記事抜粋196

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保田尚孝さんがLinkedInで紹介してくれた本、とってもおもしろかった:文春新書『がん「エセ医療」の罠』岩澤倫彦 | 新書 - 文藝春秋BOOKS (bunshun.jp)

ところで、ちょっと、日本のノーベル生理学・医学賞受賞者のリストを見てみましょうか。

  1. 1987年 利根川進 抗体の多様性に関する遺伝的原理の発見

  2. 2012年  山中伸弥 成熟した細胞に対してリプログラミングにより多能性(分化万能性)を持たせられることの発見

  3. 2015年 大村智 線虫の寄生によって引き起こされる感染症に対する新たな治療法に関する発見

  4. 2016年 大隅良典 オートファジーの仕組みの解明

  5. 2018年 本庶佑 免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用

利根川さんの獲得免疫に関する研究から始まって(まあ、「日本におってもしょーもないからアメリカ行きなさい。」言われてアメリカでやった研究なんだが。)、日本も免疫に関する研究に非常に熱心なのがわかる。

  • 俺も前に「次にノーベル賞獲るのは自然免疫の審良静男ちゃうやろか?」って書きましたね。

  • あと、「グリア細胞愛」の激しい工藤佳久の研究が個人的には好きだ♡:記事抜粋194 | LinkedIn。こいつは脳の機能全般に関わる研究と言ってもいいが、脳内の自然免疫に関わっているかもしれない話も有るんですよ。脳の中で確認されているわけではないがオートファジーと関連有るかもしれないしね。

この本でも、従来の免疫療法(いわゆるがんワクチン)の効果がほぼゼロパーセントであったことがはっきりした後にも関わらず、自由診療で効果の無い免疫療法(免疫商法?)を患者の不安に付け込んで押し付けることが横行している実情を紹介している。

で、本の中では「アクセルではなくブレーキに着目」とされているが、免疫チェックポイント阻害剤オプジーボの開発が画期的な進歩(ターゲットにもよるが20-30%くらい治療効果が認められた。0%から比べると圧倒的進歩です。)をもたらしたとされている。現在、多少なりとも効果が認められる免疫療法はほぼ免疫チェックポイント阻害を狙ったものなんですね。ただ、がん細胞も元々「自己」だからがん細胞に選択的に免疫の網の目をかいくぐるのは非常に難しい。まだまだ研究が必要な分野なんですね。


2006年だったと思うが、知り合いに白血病が見つかりまして、そいつが免疫療法をやると言ったんですね -- 話の内容はNK細胞培養のようでしたが。白血病は他のがんのように外科手術で取り除くがん細胞があるわけではないので(骨髄移植も有りますが適合するものが見つかるのを待ってる間に死ねるかもしれませんわね。)、化学療法(いわゆる抗がん剤投与)くらいしか選択肢が無いんですが、おそらくは併用するんでしょう、わらをもつかむ思いで免疫療法を選択したんだろうと思います。最後まで見とったわけではないのでどうなったか知りませんが、まあ、失敗のデータを一つ増やしただけだろうと・・・。

がんではないんですが医療関連の話で・・・

ところで、今年4月末の東京バグパニックのあと皮膚科に行ったんだが、その医者がどうも大村さんの研究が役立って開発されたお薬の存在を知らない・・・(日本の医者にはこんなのが多いよ・・・で、免疫抑制剤のステロイドばっかり処方する・・・結局、自分で直したよ・・・):北里研究所に戻った大村博士は、研究室の研究者達と製薬企業が注目していない動物用抗生物質の探索研究に取り組みます。研究者達と各地の土を持ち帰り、分離した微生物を培養し、分析する日々。地道な努力が実り、メルク社と共同で74年に伊豆の土壌から分離した放線菌が生産する化学物質「エバーメクチン」を発見します。その後、この物質が動物の寄生虫を減らすことが明らかになり、動物の抗寄生虫薬「イベルメクチン」として実用化されたのです。イベルメクチンは家畜の寄生虫だけでなく、犬のフィラリアにも効果を発揮し、動物薬の世界的ベストセラーに。その後、大村博士はメルク社の研究者達と議論しながら、アフリカや中南米などに蔓延していた感染症で、悪化すると失明に至るオンコセルカ症に効く薬イベルメクチンの開発を進めます。また、足が象のように腫れあがるリンパ系フィラリア症にも効くことがわかり、メルク社は大村博士の同意を得て、世界保健機構(WHO)を通じてイベルメクチンを感染地帯の住民に無償供与することを決定しました。1974年からWHOがアフリカの西海岸で行っていたオンコセルカ症撲滅作戦に1988年からこの薬が導入されました。また、その後リンパ系フィラリア症撲滅作戦にも導入され、現在も年間2億人あまりの人々をこれらの感染症から守っています。さらに沖縄や東南アジアなどで流行していた糞線虫症や、日本でも老人施設などで蔓延しているダニが原因の疥癬(かいせん)という皮膚感染症に効果をもたらすことが判明すると、この画期的な新薬はますます注目を集めました。

