本文はこちら:記事抜粋211
Previously, 記事抜粋210
さて、おかしな米国IT monkeysだけでなく、事も有ろうに米国LinkedIn monkeysまでがおかしな干渉をしてくるものだからノイズが入ったが、ここで前回の小咄の要約をしとこう。
< 小咄1 >
硫化物固体電解質やるってのには(たぶん)理論的動機が有るだろう(聞いたこと無いけど)。
参考:Vehicle Electrification & Renewable Energy XIII | LinkedIn
(1) Li+ traveling distance at t → 0, L(0) ∝ t.
(2) Li+ traveling distance at t ≠ 0, L(t | t > 0) ∝ t^1/2. L(t) = (2Dt)^1/2, where D is the diffusion coefficient, and t is time.
(3) In my opinion (since 1998-1999), the t → 0 limit is the principle of the superionic conduction type I: the high-concentration limit.
(4) Type II would be the low-concentration limit, e.g., Ohzuku model.
解説 -- 基礎((1) & (2))
Traveling distance、L(t)、は歩幅。
L(t | t = 0):時間ゼロ極限(tは歩数。単位時間当たり1歩。)では時間tに比例。
L(t | t > 0): 歩数が増えていくと時間tの1/2乗に比例。動いたわりに進まない。
解説 -- 超イオン伝導((3))/個人的意見も含む。
解説 -- 新・超イオン伝導?((4))
従来の超イオン伝導の代わりになるものが無いかということで小槻さんが言い出したもの。
荷電粒子の移動にはドリフトと拡散が有るが、拡散支配となる高濃度極限でなく、ドリフト支配となる低濃度極限を目指したもの。
ドリフトのための電界には活物質/電解質界面の電気二重層を使う。
ただ、充電時には正極/負極間電位差は例えば4 Vで、Li+イオンは正極からドリフトして電解質層に出ていき負極に到達できるが、放電時にも正極/負極間電位差は例えば3 Vで、Li+イオンは負極からドリフトによっては電解質層に出ていけない(電界を「滝登り」しなければならない)。したがって放電時には拡散に頼らなければならないが残念ながら「低濃度極限」。
< 小咄2 >
高濃度極限においては無機結晶が有利。
以下はあまりに基礎的だが、
硫化物イオン、S^2-、のほうが、酸化物イオン、O^2-、よりも分極率が大きいので、分極率の小さいリチウムイオン、Li+、を強く束縛しない。したがって硫化物のほうがイオン伝導度が高い。
硫化物結晶は柔らかいので、硬い酸化物結晶と違って、密接な結晶界面をつくりやすくなり、粒界抵抗が低い。したがって、硫化物のほうがイオン伝導度が高い。
これに加えて、
吉野氏はリチウムイオン密度が硫化物結晶のほうが酸化物結晶より高い故に硫化物のほうがイオン伝導度が高いとしている。
< 前回のPost [1] >
ということで車載用全固体電池は硫化物一択となるが、注意点を。
固体電解質はLGPS型結晶が最もイオン伝導度が高い。電解液の4倍、6倍のイオン伝導度の固体電解質もすでに開発されている。
ただしLi+/Li電位で還元される元素が入っているので負極側にはα-Li3PS4型結晶が必要になる。
ガラスセラミックスがまだできていなかった20世紀末だが、松下電池がこういった電解質の使い分けについてはほぼ確立していた。
アルジロダイトは正負極で安定(と言っても正極活物質には保護膜コーティングしますが)だがややイオン伝導度が低い。
< 硫化物全固体電池の課題 >
硫化物固体電解質にも課題は有るが、まあほぼ解決できていると言える:Progresses on Sulfide-Based All Solid-State Li-ion Batteries
