見出し画像

【読んだ本】問題解決大全 /読書猿

この本を一言で言うと...

あらゆる問題を解決するための37のフレームワークが紹介されている本。

読むべき人は...

① 何かしらの課題を解決することを生業としている人

② プライベートを含めて、何かしらの問題を抱え、それを積極的に解決したいと思っている全ての人

読んで学んだことは...

① 人が責任主体であることは、問題解決者であることを前提とする。

問題解決の定義は「自分で定めた目標に向かってうまく行動すること、◯◯したいと思うことを実現すること」である。

私たちが互いを一人前の人間として扱うのは、互いに責任を問える存在として考えられる時、つまり「責任主体」としてみなせる時に限られる。そして人が責任主体となるのは、その人が自身の意図を抱く時、その意図を実現するために行動できる場合である。この意図の実現を目指す行動を私たちは問題解決と呼ぶ。

つまり人が責任主体であることは、問題解決者であることを前提とする。

② 問題解決の方法には「リニアな問題解決」と「サーキュラーな問題解決」がある。

リニア(直線的な)問題解決:
・因果関係を直線的に遡ることができ、究極の原因にたどり着けると想定する。
・問題を「理想と現実のギャップ」として捉える。
・問題解決者は問題の外に位置し、問題状況を客観的に見ることができる。
・解決アプローチは、目標と現実のギャップを埋めたり、より上流の原因を取り除くこと。

サーキュラー(円環的な)問題解決:
・鶏と卵の関係ように、原因と結果の関係がループしている。因果関係を遡っても、究極原因にたどり着けない。
・問題を「問題と偽解決の悪循環」と捉える。
・問題解決者も、問題を構成する因果ループの一部に組み込まれている。
・解決アプローチは、因果ループのどこか一部を変えること。

※「妻の怒り」という例がわかりやすい。
私は、妻が怒り狂うとき、会話によってその原因を追求し、リニアに問題を解消できると信じていた。だがそれは間違っていた。むしろ「怒りの原因を分析する」ことは、妻の怒りを激化する一因となっていることに気づいた。
そして、怒りには直接的な原因があるわけではなく、心配・寂しさ・不安などの別の感情が元にあり、二次的な感情の表出として「怒り」があることに気づいた。つまり、怒りに対処するのではなく、怒りの因果ループのエンジンとなっている一次感情を解消することが、この場合の問題解決なのだ。

③ 問題解決は以下のステップで行う。

・問題の認知 … 目標設定/問題察知/問題定義/問題理解
・解決策の探求 … 情報収集/解の探索/解決策の改良/解決策の選択
・解決策の実行 … 結果予測/実行計画/進行管理
・結果の吟味 … 結果の検証/反省分析/学習・知識化

読んで思ったことは...

① あらゆる問題は、新しい問題に見えて、分解したり抽象化してみれば、古今東西の人がすでに悩み対処してきたもの。そして、それら問題を解決するフレームワークもすでに既出であり、あらゆる問題は知的に解決できる。だから先人の知恵を借りよう。巨人たちの肩の上に立とう。

このような考え方はとても合理的だし、日々直面する困難な問題にも立ち向かえる勇気が湧く。

② 多様なフレームワークが37個も紹介されているので、どれかしらの手法を使って積極的に問題を解決してみたい、という気持ちになる。Kindleでこの本を購入してしまったけど、紙の方がきっとおすすめ。何か問題にぶち当たった時に「どのフレームワークを使おうかなー」とパラパラとページをめくる感じで活用すると良い本なんだと思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?