  1. 抗寄生虫薬 - Wikipedia/種々の形で国際交流が活発化し、航空機関の発達と相まって、日本からの海外短期旅行者や長期滞在者、国外からの来訪者が増加しつつある現在、熱帯・亜熱帯地域や途上国との移動がかつてないほど盛んである。それに伴い、海外から帰国し、熱帯病・寄生虫症に罹患する日本人も増加しつつある。国内においてもそれらの治療薬剤の医療上の有用性は高くなっているが、国内の気候および衛生環境から患者数が収益性に見合うほど多くなく、国内製薬企業は抗寄生虫薬の開発に消極的である。中には、スラミンやアーネステートなど、海外では標準的な治療薬とされながらも、国内で承認されていない薬物も存在する。 その問題が1980年当時の厚生省薬務局審査課を中心に検討され、研究班を発足させて対処を行うことが決定された。その結果、同年に下記の研究班が発足して熱帯病・寄生虫症の稀用薬の保管・供給体制を確立し、関連する研究も開始された。以来、事業は継続され、2015年に厚生労働省から日本医療研究開発機構に移管され、現在は「感染症実用化研究事業(新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業)」のもとに熱帯病治療薬研究班が設置され、宮崎大学医学部感染症学講座が中心となって継続されている。[2] 「感染症実用化研究事業(新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業)」では、国内未承認薬を海外製薬企業からの輸入し、開始した。設立当初は、国立医薬品食品衛生研究所で薬剤試験により医薬品としての適格性を確認した医薬品を全国約30の保管機関に配備・備蓄し、治療担当医からの要請に応じて治験薬として備蓄薬剤を配布していた[3]。治療によって得られたデータは国内未承認薬の日本人に対する安全性・有効性の確認にも用いられ、その結果、アトバコン・プログアニル塩酸塩錠や、メトロニダゾール注など、国内承認および国内販売に至った治療薬も多数あった。 2013年4月、これまで全国に分散していた備蓄薬を国立国際医療研究センターの国際感染症センター内に発足した「オーファンドラッグ中央保管機関」に集約した[1]。現在の備蓄薬は11薬である。2017年7月より、研究班が保管する未承認薬は、事前の倫理審査で承認を受けた薬剤使用機関(これまで備蓄機関に指定されていた医療機関が多数を占める)のみにおいて使用され、それ以外の医療機関の場合は同機関への患者搬送を必要とすることになった[3]。それが困難である等のやむを得ない事情があり、緊急性が高いと考えられる場合には「薬剤特殊使用申請書」の提出により、本研究班の職員が確認の上で例外的に薬剤の使用を認めることがあるという。

  2. あ、これじゃ駄目だわ・・・。

ところで大村さんっておもしろい経歴の人なんだな:世界3億人もの失明の危機救う:ノーベル賞の大村智氏 | nippon.com

  1. 大村は1935年、山梨県・韮崎の農家の長男として生まれた。富士山と八ヶ岳を仰ぐ自然に囲まれ、冬は寒さが厳しい土地柄だ。高校卒業後には家業を継ぐものと考えていたが、父が大学進学を認めてくれ、山梨大学学芸学部に進み化学の知識を深めた。卒業後、東京都立墨田工業高校定時制の教員をしながら東京理科大学大学院で学ぶ。有機化学の実験にのめり込み、5年かけて修士課程を終えると、母校山梨大学の工学部発酵生産学科助手に採用された。

  2. そこで微生物の可能性に開眼した。山梨大学では特産のワインの研究が盛んだ。ブドウ糖は酵母の働きによって発酵し、1晩でアルコールに分解される。「とても人にはまねできない。微生物の力に自分の学んだ化学を融合させれば、進んだ研究ができるのではないか」と考えた。

  3. 本格的に研究を志し、65年に飛び込んだのが、日本の細菌学の父 ・北里柴三郎が創設した北里研究所。「技師補」という大卒級のポジションだったが、秦藤樹(はた・とうじゅ)所長の論文清書などをいとわずこなすうち、ぐんぐんと専門知識が蓄えられるとともに、信頼も勝ち得ていった。

  4. 秦は、ドイツのパウル・エールリヒとともに梅毒の特効薬サルバルサンを発見した秦佐八郎の娘婿である。秦は当時、自身が発見した抗生物質ロイコマイシンの構造解析を大村に委ねた。大村は見事にやり遂げ、その後も次々と実績を積み上げた。

  5. しかし隣の研究室を見ると、新規物質を見つけようとしながらも、1年経っても見つからないことはざらにある。「人が苦労して見つけた物の構造決定だけではダメだ。私も泥をかぶってやろう」。大村は、新たな研究グループを立ち上げ、新規物質探しとその構造決定を 自分たちの仕事に据えた。

  6. “構造決定の大村”の評判が立ち、71年にはウェスリアン大学(米コネティカット州)に客員教授に。大村を招いたマックス・ティシュラーは米国化学会会長で、前職は世界最大の製薬会社メルク社の研究所長という大化学者だった。大村は、伸び伸びと研究に打ち込み、一流の学者たちとの親交を得た。だが、渡米から1年半後に帰国命令が出る。日本の研究費は当時、米国の20分の1ほど。大村は、帰国後に使える研究費の獲得に奔走した。