[1]が、サイクル寿命にまだ課題を残すがコストダウンのための最有力候補とされているその場形成(金属Li)負極用の保護膜の話だが、敢えて最適ではないソリューション、LiF&Li3N、の話から始めている -- 思想を説明するには良い例だと考えたため。二番目によりdurabilityに優れるLi2Te合金膜の話をしている(これは最初からLiを仕込んでおり、やや量産適合性に欠けるが、別のポストでBi-Te合金の話もしている -- Liと合金化できる金属2種としたのはおそらくハイエントロピー効果を狙ったものであろう)。別のソリューションとして産総研の三次元純sp2炭素集電層も挙げている -- その場形成金属Li析出量を増やすには有効な方法である。俺はこの二つの思想を最初から合わせており、2014-2015年にNi-Snをやろうとしていた -- ごく最近、中国がこれに近いNi-Sn-Bi-その他でおそらくハイエントロピー効果を狙ったものを報告している。Ni-Snを三次元純sp2炭素集電層に電析しようとしていた。
[2]は実は電池反応の律速段階である電極内の固体電解質相中のリチウムイオン拡散をとらえるための直流電流緩和法について述べたものだ。Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries (2018/02)の主題でもあった。交流インピーダンス法では活物質粒子内の固体内イオン拡散と出てしまうのだ。活物質粒子内のLi+イオン拡散が実際の電池反応条件化では速く、電極空隙内電解液中のLi+イオン拡散が遅いことが硫化物固体電解質開発の動機にもなっていると言える。海外でこれを理解しているのは2020年まではおそらく皆無だったろう。直流電流緩和法も日本で開発されている。
[3]はバイポーラにして集電層その他活性でない構成物の重量を減らしてコストダウンする話、[4]はduarabilityは簡単に拘束圧をかけて改善できるという話、[5]はH2S生成抑制の話、[6]は新製法も開発されたので必要無くなるかもしれないが製造コストダウンの話。
おまけで他の電池の話も少ししている。
Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries 2 (2023/12)でElectrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries (2018/02)の主題でもあった分布定数回路モデルの補足説明をしている。Warburg Impedanceは分布定数回路の結果でもあるのだが、前述したように交流小信号測定では電池の実際の動作条件における現象と異なるものを見てしまう。
こういった話は国内電池関連学会動向 (2023/05)でもしているし、他のPostでもチョクチョクしている。
< 高容量負極 >
Siでもその場形成(金属Li)負極でも、硫化物全固体電池にして初めて使い物になるかもしれないってシロモノだから、電解液やゲル使ってるうちはやるだけ無駄。
何回も言わすな。
ということで、よほど面白い記事でもない限り、だいたい「見えている」電池の話は控えめにしていこうと思います。
それよりは、「本命」の化石燃料の話を。
[1] 米石油・ガス掘削リグ稼働数、減少に転じる=ベーカー・ヒューズ
[16日 ロイター] - 米エネルギーサービス会社ベーカー・ヒューズ(BKR.O), opens new tabの週間データ(16日までの週)によると、国内石油・天然ガス掘削リグ稼働数は2基減の586基だった。 前週は増加に転じていたが、再び減少に転じた。前年同期の水準を56基(8.7%)下回っている。石油リグは2基減の483基、ガスリグは1基増の98基。
円安でなければ$75くらいでいいと思うが、米国は$80くらいが欲しいらしい。
ということで、道路輸送での原油消費量半減まではHEVでいいが、先行して無理のない範囲でBEVシフトを進めるのも良い。
石油化学はかなりの程度天然ガス化学にシフトしてきている。芳香族用に石油化学も必要だが。
WTI Crude, $76.11.
