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3年目

今年で、うつることを始めてから3年が経った。
3年目にして、ようやく、道を見つけたような気がする。
この道も、あくまで"今の私の答え"であって、常移り変わる感情によって、また変わりゆく日が来るかもしれない。
でも、今の私の気持ちとして、ここに残しておこうと思った。
勢いばかりの文で、まとまりはないかもしれない。書ききれていないかもしれない。ありのままだと思って聞いて欲しい。


初めて写真にうつったのは、18歳の頃だった。
大学生になれば、自分で責任を取れるとされる年代だから、親からの監護も流石に緩くなるだろうと思って、ずっとこの時を待っていた。

中学時代、犯罪被害、いじめに遭ってから人の倍以上臆病で、警戒心の強い私だったから、被写体をやると心に決めて、貯めていたパワーがなければこんな思い切った行動はできなかったと思う。

それでも、はじめての撮影はとても怖かった。
SNSの中から、女の子のカメラマンさんで、顔出しをしていて、初心者でも良いと言ってくださる方をようやく見つけて、撮影してもらった。
はじめてで何も分からない私に、手取り足取り教えてくれたこと、本当に感謝している。彼女とはそれきり撮影に行くことはなかったけれど(彼女が活動をやめてしまった模様)、あのとき、何も知らない私を彼女が笑顔で迎え入れてくれなければ、今の私はきっと活動を辞めていたと思う。

その後も、女の子のカメラマンさんを探してはご一緒してという撮影スタイルだった。
いくら女性の方でも、SNSの向こう側の相手と会うのは怖いと思っていたので、男性と撮影に行くなんて到底考えられなかった。
たとえ小柄でも、女性的な人でも、男の人に力で敵わないということを身を持って知っていたからだ。
そんな調子だから、撮影を行うスピードもとんでもなく遅く、その年は9回、4人のカメラマンさんとしか撮影に行かなかった。


翌年。
得体の知れないウイルスが蔓延しているのだから、思うように撮影ができるはずもなく、半年以上ぼけーっと日々を過ごしていた。今思えば、ウイルスを理由に、自らの足で進むことをあえて止めていた時期だとも思っている。惰性でしかない。
そんな私に、夏頃、作品撮りをしてみないか?と誘ってくれた仲の良いカメラマンさんがいた。そこで、はじめての作品撮りをした。あの日を境に、私は作品撮りをもっとしてみたい!と思うようになった。

そこからは、少しずつ、写真に対しての向き合い方が変わり、恐怖よりも、今まで画面の向こう側で見ていた人たちに会いたいと思うようになった。実際、会うことができた人もいるし、ご縁のなかった人もいる。

その会いたいと思った1人は男性だった。
今となっては仲良しなので、本当に申し訳ないけれど、はじめて会うときは、会って何されても仕方ないと怯える私と、彼の写真が大好きだったから本当にワクワクしている私がいて、心の中がザワザワして大変だった。(笑)
そんな心配もいらないほど、彼は優しく迎え入れてくれたし、その話をした時にも、SNSだから警戒心は大事だし、そういう気持ち持ってていいと思う。と肯定してくれた。

そこからは、男女関係なく、画面の中で見ていた人にもっと会って撮影してもらいたい!と思うようになり、自分からアクションを起こせるようになった。
その甲斐もあって、有難い事にその年の最後の撮影は、写真教室のモデルだった。あの日を境に、私の被写体としての人生がきちんと開かれたのだと思っている。


そして去年。
日々が、ありえない速さで過ぎ去っていった。
有難い事に、企業のモデルをやらせていただいたり、写真家の方に撮影していただいたり、映像作品に出演したり、展示に出していただいたり、写真教室やフォトウォークのモデルをしたり、と。昔のわたしには考えられないほどの有難い機会をたくさんいただいた。
勢いに振り落とされないよう、しがみついて突き進んできた一年だった。
きっとひとりでは耐えられなかっただろうし、私に足りないものを補ってくれた人、指摘してくれた人、支えてくれた人、一緒に作品を作ってくれた人、たくさんの人に救われた一年だった。

数年前の私なら、男の人とふたりきりで撮影なんてきっと無理だったと思う。新しい事に挑戦するのにもっと臆病だったと思う。
いつしか、男女の区別で人を見ることはなくなっていた。もちろん、自衛を忘れたわけではないけれど、真摯に写真と、私と向き合ってくれる人がいると知り、私もそれに応えたいと思うようになった。
活動範囲が広がる事で、今まで見ることのできなかった景色をたくさん見ることができた。

写真にうつるということが、私という人間をいろんな観点から成長させてくれていた一年だったと思う。


今年。
自分の強みは、自分を残さずに相手の写真に染まれることだと思っている。
今までは、写真の中に自分の証を残せないというのがなんとも苦しく、存在感がない事に悩んでいた。むしろ弱みだった。それでも、今はこれが強みだと思っている。
物語性やストーリー性のある作品に共存したいという自分の表現の方向性としては、特定性こそなくていいと気づいたからだ。

もちろん、一枚でバチッと決めてしまうのも好きだ。
これは自分を魅せる能力をより確固たるものにしないと出来ないことだから、ゆっくり自分の武器を見つけて、戦える土俵を作りたい。
特に、これからは背の高さを生かしたファッション系の撮影や、ロケ撮影も積極的にしていきたい。

自分の好きな表現をし、自分の武器を生かせたらこれほど幸せなことはないんじゃないだろうか。
あわよくば、それを見た誰かに何かを思ってもらえれば本当に最高だと思う。
でも、その為にはまだまだ足りないことが多すぎる。
昨年、突っ走ってきた分、今年はインプットも増やし、より奥深い表現をしていきたい。


敷かれたレールの上だけを歩いてきた私がようやく見つけたやりたい事だから。いつか、終わりが来る日まで後悔ないように全うしていきたい。

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