  7. 大村は製薬会社に共同研究を提案した。北里研究所で微生物やその産生物質を探索し、試験管内の実験で目的とする生物活性のある物質を発見した場合、その特許を取得した後に、その物質を製薬会杜に送る。動物実験以降は製薬会社で行い、その物質を製剤化して実用化に成功した場合、ロイヤルティ(特許権使用料)を北里に支払うというものだ。

  8. 当時、産学連携に対しては、“企業の片棒担ぎ”との冷ややかな風潮もあった。だが「使える薬を見つけるには、企業と組まなくてはダメだ」と説得して回った。そして最も卓越した大村の戦略が、ヒトの薬ではなく動物薬に照準を定めたことだ。北里柴三郎、志賀潔らが連なる研究所の伝統からすれば、人命を救う薬を創れたほうがいい。しかし、世界中の大企業が血眼で取り組んでいるのに、自分たちのような弱小グループがやっても勝ち目はないとみた。ティシュラーと懇意のメルクをはじめ、ファイザーなど名だたる製薬会社から資金を取り付けることができた。

  9. ということで、後にわんこをフィラリアから救うイベルメクチンができましたが、こいつはヒトにも効いたのです。

  10. 73年に帰国した大村は、北里研究所の抗生物質研究所長に就任。研究室の面々は通勤時や出張時に、スプーン1杯の土を持ち帰ることを課せられた。1グラムの土には1億個以上もの微生物がおり、薬を創り出す菌がいるかもしれない。だが、年間3000余りもの菌を調べても、すぐには有望な新規物質は見つからない。

  11. 74年、伊東市川奈のゴルフ場近くで採取された土から新種の放線菌、Streptomyces avermectinius が見つかり、大村はそれをメルクに送った。寄生性線虫に感染させたマウスに菌の培養液を投与すると、寄生虫が激減する効果が得られた。その物質は、エバーメクチンと名付けられた。

  12. 牛馬の腸管に寄生する親虫類に効果が高く、ほぼ100%駆除することができた。同社の合成グループがエバーメクチンを基に改良を試みた末、イベルメクチンが合成され、81年にivomec® という商品名で、家畜やペットの抗寄生虫薬として発売された。家畜の消化器官にいる線虫を退治すれば、飼料効率が大幅に上がる。83年には、ivomecは動物薬の売り上げトップに躍り出た。世界中で食料と皮革の増産につながり、犬のフィラリア症などの予防薬としてペットにも多用された。

  13. これだけでも人類への貢献だが、ヒトの病気にも有効だということが分かってきた。オンコセルカ症はアフリカなどに患者の多い熱帯の風土病で、皮膚と目に障害を起こす。ブヨがヒトからヒトへと、線虫の幼虫(ミクロフィラリア)を媒介する。これがヒトの体内で成虫になって大量の幼虫を産み続け、幼虫は皮下組織を移行し、死滅する際に激しい炎症反応を誘発する。感染者の2割は失明し、アジア・アフリカではトラコーマに次ぐ失明原因となっていた。

  14. イベルメクチンの効果は幼虫のみで、成虫には効かなかった。しかし、 成虫を急に殺してしまうと、宿主であるヒトがアナフィラキシー(急性の全身ショック反応)を起こしかねないため、むしろ理想的な薬だった。成虫はヒトの体内で14年間生き続けるため、その間は年1回この薬を飲み続ける必要があるが、幼虫を撲滅すれば新たなヒトへの感染はなくなる。成虫を持っている人は減り、やがて病気は撲滅できる。

  15. 87年、メクチザン®としていち早くフランスで承認。88年から、世界保健機関(WHO)を介してメルク社の無償供与が開始された。イベルメクチンは、蚊が媒介する線虫がリンパ系の働きを阻害するリンパ系フィラリア症についても効果を示し、2012年には世界中で3億人以上が投与される薬に。その大部分が熱帯病撲滅関係で無償供与されている。

  16. オンコセルカ症は2025年に、リンパ系フィラリア症は2020年には撲滅が見込まれており、発展途上国における「公衆衛生上過去最大の成果」(ユネスコ)と高く評価された。

  17. イベルメクチンは2002年、ストロメクトール®錠として日本でも発売された。適応となった腸管糞線虫症は、九州南部や沖縄にかけて数万人の患者がいる。06年には、ダニによって引き起こされる疥癬への適応が追加された。1回のみの投与で済み、これまで治療薬のなかったこれら2疾患の特効薬として用いられている。動物薬から始め、結果的にヒトにも貢献できた。思わぬ自然からの授かり物だ。

がんではないんですが医療関連の話をもう一つ・・・

ヘルペスの治療を初めてしてくれた医者にあたったのも2013年だった。それまでに見せた医者は診断すらできませんでした(日本の医者にはこんなのが多いよ・・・):アクチビアの有効成分であるアシクロビルは、GSKの前身のひとつであるバローズ・ウエルカム社に勤務していた研究者ガートルード・B・エリオンとジョージ・H・ヒッチングスによって1974年に開発されました。当時はヘルペスを含めたウイルス性の病原体の活動を抑えれられるほどの化合物は正常な細胞をも傷つけて しまうと信じられており、治療薬の開発に行きづまっていました。そのような中、エリオンとヒッチングスは、人間の正常な細胞と病原体の細胞の差異を生化学的に研究し、正常な細胞を傷つけることなく特定の病原体だけを殺すか、その繁殖を阻止する薬を設計しました。この設計を基盤にエリオンとヒッチングスはヘルペスの治療薬となるアシクロビルを含め、様々な薬品を開発し、1988年「薬物療法における重要な原理の発見」をしたことで共にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。あ、開発は1974年か。1972年と勘違いしとった -- なんか他のイベントと脳内で情報が混合されたんだろうな(1972年って何が有ったんだっけ?)。ノーベル賞も1988年か。だから、ちょくちょくチェックすることが必要なんだよね・・・。

