アート・オブ・ライフ
作:ウダタクオ 2006年09月16日
アート・オブ・ライフ
ある時、良いケツをした女が入社してきた。仕事中そいつのケツばかり私は見ていた。見惚れていたのだ。触れずして分かる程の弾力性、母性を描いた様な曲線はまさににアートだった。
間もなく私は仕事を辞め、その女のケツを拝む事はなくなった。そして、1年が過ぎていた。
駅の改札を出ると私の直ぐ目の前に良いケツが歩いていた。方向が同じだったようだ、私をナビするように良いケツが私を目的地まで導いてくれている。そんな感じだ。階段なんて最高だった、脂肪の歪み方、筋肉の絞まり方「あぁ、神よ!!」女性の素晴らしさを痛感した。脳みそがリフレッシュしていく、体が癒されていく。
良いケツの女なんか山程いる、でもこの形はこの絞まり具合は!?この内からどうしても滲み出てしまう母性は!!!?
私は急ぎ足で回り込むと、その女の顔を見た。
時は静かに止まる。そして、またゆっくりと動きだそうとする。
聖者が歌う賛美歌がリバーブをブーストさせて広がっていく。
私は天使を見た。
1年前に出会ったあの良いケツをした女だった。はっきりと覚えていた。あいつだ。
やけに疲れた表情をしている。どこか哀しげで、心が病んでいるようなそんな気がした。私は声をかけなかった。話した事がなかったからだ。私はシャイなのだ。
顔より先にケツを覚えていた。分かるかい?ケツだぜ、ケツ!私はどこかおかしいんじゃないかと思い、母親に電話をかけた。母親は私に言った。
「どうやら間違い電話のようねぇ、ここは精神病院じゃないわ」
電話は切れた。私の頭は切れっぱなし・・・
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以下、あとがきです。
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