櫻坂46「2nd TOUR 2022“As you know?”」がただただ最高に楽しかった話。

櫻坂46「2nd TOUR 2022“As you know?”」12公演が無事すべて終わりましたので、その話を書きます。

前回、前々回の流れを踏襲するのであればココは2年目の櫻坂46のことをずらずらと書くことになるでしょうが、とはいえそのためにはきたる「2nd YEAR ANNIVERSARY ~Buddies感謝祭〜」を待たねばなりません(そのイベント名はなんなんだよ)。

前回のnoteを読み返した際に感じた事として、全体の流れを書くのが楽しくなってしまい個々の細かい話をほとんどしないという、まぁ自分が何をするにしてもありがちな現象がここでも起きてしまったなというのがあります(もちろん、時期が空いているから細部の記憶が曖昧になっているのも大きな要因ですが)。

それを今年のライブツアーについてもそのような形で消化してしまうのはいかがなものか……と思ったので、先にこちらの話を単独で書いておこうという判断に至りました。櫻坂46 「2nd TOUR 2022“As you know?”」を「私はこう見ました・思いました」。やっていきましょう。

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まずはあらましから。

・大阪 9/29(木) 9/30(金)
  丸善インテックアリーナ
・広島 10/5(水) 10/6(木)
  広島サンプラザホール
・宮城 10/15(土) 10/16(日) 
  セキスイハイムスーパーアリーナ
・名古屋 10/21(金) 10/22(土)
  日本ガイシホール
・福岡 10/25(火) 10/26(水)
  西日本総合展示場 新館
・東京 11/8(火) 11/9(水)
  東京ドーム

今年のツアー日程は上記のとおり、全6都市12公演。発表時、東京公演の会場を見ておそらく全てのオタクがあーこれは……と何かを察したのではなかろうか。グループの現状を考えれば、何もなしにその会場を「今」このタイミングで使うとは考えにくい。そしてその答え合わせはすぐに行われました。

「菅井友香 卒業のお知らせ」

なるほど。いや、現実問題として1期生は全員カウントダウンが始まっているであろうことは薄々感じていましたし、実際、「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」以降に開催されたすべてのライブが誰かしらの卒業と絡んでいましたから、まぁそういうのはあるよなと。しかし、とはいえこのタイミングで菅井友香なのか。何となく、彼女は1期生の最後の1人になるまでいるだろうと思っていた(いや、単にいてほしいと思っていただけですけども)。でも、そうではありませんでした。

こうして今年のライブツアーは、つい先日発売された同名の1stアルバム「As you know?」を引っさげた、櫻坂46の「今」を存分に披露するツアーであると同時に、キャプテン菅井友香にグループに対する確信の安心感をもって卒業してもらわねばならないツアーであり、アイドル菅井友香の最後の思い出づくり、そしてアイドル菅井友香との最後の思い出作りという、多重な意味合いを持つライブツアーになりました。

となればこれはできる限りすべての公演を観ておきたい。チケットは全公演分なんなく手に入ったので(嬉しい面と寂しい面がありますねコレ)、有給休暇をぶっ放して全12公演を観てまいりました。

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、という前置きはこれくらいにして、ここから「で、どうだったのよ?」という話に移ります。早々に全体的な結論から書いてしまうと、まーーーーーじで最高でした。いや、まーーーーーーーーーーーじで最高だったんです本当に。

事前にメンバーがブログなどでやたらとハードルを上げてきたもんだから(珍しい)いやいやどうなのよとソワソワしていたのですが、なるほど言うだけはある。期待をはるかに超えるあまりに質の高い楽しいライブだったと思います。今回のステージングはもはや逆に今後を心配してしまうレベル、今まで(欅坂時代も含めて)とは桁違いの作り込みがされていたように思います。メンバーのパフォーマンスもそれに一切引けを取らない力強さで、その相乗効果はまさに圧巻。何回観ても変わらず興奮できるし、むしろ体感時間は回を増すごとにどんどん短くなるばかり。全部行こうと決めてから会社にやや無理を通すことにはなりましたが、そんなのはもうどうでも良いくらい。本当に良いライブでした。

ところで、ツアー最終公演を東京ドームで行うといえば「欅坂46 夏の全国アリーナツアー2019」を思い出します。あのときは地方公演の内容と東京ドーム公演の内容が完全に別物でした。今回は菅井友香卒業セレモニーが絡むアンコール部分こそごっそりと変わりましたが、それ以外の部分はほぼそのままの形。もちろん、東京ドーム用に調整が入った演出はいくつかありましたが(大きな移動するステージを設けたり、花道を往復するのみだった箇所を外周トロッコに変更したり)、セットリストや基本的なステージングはすべてそのまんまで貫かれました。