  1. けっこう怖い病気ですよ、ナメてると。たいていの人がキャリアだけど、免疫で症状は出ないんだけどね。ただ疲れたりすると活性化するので「疲労マーカー」に使えるとの提言も有ります:単純ヘルペスウイルス(HSV: herpes simplex virus)は、古く(1920 年頃)から精力的に研究が推進されているヘルペスウイルスのプロトタイプであり、その知見は、他のヘルペスウイルス研究に効率的にフィードバックされています。HSV には 2 つの血清型(HSV-1 および HSV-2)があり、ヒトに脳炎、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、皮膚疾患、眼疾患、全身性の新生児ヘルペスウイルスといった多様な疾患を引き起こします。脳炎においては、無治療の場合、致死率は 70 〜 90%に達します。抗ヘルペスウイルス剤を使用しても 10 〜 20%が死に至り、2/3に中および重度の後遺症が残ると考えられています。比較的統計がはっきりしているアメリカ合衆国では、HSV 脳炎は年間約 1,500 人、性器ヘルペスは年間約 50 〜 70 万人、角膜ヘルペスは年間約 30 万人、新生児ヘルペスには年間約 1,500 人が羅患するとされています。さらに、性器ヘルペスはエイズウイルスの感染危険度を 2 〜 4 倍程度増加させるという報告もあります。上記のように、HSV 感染症に対しては、ノーベル賞の受賞対象となった抗ウイルス剤が開発されていますが、脳炎や性器ヘルペスに対してはその効果は限定的であり、ワクチンも未だ開発されていません。このように HSV 感染症は、長年精力的に研究が推進されてきたにもかかわらず、今だにアンメット・メディカルニーズの高い医学上重要な感染症です。・・・モダンメディア 65 巻 2 号 2019[小島三郎記念文化賞]単純ヘルペスウイルスの増殖・病態発現機構の解明 Elucidation of mechanisms for replication and pathogenicity of herpes simplex virus 【第54回 小島三郎記念文化賞】 川口寧

ついでだ・・・

  1. 俺がVacuum Polarization, and Polariton (2018/02)関連の国プロ(お題は酸素センサ -- まあ、何度も話をしているように光誘起XY型超電導相転移をやるわけにもいかんので、邪魔だと思っていた吸着酸素をできるだけ除去しようかなと思ってたんですね。)をやっていた頃、サブテーマでバイオセンサのプロジェクトも走らせていたせいか(まあ、英国の大学に外注したんですけどね。)東京医科歯科大学の三林とかいうのが話をしたいというので、てっきりバイオセンサの話かと思いましたら・・・

  2. 「酸素センサのサンプルを渡せ」とか言うんですよ。「なんで、お前に俺がつくったサンプル渡さないかんねん。論文にプロセス書いてあるんだからその通りにつくったらええやないか。」と思いましたが、しゃべらせるだけしゃべらせて、後でこいつの経歴を調べてみたんですね。そしたらこいつ、地元の高専みたいな大学を出てからデンソーに入社し、その後退社して東京大学の医学部に入り直し、学位をとって東京医科歯科大学の教授になってやがりました。

  3. そのデンソーって言うのが、①最初、俺のセンサを空燃比センサと勘違いしてアプローチしてきたんですけど、わざわざ会社のある群馬まで来ていただいて、態度悪いんで5分で追い返した会社でした。②その後、メカニズムが違うらしいとはわかったらしく「車室内環境センサでもいいです」とかしつこく言い寄ってくるものだから「そんなもんはリトマス試験紙みたいなもんでやったほうが安くて早いよ」と適当に追い払っていたのでした。③そのほかにもいろいろ有りましたが・・・そのうちの一つが前期の東京医科歯科大学の三林の一件でした。。

くっだらねえ奴が中にはいるもんだ、あの業界にもこの業界にもそのへんの業界にも(笑)。


[1] またか・・・:金型を下請けに無償保管させていたトヨタ系に、公取委が再発防止勧告…最大10tなど664セット (msn.com)

  1. いや、顕在化しただけ良しとすべきか。

  2. 自動車部品の大量生産に必要な金型を下請け業者に無償で長期間保管させたなどとして、公正取引委員会は5日、トヨタ自動車系列の車体製造会社「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」(横浜市)に対し、下請法違反(利益提供要請の禁止など)で再発防止を求める勧告を出した。同社は、業者側へ被害相当額を全額支払う見通しだ。 発表によると、同社は遅くとも2022年7月以降、新たな発注の見込みがないにもかかわらず、同社が所有する車体パーツの金型など664セットを全国の下請け業者49社に預けたまま、倉庫などに無償で保管させていた。最大で重さ10トン以上の金型もあったという。

