン・バリュー」について、ぜひみなさんからのご意見もお待ちしています。焚き火meet upもお気軽に、ぜひ視聴・ご参加を!


ごきげんでおなじみ 高木健太
土佐山アカデミー東京代表
プランナー/コピーライター/コーチ

日本大学芸術学部卒業後、設計デザイン事務所、飲食業などを経て広告代理店のクリエイティブ・プランナーに。2019年企画屋として独立。身近な人、モノ、コトからごきげんにできるように企画・コミュニケーションの力を使いたいと考えています。「なごやかに、すこやかに」が信条。趣味と生きがいは余興。4歳児の父。

●ごきげんでおなじみ https://gokigen-inc.jp/

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