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TRPGにおける自己犠牲の是非について

最近ツイッターで見かけた学級会。

結論から言うと私はどうでもいいと思ったし、どうでもいいのでツイッターでは呟かなかったんだけど、色々思ったことはあったのでこっちに書き残しておく。

TRPGにおける自己犠牲って?

テーブルトークRPG(TRPG)においては、基本的にプレイヤー(PL)は自分のプレイヤーキャラクター(PC)にどんな行動でも実行させられる。例えば、敵の攻撃やダンジョンの罠でPCの誰かが危険な目に遭いそうなとき、それを察知した別のPCがかばうとかね。

これくらいなら大したことじゃないんだけど、これをもっと大げさにして、例えば、誰か一人だけが確実に死ぬ代わりに、他のPCは安全に先へ進めるようにする、みたいな行動ももちろんできる。こういう行動をその犠牲になるPCのPLが率先して選択することを、TRPGにおける自己犠牲とする。

このTRPGにおける自己犠牲、最初に書いた通り私はどうでもいいんだけど、やめてくれって人もいればやらせろよって人もいるみたい。目に付いた肯定派・否定派の意見をいくつかピックアップしてみる。

肯定派の意見

  • 自己犠牲を選択することが自然
    PCの設定やそれまでのロールプレイ(RP)から、その場面で自己犠牲を選択することが自然な場合がある。PCにとってそれは生還を目指すことよりも優先度が高く、自己犠牲を選ばないことが不自然である。

  • 全滅するよりはいい
    ダイスの出目などの運が絡む性質上、全滅のリスクを負うよりは、誰か一人が犠牲になって残りのPCの安全を確保する方が合理的である。犠牲になるPCのPLが自発的に選択するのであれば、止める理由がない。

  • 好きだからやらせて
    一緒に冒険する仲間のために命を捨てるRPは熱くてエモくてカッコいいし、今回使用しているPCはそういうキャラクターなので、気持ちよくRPさせて欲しい。

否定派の意見

  • 原則として生還を目指すべき
    TRPGは原則としてPCの生還を目指すゲームなのだから、どんなに困難であっても、全員が生還を第一に考えて行動選択するべき。

  • その場しのぎにしかならない
    その場はそれで切り抜けられたとしても、PCの頭数が減ってしまうことで、その後に残されたPCにとっては不利な展開を押し付けられることになるのでたまったものではない。

  • 嫌だからやめて
    一緒に冒険している仲間に目の前で死なれるのが嫌なので、頑張って生き残ろうとした結果そうなるのは仕方ないとしても、自ら命を断つような真似はしないで欲しい。

私の意見

次は、それぞれの肯定派・否定派の意見に対する私の意見。

  • 「自己犠牲を選択することが自然」に対して
    そういうPCであることを事前にゲームマスター(GM)や他のPLに伝えていて、GMから許可が出ていて、他のPLが納得してるなら、いいんじゃない?GMがダメって言ったらダメだし、他のPLが納得してないならちゃんと話し合ってね

  • 「全滅するよりはいい」に対して
    本当に他に手段はない?何か見落としていることは?手に入れた情報の中に手がかりは?まずはPL全員でその場を打開する方法が他にないかよく話し合ってね。よく話し合った上で本当にそれしかないなら、それはもうそんなシナリオの方に問題があると思うけど、今回はシナリオ批判したいわけじゃないので割愛。

  • 「原則として生還を目指すべき」に対して
    その原則って何?ルールブックに書いてる?シナリオに書いてる?開始前に参加者全員で合意取った?そういうゲーム進行に関わるような大事なことは、セッション開始前に話し合ってね

  • 「その場しのぎにしかならない」に対して
    その場をしのげなくて全滅するよりはマシでしょう。その場をしのぐ手段が他にないなら已む無しでは?まあ、それはそんなえげつない展開になるシナリオの方にも問題があると思うけど、シナリオ批判は今回の主題じゃないので割愛。

  • 「好きだからやらせて」「嫌だからやめて」に対して
    こんな風にPL同士で衝突が起きたときは、一旦落ち着いてちゃんと話し合ってね

「どうでもいい」ワケ

これは単純に個人的な好き・嫌いが無いから。絶対に生き残ろうとするRPも、進んで犠牲になろうとするRPも、それがルールやシナリオやGM裁定に背かない限りは、どちらも尊重されるべきだと思う。

ただし、どっちも許せるのかと言われると、それはケースバイケースなんだよね。ちゃんと話し合ったのかどうかが重要で、話し合いを放棄しているとか、何らかのゲーム進行上の前提を無視しているとか、そういうのは許せない。それは自己犠牲でなくとも、TRPGでやっちゃだめなことだと思ってる。

色んな意見を持つ人がいるんだから、当然意見の衝突も起こる。そんな時は卓を囲んでいる全員で話し合ってねテーブルトークRPGなんだから

無限に時間をかけられるわけじゃないし、譲れない部分もあろうだろうから、双方納得できる結果になるとは限らない。それならそれでお互いに譲歩して落とし所を見つけられるよう話し合ってね

話し合うとか、譲歩するとか、そういうことがしたくないなら、そもそもTRPGを遊ぶのに向いてないから、一人用のコンピュータRPGで遊んだ方がいいよ。あるいは理解のある身内だけで遊ぶとか。

それとももしかして、自分の理想のキャラクターや展開を表現する手段としてTRPGを利用しているだけだったりするのかな?それならもっといい媒体がありますよ。

「小説家になろう」って言うんですけど――。