見出し画像

龍谷大学公募推薦対策!10年分の文学史ポイント解説⑨

古文の文学史が苦手という人をよく見かけますが、文学史は①コアになる知識と、②その知識の使い方を覚える事で対応できます。11月は公募推薦が近いということで、何回かに分けて龍谷大学の文学史のポイント解説をしていきたいと思います。なお、この解説は龍谷大学の問題を解くのにあたって必要な知識に絞ってまとめております。学術的な厳密性や細かな知識よりも、問題を解くための情報を優先しているので、細かなツッコミはご容赦ください。

12年一般

『成尋阿闍梨母集』は私家集(個人の歌集)ですが、次のうちから歌集(和歌を集めたもの)を一つ選びなさい。
①『沙石集』 ②『山家集』 ③『菟玖波集』 ④『閑吟集』

〈難易度〉
1/5

〈解説〉
「私歌集」という言葉から『山家集』と即答したい。私歌集としては合わせて源実朝の書いた『金槐和歌集』も押さえておきたいところ。

〈ここだけチェック〉
『沙石集』
鎌倉時代に無住によって書かれた説話集。
『菟玖波集』
南北朝時代に作られた連歌の撰集。勅撰和歌集のようなスタイルをとる。
『閑吟集』
室町時代後期の歌謡集

2021後期日程

「光源氏」とありますが、「光源氏」を主人公とする物語の注釈を著した人物として、最も適当なものを一つ選びなさい。
① 松尾芭蕉  ② 井原西鶴  ③ 本居宣長  ④ 式亭三馬

〈難易度〉
3/5

〈解説〉
本居宣長の『源氏物語玉の小櫛』を知っていれば解けるが、やや難しい。知らなかった場合合焦らずに本居宣長が国学者であることから、過去の作品の研究をしている可能性を検討して、③を選ぶという思考をしたい。

〈ここだけチェック〉
松尾芭蕉
江戸時代の俳人。『奥のほそ道』『笈の小文』『のざらし紀行』あたりを覚えておきたい。
井原西鶴
江戸時代の『好色一代男』をはじめとする浮世草子の作者として知られる
本居宣長
江戸時代の国学者。『古事記伝』『源氏物語玉の小櫛』『うひ山ぶみ』などを記す。
式亭三馬
滑稽本『浮世風呂』『浮世床』などで知られる江戸時代後期の作家。

2021 2月15日中期

『太平記』とはジャンルが異なる作品として、最も適当なものを一つ選びなさい。
① 『落窪物語』  ② 『平治物語』  ③ 『義経記』  ④ 『平家物語』

〈難易度〉
1/5

〈解説〉
これは確実におさえたい。『落窪物語』は三大作り物語の一つであるため正解は①。

〈ここだけチェック〉
『落窪物語』
継母いじめの物語。『源氏物語』以前に成立した三大作り物語(『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』)のひとつ。
『平治物語』『義経記』『平家物語』
共に源平のやりとり周辺について描かれた軍記物語。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?