[2] イラン ロシアから大量の天然ガス受け入れる契約合意
イラン政府は、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアから大量の天然ガスを受け入れる契約で合意したと発表しました。欧米からの反発が予想され、今月大統領に就任するペゼシュキアン氏にとってはみずから掲げる欧米との関係改善に向けて難しいかじ取りを迫られそうです。
中国、インド、東南アジアは歓迎するだろう。
イランの国営通信によりますと、オジ石油相は17日、「イラン国営ガス会社」がロシアの政府系ガス会社、「ガスプロム」と契約を結び、天然ガスの供給を受け入れることで合意したと発表しました。天然ガスはイランを経由して周辺国に送られるほか、イラン国内でも消費されるということです。イランは天然ガスの埋蔵量で世界有数の規模を誇りますが、アメリカによる経済制裁の影響などで、施設の維持や新たな掘削に充てる資金が不足し、夏や冬のピーク時には発電などに使うガスが足りなくなる事態も起きています。今回の契約で年間に輸送される天然ガスはイランの年間生産量の3分の1にあたり日本円にして最大1兆8000億円余りにのぼる見込みだということです。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けてヨーロッパはロシア産天然ガスへの依存を大幅に減らしていて、今回の合意に反発も予想されます。
パイプライン経由のガスは減ったがスペインがLNGを購入して相殺されてんじゃないの?
今月28日にイランの大統領に就任する改革派のペゼシュキアン氏は、ロシアとの親密な関係を維持する姿勢を示す一方、欧米との関係改善を掲げていますが、難しいかじ取りを迫られそうです。
中国、インド、東南アジアは歓迎するだろう。
日本の発電は3割くらい石炭火力、同じく3割くらいLNG火力に頼っているが、石炭火力は出力調整はやや難しいが石炭が長期備蓄可能、LNG火力は出力調整は容易だが(したがって再エネのケツを拭くのに使われているが)長期備蓄ができない -- せいぜい3週間くらい。
バランスよく減らしていかなければならんのだ。いいかげん覚えてくれ、馬鹿ども。
天然ガス価格の推移
[3] 上月経済産業副大臣が石炭火力におけるアンモニア転換の実証研究現場を視察
2024年8月19日、上月経済産業副大臣が、株式会社JERAの碧南火力発電所(愛知県)を視察され、NEDOからは飯村理事が同行しました。JERAはNEDOの「アンモニア混焼火力発電技術研究開発・実証事業」の助成を受け、100万kW級石炭火力におけるアンモニア20%混焼の実証研究を推進しています。同発電所4号機で、4月1日から6月26日の間、大型商用機では世界初となる石炭からアンモニアに転換する実証試験を実施し、100万kWの出力において20%転換に到達しました。燃焼状態、排ガスなども良好な結果が得られ、商用化に向けて大きく前進する結果となりました。現場視察を通じて、上月経済産業副大臣とNEDO及び事業者との間で、大型商用火力発電の脱炭素化技術の確立と、早期社会実装に向けての取り組みについて活発な意見交換が行われました。
国産は洋上風力、海水直接電解(アンモニアも水素からつくらないかんからな)が始まってから本格化するだろうがな。
大量備蓄に向く液体水素はLNG同様に長期備蓄ができない。だからプロパンガス程度に長期備蓄が容易なアンモニアが必要なのだ、石炭の代わりにするから。いいかげん覚えてくれ、馬鹿ども。
[4] プロパン・ブタンニュース 3584号
2050年のカーボンニュートラル(CN)社会実現に向けたロードマップの具体化が進み、LPガス業界でもグリーンLPガスの開発に向けたアプローチが広がっている。政府はわが国のグリーントランスフォーメーション(GX)推進へ、経済成長を同時に実現する大規模な投資を行う。LPガスの販売現場にかかわる補助金は高効率給湯器やエネファームだけでなく、断熱窓や浴槽など省エネ性能の高いリフォーム商材も支援している。CNに向けた活動は販売のみならず、持続可能な地域づくりへ自治体とともに取り組むLPガス事業者もみられる。本特集はグリーンガス化の動向やLPガス事業者の環境保全活動事例、省エネに寄与するリフォーム商材などを取り上げる。