  3. 日本製造業最後の砦だが・・・。

  4. とりあえず輸出還付金は要らんのと違うか?:税率10%でさらに拡大 消費税1兆円を還付|全商連[全国商工新聞] (zenshoren.or.jp)

  5. また、同社は製品の受け入れ時に品質検査をしていないにもかかわらず、65社に対し、「不良品だ」などの理由で車体パーツなど2604点(計約5427万円相当)を不当に返品していた。

  6. 何が欲しかったんでしょうか(笑)。

  7. 業者側は取引の打ち切りを恐れ、要請に従わざるを得なかったとみられる。金型保管と返品で損害を受けた業者は一部重複しており、被害相当額の支払い先は94社となる。金額は違反が認定された約2年間に限定して算出されるが、30年近く金型が預けられていたケースもあり、実際の損害額は億単位に上る可能性もある。 同社の西脇憲三社長は5日に開いた記者会見で、「関係者に多大なご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げる」と陳謝した。同社はトヨタが9割超の株を持ち、車体パーツの製造に加え、救急車やレーシングカーの開発も担っている。


税率10%でさらに拡大 消費税1兆円を還付|全商連[全国商工新聞] (zenshoren.or.jp)

村田製作所の還付金が多いのは他の電子デバイス・部品メーカーと違って国産維持率が高いからでもあると思うがな・・・。


ま、トヨタにはHEVで頑張ってもらって、世界の原油消費量削減に貢献してもらおう:トヨタのHEV販売が5年で2.4倍に拡大へ、EVはわずか17万台の低調ぶり | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

  1. トヨタ自動車のハイブリッド車(HEV)人気が過熱している。同社が示した今期〔2025年3月期(2024年度)〕の販売台数の予想は447.6万台と、前期〔2024年3月期(2023年度)〕から88.2万台も増える見込みだ。これにより、全販売台数(トヨタ車+レクサス車)に占めるHEVの比率は43%(447.6万台/1040万台)まで高まる。世界の「ハイブリッドシフト」の波にうまく乗った格好だ(図1)。

  2. 意外にもトヨタのHEV比率は他社と比べて高くないんだわ(笑)。まあ、いいや、43%ならな。

  3. 2019年度から2024年度までの5年間で見ると、トヨタ自動車のHEVの年間販売台数は2.4倍に拡大する計算となる。年間販売台数は262.1万台も増加する見込みだ(図2)。現在、HEVの収益性は「エンジン車と同等以上」(同社)のため、HEVの拡販が同社の利益に直結している状況となっている。

  4. エンジン車は切り詰めるだけ切り詰めてんだろう。

  5. 2023年度の1年間だけでHEVの年間販売台数は87.4万台も増加した。米国、日本、中国の順に多く売れている。中でも米国では、販売店における平均在庫日数が15日程度であるのに対し、「HEVは5~8日しかないほど販売が大変好調である」と、同社が2024年5月8日に開いた2023年度通期の業績発表の会見で同社の宮崎洋一副社長は説明した。 販売が好調な理由は、まずほぼ全ての製品ラインアップにHEVモデルをそろえたこと。加えて、低燃費だけではなく、「乗り心地や加速性能など総合的なパフォーマンスが改善され、魅力あるクルマとして訴求できている」(同副社長)ことにある。

  6. 見られない「EVシフト」  一方で、電気自動車(EV)の販売はさえない。2024年度の年間販売台数の見込みはわずか17.1万台にとどまった。2019年度の年間販売台数はほぼゼロだったから、この5年間で20万台すら増えない計算となる。トヨタ自動車の佐藤恒治社長は「今期(2024年度)は需要を堅く見ている」と言うものの、多少上振れしたところで、とても「EVシフト」とは表現できない状況にある。 トヨタ自動車が直面している市場の「現実」は、HEVとEVの間にある需要の著しい差だ。HEVの生産を急増させる一方で、同社はEVに対しても大きな投資計画を打ち出している。気になるのは、実際の需要という「現実」を踏まえてEV戦略を見直す可能性があるか否かである。思ったほどEVが売れなければ、投資が無駄になる恐れがある。 トヨタ自動車は「EVにも本気」(同社の豊田章男会長)の姿勢を示すべく、2026年に年間150万台、2030年には同350万台というEVの「基準」を発表済みだ。だが、2023年度のEV販売の実績は年間11.7万台。期初に20.2万台を見込んでいたが、大幅な未達となった。2026年に年間150万台のEVを販売するとしたら、残りの3年間でEVの販売を12.8倍も引き上げなければならない(図3)。 結論を言えば、トヨタ自動車が掲げたEVの基準は今後、見直される可能性がある。

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  8. まあ、BEVは無理のない範囲でやればいいよ・・・。


トヨタは当初硫化物全固体電池をHEVに使うと言っていたがBEVに使うと方針転換した。

  1. 俺はHEVに使ったほうがメリットが大きかったろうと思う。これも何度も書いているが。

  2. HEV用の電池はその容量を全て使い切っているわけではない。例えばSOC=50±10%が標準、やむを得ない場合にSOC=30-80%に範囲を広げるといった具合だ。HEVは時折15Cといったハイレートでの応答が必要になりこういった激しい条件での劣化を抑える必要が有ること、回生ブレーキのためにSOC=100%にせずに余力を残しておくが必要であることなどの理由でこうしていると思われるが、電解液よりもイオン伝導度が高くハイレート特性が良いことに加え、化学的な劣化も起こりにくい硫化物固体電解質を使えば、例えば標準でSOC=10-90%で使うことも可能になると思われる。こうすれば搭載容量を小さく、搭載する電池を小さくできるのである。