本当に良い判断をしてくれたと思いました。

それは今回のライブが、地方公演の言ってしまえばわりとコンパクトな会場であったとしても、東京ドームというばかデカい会場であったとしても、問題なく通用するだろうという自信の表れでしょう。実際、物足りなさを感じることは一切なかった(……んーいや、さすがに嘘か。演出については間延びしていた感がややあります。広島が最高)。とはいえ、どうせ映像化は千秋楽のみでしょうから、東京ドーム公演をそのままの形でやってくれたのは本当に良かったです。

(それに、最後の最後で構成ががらりと変わって、メインパートから「菅井友香卒業ライブ」という色が濃い形になるとしたら、そういう形でこのライブツアーが終わるとしたら、それは菅井友香本人が良い思いをしないでしょうからね。)

閑話休題。細部の話をしていきます。

まずは今回のツアーにおける演出の目玉である「光」について。派手で楽しいのは言わずもがなですが、とにかく見せ方が上手いし、演出に対する力の入れようも尋常じゃないと思いました。

まず、ステージの床にビニールのような素材を敷いて光を反射させているのが良いです。ブレードランナー的な映画で地面が雨で濡れがちなのと同じ話。それだけで視覚的な情報量が倍増し、派手に見えます。衣装についても、一部にテカる素材を用いたりビーズを埋め込んだりなど、要所要所でそういった効果を発揮する作りをしているものがあったように思います。

黒の衣装に紫ピンクのリムライトというのは最高。大好きです。

また、曲終わりの暗転の仕方、タイミングなどが毎公演のように調整され、ブラッシュアップされていったのも素晴らしいです。これは最序盤、ペンライト禁止ゾーンで顕著でしたが、それだけスタッフが力を入れてこのライブを作り込んでくれているんだなと感じられてとても気持ちが良かった。自分はライブが何よりも!!の人間なので、運営がそれにガッツリとリソースを割いてくれているというのは本当に嬉しい限りです。

そんな具合に光の演出がバチバチにキマっている今回のライブなのですが、本編を〆るに至る一連の流れ、演出、光の使い方もそれはもうめちゃくちゃカッコ良かったです。

最後の曲『摩擦係数』が始まるにあたり、今までのギラギラな演出が一旦すべて消えて、頭上の照明が白く点灯するのみになる。メンバーたちの堂々たるパフォーマンスがここにきて一切の味付け無しで披露されるのです。そしてそれを味わっているのもつかの間、Cメロ前からラスサビにかけて、息をひそめていた演出の数々が徐々に復活。ダンスパフォーマンスとの相乗効果で会場のボルテージは最高潮。そして、アウトロが終わるとともに爆音。すべての光が消えて終幕。

いーーーーや、この演出です。もともと全体が短い楽曲ではありますが、それにしたってこんな濃度で披露されたらもう一瞬の出来事にしか感じられない。緩急の付け方、パフォーマンスの見せ方、ライブの締め方。もうあまりに最高すぎて、何回観ても終わった後の拍手が止まらなかった。

続いてステージ(舞台)の作り方について。

こちらは非常にシンプルで、メインステージとその中央から延びる花道が一本あるだけでした。東京ドームでは花道の先にサブステージが設けられましたが、ほぼ使っていなかったと思います(『Nobody's fault』と『その日まで』だけだったかな)。今回は「光」の演出がメインということでステージ作りは無難にしたんだと思います……が、これにもまた使い方に捻りがあって上手いなと思いました。

というのも、花道のサイドにレールが敷いてあり、その上で台車を動かせるようにしてあったのです。こういう花道と台車の使い方は初めて見ましたが、なんというか盲点でした。コレ、めちゃくちゃ画期的ですね。

今回のようにメインステージを基本とした演出を重視する場合、その中央から延びる一直線の花道を用いたパフォーマンスというのは意図を込めやすいでしょうし、見栄えも良くなりやすいでしょう。しかし、そこに普通の花道しかなかったら?当たり前ですが、メンバーは自分の足で移動するしかありません。

そこでレール付き花道の登場です。必要とあらば台車を転がし、メンバーはその上でパフォーマンスに専念できる。もうそこでなんでも出来てしまうようになるわけです。今回、初っ端セトリ1曲目の間奏から台車の上でピアノをかき鳴らしてましたからね。あの演出のインパクトだけで掴みはもうばっちりだったと思います。