2035年に16%非化石化 LPガス、合成技術開発急ぐ
広島ガスグループと広島大学がメタノール経由も研究
GX40年ビジョン策定へ有識者会議スタート
日本LPガス協会
円安のほうが影響が大きい昨今。
今までにも何回か説明していますが、まずはLPGの基本を。
プレゼンテーション 9 「石化原料市場の変容とLPG産業への影響」 パービン&ガーツ社 上級副社長 ケン・オットー 氏
市場の原動力を見てみますと、LPガスは特に原料市場でいえば、これは大変ユニークな立場。これは副産物で、油田を開発するような形でLPガスを開発するわけではない。原油生産に関連して随伴ガスが発生し、そしてLPガスも生産される。また、ガス生産の副産物としてLPガスが得られ、ガス生産が高まれば、LPガスの生産も高まるということになる。例えば、カタールでは、LNGの生産が見られます。また石油業界で、どういう精製オペレーションをしているのか、またどういうレートで精製をしているのかに大きく影響されている。
エンドユースの市場として、一番大きいのは家庭・業務用。そこでの需要の伸びに影響するものが幾つかある。トップ3は、まず供給へのアクセス、それが第一。そして二つ目が製品の価格の設定と、その値ごろ感。いくらたくさん供給があったとしても、もし高すぎると市場が感じたら、誰も買ってくれない。また石化産業、これが第二の市場セクターとなるが、これはベースロードの原料として、また価格に敏感なスイング原料としても使われている。それぞれこれから先、伸びていくと私たちは見ている。LPガス、この価格敏感な原料として使える量は、やはり、ある時点での総供給量、またどれくらいがベースの需要として使われているのかによりけりで、価格に敏感でないセクターでどの程度使われるかで、変動します。これは月ごと、そして年ごとに大きなばらつきが見られる。
日本LPガス協会
我が国で使われているLPガスの約75%は海外からの輸入したもので、残りの約25%は原油精製時及び化学製品の生産時に発生する国内生産分です。輸入もしくは生産されたLPガスは、一次基地から内航船及びタンクローリーによって二次基地まで運ばれ、さらに家庭用は充てん所にてボンベ容器に詰め替えられて、各需要家へ運搬されます。
ということで、LPGも9割がた中東から、国内生産分の原料も9割がた中東から輸入していましたが、
2012年頃以降はアメリカ産のシェール随伴LPガスの輸入比率が大幅に増加しており、現在では同国が我が国最大のLPガス輸入元となっています。更に近年では、オーストラリアやカナダの新規天然ガスプロジェクトに伴うLPガスの増産体制が確立され、調達先の多様化が進捗し、更なる安定供給が図られています。
現在、法律によって備蓄が義務づけられているエネルギーは、石油とLPガスの二種類だけです(天然ガスには備蓄義務がありません)。 このうち、民間企業が備蓄しているものを「民間備蓄(法定備蓄)」、国家が備蓄しているものを「国家備蓄」と言います。LPガスの場合、輸入量の40日分(約109万トン)が民間備蓄として義務づけられています。これと国家備蓄とを合わせると、全体で約249万トン※のLPガスが備蓄されていることになります。※2022年3月末時点
もはやLPガスとも言えんが、習慣上、LPガスと呼んでいるに過ぎないプロパンとブタン。
前述の資料の背景といったところ。
シェールガス革命と LPG 市場に与える影響(短報) 調査部: 伊原 賢
本資料では、我が国の液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas、以下LPG)市場へのシェール資源の影響について、概説する。シェール革命とは、人類が利用可能な化石燃料のうち、天然ガスと石油における「資源量の革命」といえる。米国では天然ガスの自給率の急上昇と石油輸入量の急速な減少が同時に進んだ。シェールオイルの生産急増による中東やアフリカへの石油依存度の低下によって、世界のエネルギー地図とマネーの流れは劇的に変化した。昨2014年半ばからの原油価格の下落傾向は、シェール革命もその一因であろう。中でも我が国のLPG市場に与えるインパクトについて、言及する。特筆点として、LPG元売り会社は米国産LPGの輸入を拡大することで、市場において中東産に並ぶ指標としての存在感に期待している。
