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トリノvsボローニャ #高速レビューチャレンジ

セリエA第19節 2020.1.12 マッチレビュー
サムネはトリノの旗手アンドレア・ベロッティ

仙台戦術藩の方々がウディネーゼvサッスオーロの #高速レビューチャレンジ をやってて、僕も何かしらレビューが書きたくなったので書きます。高速レビューチャレンジ初参戦。

試合前情報

順位表のおさらい
・セリエA第18節終了時点でトリノは勝ち点24の11位。ボローニャは勝ち点23の12位。
・得失点差は両チーム-1

両チームシステム


試合内容 前半

ホームトリノボールでキックオフ。キックオフ直後は両チームビルドアップから前進する姿勢を示し、それに対し激しく寄せる主導権争いが繰り広げられた。

その中でボールを握ったのがボローニャ。前線3枚vs3バックの同数プレス。トリノWBにはSBが出て対応。ソリアーノ、ポーリが中央のボランチにつき、アンカーとなる30番が俗に言うバイタルエリアを管理する。この陣形でトリノからボールを取り上げ、攻撃に転じる

しかし10分だった。トリノボール。ゴールキーパーからのロングキック。ベロッティが競り、シャドーのヴェルディーに落とす。彼に対しアンカーの30が対応したが、すると空くのがCBの手前のスペース。そこにクロスを送り込み、ベロッティが納め、再び送った折り返しを左シャドーベレンゲルが詰めてトリノが先制に成功する。

仕切り直しと行きたいボローニャ。ビルドアップから前進を試みるが、トリノがそれを許さない。3トップが前プレをかける。CFがCBに寄せ方向を指定。指定されたサイドのシャドーはつかさず同サイドのSBを迎撃。逆サイドのシャドーはCB間に立ち位置を取り、サイドチェンジを阻止する。

ボローニャは前進のルートとして安定して縦パスを出せる冨安のいる右サイドを選択。プレスを剥がし、冨安がHLに立ち位置を取るオルソリーニへと楔を打つシーンは何度かあった。ただ3バックの左右の選手がすぐさま出て潰しにくるので思ったようにグラウンダーパス中心で進むことが出来ない。

この辺で30分経過。

右サイドに活路を見出したいボローニャ。同サイドに人数をかける。冨安が出し手となり、DMポーリがバランスを保ち、OMソリアーノ+右WGオルソリーニ+CFパラシオがトリノのWBの裏、またCBとWBの間を狙う。

また、右ハーフレーンの冨安から中央CBの手前側パラシオへ楔。パラシオが落とし、逆サイドへと展開。身体の向きと目線が変わったところで、クロスをその逆側、背中側に送りチャンスになったシーンもあった。

ただボローニャは38分にはその人をかけた右サイドで奪われ、トランジションから逆サイドのハーフスペースにいたヴェルディーへとボールを運ばれてしまう。カットイン。シュート。ゴールポスト直撃。

そんなこんなで前半終了。

ベロッティが牽引する前輪駆動の343。可変システムだ、ポジショナルプレーだ言われるボローニャを封殺した前半。

この守備を成立させているのは切り方の上手い3トップのだけではない。コースを制限した先にいる選手、この試合で言うとボローニャのシャドーからボールを狩ることが出来るCBがいるのが大きいと私は思う。3バック全員が背後からぶつかり、ボールを奪い取ることが出来るからこそ前輪駆動の守備が成立しているのだ。

圧倒的な力を発揮する場所へ誘導し、確実に狩る。杜の都のチームもそんなことをやってた気がした。

試合内容 後半

ボローニャボールでキックオフ。

トリノからボールを奪ってから間髪入れずハーフスペースにいるシャドーへとボールを入れるボローニャ。また、逆サイドのWBに向けて対角線のフィードを蹴り、IHと競らせ、ハーフスペースのシャドーに落とすシーンもあった。

トリノの3ラインが間延びした状態でシャドーにボールを入れているので、前半潰し屋を担った左右のCBが迎撃に行くまでには距離があった。

時間があれば前を向けるシャドー。前を向いたオルソリーニがそのトリノ左CBに向かってドリブル。自分、外から駆け上がる冨安、内側にいるパラシオの3択を突きつける。そのCBが出てきたら、足が少しでも動いたらオルソリーニはフリーになる選手を判断、リリース。その形から後半開始直後に2度大きなチャンスを作り出した。いずれも3バックの手前側へのマイナスクロスだった。

ガンガンいこうぜ。ボローニャ。ボランチに対してIHが激しく寄せ、ショートカウンターからチャンスを重ねる。パラシオがGKと1v1になるもそれも決められない。1-0のまま試合が推移し、後半も25分が経過した。

重心を前に持って来れないトリノ。前半同様の前プレスをかけたいが、すぐにDFライン付近にボールが戻ってきてしまうのでそれも難しい。70分過ぎにはベロッティが前で納め、コーナーフラッグの方向にドリブルし、全体の陣形を上げる時間を作りだすが、サポートが遅く、すぐに奪われ、また守備に転じることに。

ボローニャは大外とハーフレーンを支配し、クロスを何度も何度も送り込む。決定的なチャンスには結びつかなかったが。

1-0で時間が過ぎていく。押しているがスコアが動かないボローニャ。クロスから活路を見出すことがなかなか出来ない。

541に撤退しきったトリノを崩すためにシステムを3421に変更。1トップの脇からCBがボールを運び、段を、いるレイヤーを一つ上げる。押し出すようにボランチが第3レイヤー、バイタルスペースへ。また3トップも段数を上げてDFの裏に果敢に飛び出すようになる。外がダメなら中から。ハーフレーンと中央でゴールを狙って駆け抜けろ。

81分にはボランチに力強いドリブルから縦パスを出すことの出来るニコラス・ドミンゲスを投入。上記した形から彼が第3レイヤーまでボールを運び、裏に抜けたパラシオへラストパス。本日2度目のキーパーとの1v1。決めれば同点。狙いを定める。どこに流し込む。距離を詰めるキーパー。シュート。

天を仰いだ。決められず。過ぎていく時間。跳ね返され続けるクロスボール。

タイムアップ。1-0。トリノの勝利で闘いは幕を閉じた。

雑感

ボールを握りたいボローニャに対し、戦略勝ちをしたトリノ。前半は前輪駆動の3421。後半は無失点に抑え、勝利するための541。

この1試合通してトリノを牽引したのはベロッティだった。前半に比べ後半は彼の本来の位置よりも自ゴール側にボールがあることが多かったが果敢にプレスバック。時には自陣コーナーフラッグの辺りで粘り、ボールを奪い取ることこそあった。

また、ボローニャは後半の中央の段数上げが面白かった。ただ、大きなチャンスを何度も手にしたにもかかわらず決めきれなかったのは痛い。決めさせなかったのは選手たちかもしれないし、スタジアムかもしれない。

ということで高速レビューチャレンジでした。記録はゲーム終了から20分といったところでしょうか。今後このチャレンジをやる時は、レビュー自体の質も高めていきたいところです。







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