そして掴みの話で言えばやはり、最序盤のペンライト禁止ゾーンに触れなくてはなりません。

・条件反射で泣けてくる
・BAN
・Dead end
・断絶
・流れ弾

フェスのセトリか?
いや、まず、このラインナップを初っ端に連続でぶっ込んでも最後の最後までセトリがやせ細らない、という持ち曲の厚さがスゴい。1年前、曲数が足りなくてどうにかこうにかやりくりしていたのが噓のようです。また、5曲(しかも最後が『流れ弾』)出っぱなしメンバーの力強さにも驚くばかり。そして肝心の内容についての評価も文句無しです。ペンライト禁止を謡うだけあって演出はばちくそカッコよくキメているし、選曲も腕を上げてオイオイやったり体を揺らしたり、といった楽しみ方に適したモノでしっかり揃えてある。まずはコレを見ろ!!と言わんばかりの力強いスタートダッシュでした。最高です。

※『Dead end』森田ひかるはR18で良いと思います、はい。

加えて「音」についても記しておきましょう。
今回、どの会場も音がかなり強かったように思います。言語化できないのでいきなりボキャ貧になりますが、なんというかめっちゃずんずん来ました。楽しい。ココまでだらだらと良かった点を書いてきましたが、そもそもライブってのはでけぇ音を全身で浴びれればその時点で一定値満足して帰れますからね。逆に言えばそれだけ音は重要ってこと。そして、今回のライブは音が強かった。感謝です。嬉しい。

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ここまで「光」の話、ステージの話、ペンライト禁止パートの話、「音」の話と並べてきましたが、続いて、ライブの演出意図の話に移りたいと思います。

最初に書いたようにあくまで「私はこう見ました・思いました」という話ですし、公式側から言及があったわけでも無いから妄想100%ではあるのですが、なんというか今回のライブ、めえええええええええちゃくちゃ欅坂46と「今」の櫻坂46の差異・変化を描いていたように感じました。こじつけを多分に含んではおりますが、まぁ聞いてください。

まずシンプルな話、今回の演出はセルフオマージュとして捉えられる箇所が非常に多いと感じました。そしてそれらの使われ方が面白い。いくつか例を紹介します。

一つ目。センター山﨑天によるピアノ演奏は、セトリ1曲目『条件反射で泣けてくる』という、ノスタルジックさを醸す楽曲にて用いられた演出です。ピアノの上に乗っかってダンスをすることで既成概念への抵抗・破壊を目論んだ「あの頃」と、決められた枠組みの中で地に足をつける「今」という変化、もしくは対比構造。楽曲の内容的にもそういう見方をするのはあまり違和感が無いように思います。

二つ目。『断絶』前に挿入される「扉」を用いた演出は、かつて『エキセントリック』という楽曲でも多用されました。『エキセントリック』は平たい言い方をすれば、開き直って個に籠る「僕」を描く楽曲。とても閉鎖的です(それが悪いとはべつに思いませんが)。一方で『断絶』の主人公である「僕」は(やや主張が強すぎて歪んでいますし、結局上手くはいっていないようですが)他者と関わろうという積極性を見せる。なんと言いますか、フェーズが変わったような印象を受けます。

三つ目。大園玲が「読書」をしているうちに、背景が都会の煌びやかな夜景から緑に変化していく、という演出。露骨に『もう森へ帰ろうか』を意識しているように思いました。でも、もう森には帰らない。

その他、時計、タイマー、聞き覚えのあるSEなど……こういう諸々を踏まえると、最早自分の目には『Nobody's fault』のラスサビ前、森田ひかるが花道を一人歩いていく演出に「欅坂46 夏の全国アリーナツアー2018」千葉公演2日目のアレが重なってしまう(奇しくも同じ2ndツアーですし)。そして今、森田ひかるは、櫻坂46は、『Nobody's fault』の手綱をしっかりと握っているのです。

加えて、さらに話を広げると、そもそもなぜ今回の演出の目玉が「光」なのか。もう、ここから差異・変化の表現が始まっているのでは?とも思ったりします。

「2nd TOUR 2022“As you know?”」は、その同名アルバム「As you know?」を引っさげたライブツアー。そして、欅坂46時代にも同じことを1stツアーでやっています。「欅坂46 全国ツアー2017 真っ白なものは汚したくなる」ですね。まだ何色にも染まっていない白いキャンパス(=グループ)に絵具を塗りたくり、汚していく。絵具は重ねるたびにどんどん色が黒くなっていきます。一方で「光」はどうでしょう。こちらは反対に、重ねれば重ねるほどに白くなる。そして櫻坂46のグループカラーはご存じの通り「白」。

おお、なるほど?