シェールガスの主成分はメタンであるが、エタン・プロパン・ブタンなどの天然ガス液(NGL)も含まれている。プロパンは液化石油ガス(LPG)として消費地に送られる。シェールガスの生産増により、LPG 生産も増加した(2012 年 600 万トン)。米国エネルギー情報局(EIA)によれば、2014 年には 1200 万トンに達したと見られる。指標となるモントベルビュー渡しの価格も、2012年のトンあたり 380~400 ドルが 2014 年 12 月にはトンあたり 260 ドルに下落し、LPG 大手のエンタープライズ社は余剰の米国産 LPG の輸出を活発化させた。米国では LPG は石油製品扱いとなり、戦略物質である原油のように禁輸とはならないのだ。
さて、我が国は年間 1500 万トン台半ば(2014 年度 1540 万トン)の LPG を消費しているが、約 1150 万トンを海外からの輸入に頼っている。サウジアラビア、カタール、UAE といった中東諸国やオーストラリアが主な輸入先だ。だが、その長期契約者向け出荷価格はサウジアラムコ CP という通知価格である。2014 年6 月からの原油安と需給の緩和により、2014 年 12 月積みのプロパンは 1 トンあたり 550 ドルと 5 年 4 ヶ月ぶりの安値となったが、価格設定が不透明、アジアの LPG 需給が反映されていないとの不満が、以前より我が国の LPG 元売り会社には根強い。しかしながら、LPG は先物市場が整備されていないとして、LPG輸出国はサウジアラムコ CP を好ましい価格としてきた。市場の需給により価格が決まる米国産の LPG が日本に輸入されると状況は一変した。既に 2013 年は95 万トン、2014 年は 200 万トンが輸入された。今年 7 月末時点で見ると、モントベルビュー渡しがトンあたり 206 ドルとサウジアラムコ CP(2015 年 8 月積み プロパン 1 トンあたり 365 ドル)と比べても、買い手にとって魅力的な数字である※。日本が輸入する約 1150 万トンに比べ、現状の 200 万トン程度では日本全体に与える影響は限定的だが、米国からの LPG 輸入は、その調達先の多様化につながり、サウジアラムコ CP という LPG 価格体系に風穴を開けることとなる。より安価な LPG 獲得につながることが期待される。我が国のアストモスエネルギー社、ENEOS グローブ社ほかは既にアクションを起こしている。LPG 元売り・商社各社は、米国産 LPG の日本の輸入量に占める割合を、2014 年 4 月~9 月の 12%から 2016 年に20%(最低 200 万トン)になるように米国とターム契約を結んでいる。パナマ運河の拡張で大型 LPG 船の通過が可能になると、輸送日数は大西洋(喜望峰)回りの 45 日の半分に短縮される。拡張されるパナマ運河の運用開始時期は、新運河の通航料金の発効が 2016 年 4 月1 日であり、パナマ政府の公式見解としては 2016 年第 1 四半期とされている。しかしながら、工事の進捗状況からは、工事完了は 2016 年下半期にずれこむと見ている。LPG 元売り会社は米国産 LPG の輸入を拡大することで、市場において中東産に並ぶ指標としての存在感に期待している。競合する都市ガスが主流の都市部への人口流入や少子高齢化による国内市場の縮小という岐路に直面する我が国の LPG 業界にとって朗報となるかが問われている。
シェールガスの主成分メタンは、発電用、工業用、家庭用の燃料に使われるほか、合成ガス(CO + H2)に変換され、尿素やアンモニアなどの肥料プラントへの原料として使われる。一方、副産物として産出されるエタンやプロパンは、石油化学の基礎原料となるエチレンやプロピレンを生産するプラントの原料ガスとして使われる。もちろんプロパンはブタンと共に LPG としても利用される。エチレンプラントでは、エチレンを主として、プロピレンなどの石油化学の基礎原料を生産するが、シェールガスを使う場合には、従来のナフサ原料のような重い分子量のガスを含まない天然ガス液(NGL)が原料となり、エタンクラッキングという手法を用いる。この手法はナフサをクラッキングするよりも、エチレンの収率が高く、プロピレンの収率が低くなる。北米のエチレンプラントの能力は現状の年 3000 万トンから2020 年には年 4500 万トンへの上昇が見込まれている。一方、プラスチックや合成繊維の原料となるプロピレンを得るには、NGL に含まれるプロパンから水素を取り除いてプロピレンを生産する PDH(PropaneDe-Hydrogenation)プラントヘの投資が熱を帯びており、2018 年までに年 400 万トン規模の増設が計画されている。・・・