  3. BEVに使う場合はイオン伝導度が高いから厚膜にできる、温度制御装置や安全装置を簡略化できるのでパックは小さくできるといった理由で電池パックを小型化できるかもしれないが、このメリットはHEVにおいても同じだ。

  4. まあ、BEVが思ったほど売れないとなれば「やっぱHEVに使います!」って言いだすかもしれんけどね。


同じように下請けに対する態度が悪すぎて経済産業省からキツーイご指導を受けているニッサンのほうは、硫化物全固体電池はおそらくBEV用一択なんだが・・・その場形成負極を使うと言ったので一躍脚光を浴びた。

  1. 酸化物では太陽誘電が、小さな電子部品だが、積層セラミックバッテリーでその場形成負極を使っていたと思う。ちょっとしか金属リチウムを背移出させないのでまあ使えているんだろうと思うのだが・・・。

  2. ニッサンは車載用なので大型電池だ。析出させる金属リチウムの量も多い。どうやってデンドライト析出を防ぐのかって思いますが・・・(充電時にLi+を供給することになる正極の、正極活物質粒子と固体電解質粒子の均一分散を達成したという話は出ている。が、肝心の負極の話は一向に出てこない。)。

  3. 主流は、①集電体上への保護膜形成(高容量化のために析出量を増やし、レート特性を上げるためにニッケルフォームのような三次元集電体を使う例も有る)、②純sp2炭素表面を持つ単層カーボンナノチューブシートを使うことでリチウムを均一に析出させつつ、三次元構造による析出量増加による高容量化と高レート化を図るってところだ:Progresses on Sulfide-Based All Solid-State Li-ion Batteries | LinkedIn

  4. さて、ニッサンはどんな方法を採用するんでしょう。


トヨタがこだわっていたFCVだが、最近はトヨタも乗用車は諦めて商用車(大型トラックやバス)に目標を切り替え始めた:Electrochemical Impedance Analysis for Fuel Cell 2 | LinkedIn

それはまあいいんだが、輸送セクタにおける水素燃料活用は船が一番有効かもしれない。燃料電池でなく水素エンジンにすべきかもしれないが。

どのLinkedIn Postに書いたか忘れたが、海水の直接電解の研究成果が出つつある。ロバストな合金電極(最近流行りだが、いわゆるハイエントロピー効果を使う。ま、元素数増やすだけだが。)でかなりいい成果が出ている。

  • まあ、大規模洋上風力発電で使うってのがメインだろうけどね。

これだ:海水から水素の製造可能に、貴金属を使わない合金電極を開発 筑波大など | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」 (jst.go.jp)

  1. 豊富な海水を電気分解して水素を工業的に製造できるようにする合金電極を、筑波大学などのグループが開発した。チタンなど化学反応を起こしやすい9つの卑金属元素で構成する。加速劣化試験で10年以上は使える耐久性を確認。イリジウムなど高価な貴金属を用いなくてすむため、海に面する砂漠地帯などで安価に水素が作れる可能性があるという。

  2. 脱炭素が求められる昨今、水素は化石燃料に代わるエネルギーとして注目されている。再生可能エネルギーを使って海水を電気分解するのが手っ取り早いが、海水中の塩化物イオンが電気化学反応を起こして電極(陽極)が劣化するのを防ぐには、イリジウムや白金、ルテニウムなどの貴金属を材料として使う必要がある。

  3. 筑波大学数理物質系の伊藤良一准教授(電気化学)らは、コストの安い卑金属で耐久性のある電極づくりを目指した。5つ以上の多元素がほぼ同じ原子量で溶けて均一に固まった「高エントロピー合金」は強度と触媒能力が向上し、化学反応に対する安定性が優れることに着目。卑金属15の元素を候補として、すべてを加えた合金の安定性を調べた。

  4. 塩水中で電流を流し、溶けずに残った成分であるチタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)の卑金属9元素を、産業で多用されるアーク溶解法という不活性なガス中で合金にし、2022年に発表した。

  5. この合金電極を海水の塩分濃度に相当する塩化ナトリウム水溶液と実際の海水に入れ、電源のオンとオフを6000回繰り返す加速劣化試験を行ったところ、水溶液、海水ともに電解性能をそれぞれ97%、92%まで保持できた。1日1回電源がオンとオフになる太陽光発電を利用した場合、10年以上は電極の劣化がほぼ起きないとされる高い耐久性が示された。

  6. 化学反応を起こしやすい卑金属でありながら耐久性がある理由を、シミュレーションによって解析した。電極表面の酸化によって塩化物イオンが表面へ吸着しにくくなるうえ、水から酸素を発生させる触媒として働く場所に塩素がくっつきにくくなり、触媒活性が保たれるとみている。

  7. 卑金属合金は耐久性こそ高いものの、酸化イリジウムに比べると高電圧が必要でエネルギー効率が劣る。伊藤准教授は「改善の余地はあるが、淡水も貴金属も必要としない水素製造が将来見込める」と話している。

