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【読んだ本】 もったいない主義/小山薫堂

この本を一言で言うと...

小山薫堂さんの企画発想法が学べる本

読んで学んだことは...

学びがあった箇所を抜粋。

考えてみるとこれはとても不思議なことです。さっきまで誰も関心を示さなかったカレーなのに、イチロー選手のお母さんがつくったというだけで、こんなにも「食べたい!」という気持ちが生まれるのですから。 それはつまり、このカレーの物語に共感したり感情移入したりしたからです。  そして僕は「こんなふうに感情移入をさせるのがブランディングである」とか、「食べたことを自慢したいという動機でも、食べたいというモチベーションは刺激されることがある」などという話をしました。

対象に意味やストーリーを持たせることで、関心や親しみを湧かせる。その対象を利用することにステータスを感じさせる。それがブランディングに繋がる。ふむふむ。

僕はこれまでさまざまな企画を立ててきましたが、企画という仕事はやはりすごく面白い。人々が何にワクワクするか、何を求めているか、どうすれば喜んでくれるかを考えるのは、すごく楽しい作業だと常々思っています。  さらに言えば、どうすれば人が喜ぶかを考えることは、仕事だけに留まらず、それを考える人の人間形成にも役立つのではないでしょうか。どうすれば人に喜びを与えられるかを考えるとは、別の言葉にすると「思いやり」です。企画とは人のことを思いやったり、 慮ったりすることでもあるのです。

誰かがワクワクすること、喜んでくれることを考える。それって自分自身を豊かにすることにもなる。企画ってそんなに難しく考えることじゃないっていう示唆。

どれだけ事前に価値を刷り込むかによって、ものの価値は変わってきます。自分たちが世の中に送り出すものに対して、どれだけ価値を刷り込んで、どれだけ感情移入してもらうか。その方法を考えることが「企画」なのです。

日常のなんでもない事や、一見なんの価値も無いようなものに対しても、価値を与えることができる。そこにどんな価値を見出すかが企画であって、それは誰かがワクワクしてくれるってことが大事。

『考えないヒント』にも書きましたが、「神様にフェイントをかける」というのは、こういうことです。神様を裏切るようなことをしてみると、つまらない日常が俄然、輝きを帯びる。だからたまには神様を驚かせてみるのも、新しい発想を得るにはいい方法だという話です。たとえば毎日の通勤電車。神様が「お前はどうせいつもの八時三分発の急行に乗るだろう」とお見通しになっているところを、あえて反対方向の電車に飛び乗ってみるというようなことです。

神様にフェイントをかけるっていい言葉だなー。

グルメエアラインぐらいなら、思いつく人はほかにもたくさんいるかもしれません。でもそこで、何か意味やストーリーを持たせて、食の自給率とか企業とのタイアップまで発展させられることが、僕の強みではないかと思っています。  それができるのも、やはり「食の自給率」や「タイアップ」という種が、以前から頭のどこかにあったからだと思います。いま、農水省が食の自給率を上げるためのキャンペーンを必死にやっていて、広告代理店がいろいろな案をプレゼンしていることは知っていました。それで、自分だったらどうするだろうと、頭のどこかで考えていたのだと思います。そこから、「あれとくっつければいいな」というアイデアが出てくるわけです。

ビジネスで企画する上では、誰かがワクワクするだけじゃなくって、何かの課題を解決したり、お金がスムーズに動くことまで考えることが大事。そんな企画をするには、普段から世の中の課題に目を光らせたり、どんなことにお金が使われているのかを知っておくことが必要なんだなー。

僕にはどうしても、伝えるためだけにお金を使うのはもったいないと思ってしまうところがあります。お金をかけなくても、みんながあっと驚くような面白いことをやったら、それだけで人は自然に集まるものです。 PRというと、どうしても「どう伝えるか」ということにお金を使いがちですが、僕の場合は、お金を落として、そこに生まれた面白いものをみんなが見に来るようにする仕掛けをつくる、という発想をします。

単純で誰もが思いつくようなことをしていたら、人の心には残りにくい。意図的に、誰もやらないような尖った何かを考えて、人の心にちゃんと突き刺す。これって企画やものづくりに携わる人が持っておかなくちゃいけない考え方だなー。




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