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写真展「拝啓、好きだった貴方へ」

拝啓、好きだった貴方へ

2024年8月31日、9月1日。
二日間、沢山の方にご来廊いただきまして、本当に嬉しかったです!
皆様、ありがとうございました。

昨年の6月ごろ、
「拝啓、好きだった貴方へ」というテーマのもと、あなたの思いを形にさせてください。と、募集をかけたことが発端でした。

当時の実際の募集案内の一部

当初は、どうせ数人くらいしか声をかけてこないだろうな〜くらいに思っていたのですが、有難いことに、10名以上の方から、エピソードを送っていただき、その中から、エピソードのみを重視し、この4名を選出させていただきました。

私自身、人様の大切な思いを選ぶというこの行為は、とても心にくるものがありました。
ただ、今回は、それぞれのカメラマンが過去と向き合う事に多くの時間を費やす事、納得いくまで撮りきって欲しいと思った為、件数は多く出来ないという現状がありました。

その中で、私の中に共通する部分があるエピソードを選出させていただきました。
一つお伝えしたいのは、今回選ばれたか選ばれていないかによって、良し悪しが決まるわけではありません。どれもあなたにとって大切な過去だったことには変わりありません。これからも、大切にして欲しいです。

募集当初から、最終的には、写真展や写真集などの形で残せたら良いなとは思っていたのですが、過去と向き合うという重いテーマであることから、期日等を決めずに、全員が撮り終わったときに、意思が一致したら、なんらかの形に残そうと決めていました。

そして、募集から約一年。最後の撮影が終わり、全員の気持ちも一致したことから、今回、写真展を開催する運びとなりました。

撮影から1年以上経過しての展示は、それぞれの作風にも影響があることや、季節の狭間と心の揺らぎをリンクさせたかった事から、夏の終わり、8月と9月の境目に展示を開催する事にしました。

2日間は短い、勿体無いというお声も頂きましたが、展示テーマに合わせて敢えて期間も短くしておりました。

その為、会場が決まってから動き出すまでのスパンは本当に早かったです。
メンバーにとっては、目まぐるしい日々だったと思いますが、ご協力頂き、本当に感謝しています。

今回は、西尾の意思を介在させる事で、思いへの歪みを生じさせたくなかったので、4人それぞれに、ご自身の空間をプロデュースして頂きました。ぜひ、称賛の声は、私ではなく、ご本人にお伝えください。

どの撮影にも思い入れがあります。
それぞれが見せてくれた過去、当時の景色。

いつもの撮影とは違うカメラマンの姿に私も戸惑う事がありましたが、私なりに精一杯お力添えさせて頂きました。

生と死に一番近い場所で、感情の一番やわらかいところで。
この景色を見せてくれたこと、本当に感謝しています。

また、「拝啓、好きだった貴方へ」の元ネタとなった、西尾の好きだった貴方についても今回、端の方で展示させて頂きました。

今回の主体はあくまでもカメラマンの4人なので、解説は置かず、分かる人にだけ分かるよう、手紙にて全てを記述させて頂きました。(受付の方でひっそりしていたのも同様の理由です)

西尾は、自分の存在価値というものがわからなかった時期があります。ただ、そんな中で、この人だけが、自分を無条件に愛してくれていたという事実があり、それのおかげで生きてこれました。

一方で、辛い事があればその人の死に縋るような、情けない過去もありました。しかし、この活動を通して、たくさんの方と出会った事。また、写真展を通して感じたことでもありますが、ようやく、自分を愛してくれる人たちがいる事に目を向けられるようになり、希望の意味で前を向けるようになったと思っています。

たまに躓いてしまうこともありますが、それでも、背中を押してくれる仲間がいる事に、ようやく気づく事ができました。

だから、最後に、綺麗な思い出を展示させていただきました。

歌声もピアノの音も、全て忘れてしまったけど、煙草の匂いだけは覚えている。
いつまでも私にとって、
暗闇を照らす月のような希望の存在です。

一方で、西尾にとってのこの展示は、
もう一つを以て、完全に完成します。

10月にまた、お会いできますと嬉しいです。


最後になりますが、
台風でお足元も悪い中、皆様にご来場頂けたこと、本当に嬉しかったです。

沢山のあたたかいお言葉をいただき、
私自身、まだまだ頑張ろうと思えました。
差し入れもありがとうございます。

この度は、私共のために、お時間を割いて頂き、本当にありがとうございました。

どうか、皆様の毎日がより愛おしく、輝かしいものになることを祈っています。

2024年9月2日 西尾琉璃

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