  8. まあ、合金は抵抗が高いしね -- 結晶構造の乱れ、フォノンの乱れが伝導電子の円滑な電動を妨げる。

  9. 研究は名古屋大学や高知工科大学と共同で行い、2023年12月9日付けの国際学術誌ケミカルエンジニアリングジャーナルに掲載された。

[2] 読売もこの件を報道:山積みのさびついた金型「20年間、使われずに置きっ放し」…下請けの経営圧迫する無償保管問題 (msn.com)

  1. 製造業の下請け業者を長年苦しめている「使わない金型」の無償保管問題。公正取引委員会は昨年以降、トヨタ系企業など大手を含む5社の下請法違反を認定し、行政指導である勧告を実施してきた。商慣習を名目にした不当な取引を一掃し、下請け業者の経営改善による従業員の賃上げなどにつなげていきたい考えだ。

  2. 「もう20年間、使われずに置きっ放しです」。6月下旬、関東地方の自動車部品製造工場で、担当者がさびついた金型を指し示した。 金型の重さは最大で1セット約5トン。対応する車種の量産期間が終わっても発注者側は引き取らず、保管料も支払われてこなかった。 利用予定のない金型は全体の3割近い約400セットに達し、借地に自費で建てた倉庫や駐車場に山積みされている。年間数百万円の借地代も自腹だ。担当者は「資材や燃料の価格が高騰する中で保管の強要が続けば、経営が限界まで圧迫されてしまう」と訴える。 こうした状況は全国的に常態化しており、公取委は40年以上保管させていた例も確認している。 中小企業庁の昨年の調査では、金型や木型など「型」の保管費用の負担を全ての下請け業者に行った発注者は約2割にとどまり、約5割は全く費用を負担していなかった。中小企業の経営改善による賃上げなどを目指す国の方針もあり、公取委は現在、下請法の積極的な運用を通じた事態の是正に乗り出している。 2023年3月、バルブ製造用の金型など計330セットを下請け業者9社に無償保管させていた「岡野バルブ製造」(北九州市)に勧告を実施。04年に金型などの保管の強制が規制対象に加わってから、初の勧告だった。 その後も、わずか1年4か月の間に4社に勧告を行った。被害相当額の返金措置も進めており、今年2月に勧告を受けた自動車エアコン製造販売大手「サンデン」(群馬県伊勢崎市)は61社に計1億円超の返金を約束した。勧告に基づく返金総額は、算定中のものを含め、5社で計2億円を超える可能性があるという。 公取委幹部は「保管の強要が続けば、物価高に応じた下請け業者の賃上げも難しくなり、経済の好循環に悪影響が出る。発注者が現状を放置するなら、厳正に違反を認定する」と話す。

  3. 自動車メーカー自体も「昔の試作品」の保管に無茶苦茶に倉庫を確保しているようなところではあるけどな・・・。


ま、トヨタにはHEVで頑張ってもらって、世界の原油消費量削減に貢献してもらおう。原油消費量半減までは最も経済合理的な選択肢だ:Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries (2018/02).

  1. From the viewpoint of oil consumption decrease and CO2 emission decrease per kWh, HEVs are more effective than BEVs:

  2. ONE BEV and TWO HEVs are comparable on oil consumption decrease and on CO2 emission decrease.

  3. The former needs 10-100 kWh, the latter needs only 1 kWh.

  4. ところで、このポストでは主に東北大の単一粒子測定等で証明された活物質の驚異的に速い充放電能力(十分に速い固体内リチウムイオン拡散) -- 例えば正極ならLiCoO2で360C(10秒で充放電)とか、LiMn2O4やLiFePO4で36,000C(0.1秒で充放電)とか。負極なら黒鉛で600C(6秒で充放電)とか、Li4Ti5O12で1,000C(3.6秒で充放電)とか。もちろん全てが100%充放電できているわけではないが(Li4Ti5O12だけは、粒径がちょっと小さくしてあると思うがほぼ100%使えてるね。)。 -- をまず示して、電池反応を律速しているのは電極空隙内の電解液中のリチウムイオン拡散だってことを伝えているんだが、そのへんがHEV用の電池とBEV用の電池の設計の違いの肝でもあるんだね。で、タイトルはインピーダンス解析なんだが、小信号解析ではそれはわからんよと書いてる。海外ではここがわからん人も少なくないわけ。だからそれを伝えようとしてんだね。

  5. 20世紀末の日本の常識だったと認識しているが、日本でも割とわからん人が多いみたいで(と言うか、増えたのかな?)、ご不満な方もいらっしゃいます(笑)。

で、ちょくちょくそんなことを書いているんだが、国内電池関連学会動向 | LinkedInでもしつこく(笑)、やはり東北大出身(赴任先が山梨大学かな。そのせいか、単独で邦文論文や解説書を書くことが多くなってる気もするね。)の仁科の解説などを報告している:

  1. 著者らは,リチウムイオン二次電池(LIB)の高性能化に資するために,活物質自体は 30 秒で急速充放電できる能力を有していること 1),これは電子伝導性が低い酸化物活物質でも成立し,炭素導電助材との点接触により Li+の移動と電子の移動がペアとなって同じ方向に移動することにより活物質内での電位勾配を生成せずに移動するためであること,炭素導電助材がアルミニウム集電体と接触することで不働態皮膜内に空乏層を生成しないために低抵抗で接触できることなどを提唱してきた 2).