ま、このくらいでいいかな。
LPG非化石化はそう簡単ではありません(e-fuelもだけど)。
令和2年度 グリーン LP ガスの⽣産技術開発に向けた研究会調査報告
5 千万人近いひとびとの⽇々の暮らしを支える LPG においても、グリーン化は喫緊の課題です。グリーン LPG を考える上では、炭素源をバイオマスに頼るか、廃棄物に頼るか、あるいは回収二酸化炭素に頼るしかありません。
最近資源エネルギー庁から出た総合エネルギー統計によれば、一次エネルギー総量は 20.49×10 18 J/年であり、この内約 4 割の 7.4×10^18 J/年が燃料として使われており、LP ガスは自動⾞⽤途で 0.03×10^18 J/年であるものの、⺠⽣⽤途は 0.2×10^18J/年は大きな量であり、この LP ガス⺠⽣部門のグリーン化は大変だという認識が必要である。プロピレンを水素化してプロパン、ブタンを作るという考え方もあるが、価格の高いものを組み合わせて、安いものを作るというのは避けたい。P2G(Power to Gas) 3 の様に風⼒発電からの水素でメタンを作ることも出来るが、現在のメタネーションの技術そのままでプロパン、ブタンを作ることは出来ない。
メタネーション技術の課題の一つは、高温の発熱反応であり、非常に選択性が高く活性も高い触媒で一気に反応が起きることで、600〜700℃の急激な熱上昇が⽣じるため、触媒性能低下やシンタリング 5 が発⽣する。又、CO2 に様々な不純物、特に硫化水素分を含む場合には触媒の急激な失活が⾒られるため、純度の高い CO 2 の調達にも課題はある。石炭⽕⼒からの CO2 は硫⻩化合物、特に硫化水素分が高いと⾒ている。反応進⾏直後に 700℃近い発熱が発⽣する問題については、活性の低い触媒から高い触媒を傾斜的に配置することで、一定の抑制ができることが判っており、硫⻩化合物の問題については圧⼒を上げることで失活を抑制できることが判っている。又、現在 INPEX と⽇⽴造船が新潟⻑岡で進めている 8NM 3 /hの実証プラントでは、通常の電源からの水電解で水素が製造されているが、今後は風⼒・太陽光等の再⽣可能電源から製造するものと思われる。しかしながら、現在の検証で進められている経済性評価では、60,000NM 3 - CO 2 /h で事業が⾏われ、IRR9.5%を満たすには電⼒料⾦が 2〜3 円/kWh 弱であることが条件であり、現在 2030 年度の再エネ電⼒価格が7円/kWh として示されていることから⾒ると、相当に野心的な戦略が必要と思われる。
メタネーションの欠点はメタンしか出来ないことであり、メタンは他の燃料との混和なく 100%で使われることは少ない。都市ガス⽤途でも LP ガスを熱量調整で使うことが必要である。プロパン、ブタンはメタノール/エタノールを経由してでも、エチレン/プロピレンからでもプロパン、ブタンの様な C 3 、C 4 を作ることも出来るが、高付加価値なものから低付加価値のものを作ることには抵抗がある。二酸化炭素を分解して得られた一酸化炭素をと水素から FT 合成 6 で作るという可能性もある。FT 合成も古い技術であり第一次世界大戦に開発され、メタンから WAX まで合成可能な反応であるが、重合反応であるだけに炭化水素を特定し、選択的に作るのはむつかしく、軽油を選択的に合成できるのも 35〜40%である。プロパン、ブタンを作ろうとしても選択性は連鎖成⻑確率を 0.3 にする必要があり、メタンも同時に出来てしまう。