  2. 2番目のは単一粒子測定や薄膜ではちょっと違うけどね。コンポジットではそういう部分も有るか、または、LiFePO4みたいに炭素被覆してあると確実に起こるだろうね。

  3. 電池では活物質粉体に炭素導電助材とバインダーを混練した合材電極を用い,本質的に多孔質電極となるが,多孔質電極のモデル的な扱いは Levie3)によって 1963 年に提唱されている.しかし,現在広く活用されている Newman 等 4-8)による取り扱いは化学工学的なアプローチで大量のパラメータを扱い,夫々のパラメータの寄与などに関しては少々疑問を持たざるを得ない.このような状況は全固体電池でも同様であり,いまだに固体活物質内部への Li+の拡散を議論している 9).このような状況は AC インピーダンスにより電池特性を解析しようとするアプローチ 10)も同様で,モデルに基づいた解析は殆どなく,定位相要素を使ってデータのフィッティングに明け暮れているのが実態である.

  4. マルチフィジックス・ソフトウエアがそうなっているからだね:COMSOL_WhitePapers_JP_Li-IonBattery.pdf

  5. このへん、2014年にカザフスタンで卒論指導したときにもちょっと教えたんだが、どこまでわかったかな?ちょっとわかったような反応は有ったんだが。しかし、聞いてたChemical Engineeringの教員連中は一人としてわかっていなかっただろうなって自信は有るわ(笑)。

  6. 著者らが電流遮断法による解析を始めたのは,KRI の矢田等による電流休止法 11)との出会いがきっかけである.矢田等は電流遮断時の電圧変化を 1 秒程度までの時間に依存しない成分と,その後の時間に依存する成分の 2 つに分類し,それぞれが電池の劣化に伴ってどのように変化するのかを追いかけるものであるが,時間に依存して変化する成分を過渡応答として表現する関数を提示していない.この時間に依存して変化する成分を確固としたモデルのもとにシンプルな解析解を求めることで,電池内部の動作状態に対する情報を得られそうだとの感触を得たためである.そこで,まずはセパレータ部分の濃度勾配の緩和を求め,報告した 12).セパレータ部分の濃度変化は基本的には 1 段の単純な分布定数回路として数学的には取扱えるが,電池系を表現するためには,合材電極内に対して,活物質側の分布定数回路と電解液内の Li+濃度変化に由来する分布定数回路が 2 段に重なった2 段分布定数回路(Fig.1)を採用すべきあることはその時点で強く認識できた.

  7. Warburg impedanceのところだけはこれでやらないとわからないんだよね。

  8. ということで、途中は端折るが、以下の分布定数回路モデルに行きつくわけだね。

piggybackってこういうことね。

ということで、Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries 2 | LinkedInでも、肝心の律速段階は交流小電流応答のインピーダンス解析ではわかりませんよってとこなんだが、仁科のPiggyback-stacked dual transmission line circuit modelへいざなってるわけ。

  1. [1] でWarburg impedanceは固体内拡散になっているんだが、交流小信号応答ではそう出るの。これ自体は間違いじゃないんだが、電池を実際に動かしている時の応答はこれでは見えてませんよってこと。

  2. で、[2]以後で徐々にいざなって行ってるわけ。


by T. H.


LinkedIn Post

[1] Materials/Electronics

  1. Fermi Level (2018/02).

  2. Vacuum Polarization, and Polariton (2018/02).

  3. Current Status on ReRAM & FTJ (2023/03).

  4. Fermi Level 2 (2023/11).

  5. Vacuum Polarization, Polaron, and Polariton 2 (2023/11).

[2] Electrochemistry/Transportation/Stationery Storage

  1. Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries (2018/02).

  2. Electrochemical Impedance Analysis for Fuel Cell (2020/01).

  3. Progresses on Sulfide-Based All Solid-State Li-ion Batteries (2023/05).

  4. 国内電池関連学会動向 (2023/05).

  5. Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries 2 (2023/12).

[3] Power Generation/Consumption

  1. Electric-Power Generation, Power Consumption, and Thermal Control (2020/07).

  2. H2 & NH3 Combustion Technologies (2020/12).

  3. Electric-Power Generation, Power Consumption, and Thermal Control 2 (2023/12).

  4. H2 & NH3 Combustion Technologies 2 (2023/12).

[4] Life

  1. Home Appliances I (2021/06).

  2. Home Appliances II (2021/09).

  3. Home Appliances III (2023/12).

[5] Life Ver. 2

  1. Human Augmentation (2021/11).

  2. Vehicle Electrification & Renewable Energy Shift I-LXXXI (2022/01-2022/12).

  3. Human Augmentation II (2023/12).

[6] 経済/民主主義

  1. 経済/民主主義 I-LIX (2022/12-2023/05).

  2. 記事抜粋1-195 (2023/05-2024/XX).

Published Articles' List (2004-2005, 2008-2011, 2015)

  1. researchgate

  2. Google Scholar

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