中東アブダビでは 1.3 円/kWh の太陽光発電が世界最安値で提示されているが、水素製造にかかわる電気分解槽は、⽇本の SIP 7 では5万円/kW、米国では 3.4 万円/kW、欧州では 7.7 万円/kW と未だ高い目標価格であり、METI の望む既存のメタン価格に到達することは難しい。
まあ、こんなとこですわ。
[5] 再エネ利権を一掃せよ(2) 「再エネ最優先」は中国を利して日本を害す…極めて愚かな政策 自覚のないまま共産主義国のため働く〝使える愚か者〟たち 杉山大志
このオッサンは少々過激でな(笑)。
まあ、そんなに中国を悪く言わんでやってくれるかな(笑)。ちゃんと世界の役に立つよ。
再エネ最優先はたしかにアホだ。でも再エネも要るよ。化石燃料ほぼ全量輸入しとんやで。
ちなみに「使える愚か者」は俺が前から使っている「マヌケな協力者」とソースが同じだ(笑)。
再生可能エネルギーに関する内閣府のタスクフォースの構成員だった公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事業局長(当時)が会合に提出した資料に、中国国営企業「国家電網公司」の透かしロゴが入っていたことが、今年3月に問題になった。日本のエネルギー政策が、中国の影響を受けて決定されているのではないか、ということだ。
俺が前に「うわぁー、ミカさん、怒られるわ(笑)。」言うたやつな。
この騒動を受けて、河野太郎規制改革相はタスクフォースを解散した。だが、これで幕引きにしてはいけない。日本政府は、いま検討中の第7次エネルギー基本計画において、中国を利するだけの愚かな再エネ最優先を止めねばならない。「再エネ最優先」は菅義偉政権の下、河野氏と小泉進次郎環境相(当時)によって日本の国策とされた。日本の電気代を高騰させている元凶だ。いま世界の太陽光発電パネルの9割は中国製であり、風力発電の半分以上は中国製である。「再エネ最優先」は日本を害し、中国を利する政策だ。
菅がなんでそこまで入れ込んだかはよくわからないんだが。
河野家のファミリービジネスだしな。
ハンサムだが頭がおぼろげな小泉は、中国の技術を使ってない風力はお気に召さなかったかもしれんな。ま、小泉家のファミリービジネスだしな。
いま政府が推進している「グリーントランスフォーメーション(GX)」は、さらに再エネ最優先を推し進め、電気代をいっそう高騰させる、およそ最悪の政策だ。この愚かな行動を日本に取らせるために、中国は直接的な工作をする必要すらない。「使える愚か者」がいるからだ。これはレーニンの言葉であり、資本主義国には、本人には特段の自覚すらないままに、共産主義国のために働く愚か者がいる、ということである。
ちなみに、アインシュタインもそう言われとったらしいけどな。
だから例のプロジェクトから遠ざけられたんだろうって話や。
中国は世界を「共産党独裁vs民主主義」の体制間の限りない闘争、すなわち「超限戦」と捉えている。そこでは、再エネはまさに天佑(=天の助け)である。日本をはじめ先進国が勝手に経済的自滅をし、中国には莫大な利益をもたらすからだ。
中国企業は太陽光発電パネルを赤字でつくっとるよ、競争激しすぎて。
再エネ推進派は結果的に、中国の再エネ事業者をもうけさせる一方で、日本の電力を高コスト化し不安定化してきた。中国の望み通りだ。
中国はそんなもん望んでないって -- 我が事でせいいっぱいだ。自意識過剰に陥らんことだ。
また、「再エネ最優先」を強く支持する左翼リベラル勢力は、中国に融和的だ。中国の太陽光パネルの半分は新疆ウイグル自治区で生産されており、強制労働の関与の疑いが濃厚で、米国では輸入禁止措置まであるが、日本ではこれはまったく不問にされている。これもまた、すべて中国の望むことだ。
香港問題の時に俺は「内政問題かせいぜい英中二国間問題(しかもアヘン戦争の結果)の香港より武力制圧して手に入れたウィグルやチベットのほうが今後争点にされやすいだろう」と予想したが(それから間もなくBBCがすっぱ抜いたわな(笑) -- まあ、リベンジを果たしたってとこか(笑)。ただ、それだけの話だ。)、あくまで予想で、日本が争点にすべきと言った覚えもないし、するべきではないと考えている。
「使える愚か者」を排除し、エネルギー政策を、日本国民の手に取り戻すべきだ。
ま、民主主義は必要なんだが。国民アホでもな。
で、どうすんの?原発?
ま、再稼働は必要だと思うけどな。
MOX原料も使ってプルトニウム減らしていかなならんし。
核ミサイル用なんて60発分くらいで実用的には(まあ、使わんけど、持ってることが必要だ。)十分だけど、日本は数千発分持っとるからな。
ちなみに、日本が自前で核武装したほうが中国と仲良くやれると思うで、北朝鮮みたいに(笑)。
「国士」と言える人では加瀬英明さんが圧倒的に知性が高かったな。
ただ、あの方は中国や韓国に対してだけでなく、アメリカにも、欧州にも、中東にもモノを言える方だった。
加瀬英明さんが亡くなってから、後が続かんな・・・。
ちなみに、俺は左派カルトも好かんが右派カルトも好かんのよ。
[25] BYDがホンダ・日産超え 4〜6月販売、低価格EVで急伸 2024年8月23日
日系自動車メーカーも、軽自動車を300万円で売ってるようじゃ勝ち目無いわ。
2024年4〜6月の世界新車販売で、中国最大手の比亜迪(BYD)がホンダや日産自動車を抜き世界7位に浮上した。低価格の電気自動車(EV)がけん引し、米自動車大手「ビッグ3」の背中も捉えた。日米欧の自動車大手に匹敵する規模となり、業界の序列を崩し始めた。急速に影響力を増す中国勢への対策が急務となっている。自動車メーカーの発表や調査会社マークラインズのデータを基に世界販売台数を集計した。
頑張って原油消費量削減に貢献してください、BYD。
ところで、日本のB層がなぜ中国車の躍進を喜ばないのかよくわからない。お前らにメリット有るのに・・・。
買うかどうかは別よ、もちろん。グローバルな躍進、グローバルな原油消費量削減をなぜ喜ばないのかよくわからない。
ま、マクロ見て生活してねえわな(笑)。
ところで、LinkedInでトヨタ自動車の品質管理のおっさんが「定年退職するので次の仕事で開発部長のポストを希望」とか書いているのを目にしてちょっと気になった。品質管理のおっさんが開発部長も無いもんだとは俺の単なる印象だが、あの業界にはこのような慣行が有るのではないかと疑わせた。
by T. H.
LinkedIn Post
[1] Materials/Electronics
Fermi Level (2018/02).
Vacuum Polarization, and Polariton (2018/02).
Current Status on ReRAM & FTJ (2023/03).
Fermi Level 2 (2023/11).
Vacuum Polarization, Polaron, and Polariton 2 (2023/11).
[2] Electrochemistry/Transportation/Stationery Storage
Electrochemical Impedance Analysis for Li-ion Batteries (2018/02).
Electrochemical Impedance Analysis for Fuel Cell (2020/01).
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[5] Life Ver. 2
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[6] 経済/民主主義
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