改名直後、「白」の意味付けはやはり、何色にも染まっていない「白」だったと思います。そこから1年活動し、こうして迎えた2年目のツアー。そのツアーの軸が「光」。これはもう、グループカラーの意味合いの更新なのではなかろうか。すべてを包括するという意味での「白」。これからもどんどん色々なことをやっていくぞという意思表示。そういうメッセージなんじゃなかなと思いました。(※『Nobody's fault』のステージ演出にカラーバーが用いられていたのもポイントのように思います。)

このライブ、咀嚼が楽しすぎて最高です。

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最後にセットリストを振り返りながら軽く一曲ずつ書いてみます。

>>Opening
最初からとてもカッコ良い。四天王(森田、山﨑、藤吉、田村)を登壇させるにあたり、早速レール付き花道が活用されます。とても良いです。

>>『条件反射で泣けてくる』
まず、Opening終わりからの曲の入り方が気持ち良いですよね「Let's the show begin.」。振り付けとしては2番Bメロ「ピーコックで買い物して~」のあたりがとてもキャッチ―で楽しい。前述しました山﨑天によるピアノパートは、ステージ後方から戻る際に毎公演、色々な表情を見せてくれたのも素晴らしいです。どれもとても絵になっておりました。

>>『BAN』
ここからアッパーチューンが続きますが、二曲目から、というのがセトリの構成として好みです。初手からやられると心持ちが切り替わっていなくて消化不良になりがちですからね(いきなり『BAN』から始まった「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」はそこが勿体なかったように思います)。最序盤なので体力温存気味に……なんてことは微塵も無さげなパフォーマンスを見せてくれるのが毎回すげーってなりました。
なお、東京ドームでは場所を変えて、アリーナ席中央付近、左右に移動するステージ上での披露になりましたが、あれをやるならメインステージでの爆発演出は微妙だと感じました。距離が離れているのでどうしても音が聞こえるタイミングはズレてしまうし、シンプルに視線がごちゃごちゃになり、とっちらかる。

>>『Dead end』
玉座でこちらを見下ろす森田ひかる、えっっっろ。なんなんまじ。一方、推しメン増本綺良は、カッコよくキメる立ち振る舞いの必死さとギコチナサがとても可愛くて良いです。
サビ前に入る煽りについて。坂道現場の客層は全体的にあまりに大人しすぎるので、井上梨名がサビ前で「手を挙げろ」と煽りを入れてくれるようになったのはとても有難いです。確かこれ、ツアーの途中からですよね。後ろの演出についても回を増すごとにどんどん派手になっていったのが楽しかったです。ライブ映え……!

>>『断絶』
櫻エイト曲。曲は好みだしパフォはかっけえし演出も洒落てるしでたまらんです。後ろでじゃかじゃか鳴ってるアコースティックな音が大好きなので、ラスサビ前の間奏でダンス・音・演出を存分に浴びれるのが最高。
最後、〆る演出についてはツアー通して色々模索されていたように思いますが、曲自体がスッと終わるタイプなので、やはりそれに合わせてスッと消えるものが最も良い印象を受けました。

>>『流れ弾』
洒落た演出から一転、バッチバチの光を携えて披露する『流れ弾』。勢いでゴリ押すタイプの曲だと思っているので、こういうのでいい。こういうのがいい。連続5曲目だというのに力強さが尋常でないのがスゴイです。台詞パート、特に2番の小池・藤吉の流れは毎公演の差異がめちゃくちゃ見ごたえありました。

>>MC →『タイムマシーンでYeah!』
挨拶・MCから、アルバム新規楽曲を3連続。自分、この曲そのもの自体は全然好みの範囲外なんですが、とはいえ、このタイミングで遂に来た1期生曲という物語性が乗るので、流石におおおおおおとなります。東京ドームではウェーブなんかやっちゃって。メンバーの楽しそう具合でエモさがヤバいです(語彙力ね)。
あと、特筆すべきはやはり衣装について。全員それぞれめぇちゃくちゃ良くて、中でも小池・上村の二次元感がやばかわいかった。そんな上村ですが、お嬢が卒業した今、グループ最年長のポジションになってるのがなんか面白いです。

>>『One-way stairs』
森田・藤吉デュエットのかっけえ曲。なんでもできる。なんなんだまじ。台詞っぽいパートが点在しているからというのもありますが、歌唱の被せが全体的に少なかった印象。良いです。
そういえば福岡の1日目だったかな、5曲目『流れ弾』で藤吉夏鈴の熱の入りようが半端じゃなく、それの影響かは分からないけど最初のMCの時にステージ上にいなくて、この曲が普通に2人で始まったときにとても安心したのを覚えています。

>>『ずっと 春だったらなあ』
田村・井上・大園の3人曲。なんというか、この3人なのが絶妙に良いですよね。言語化できないですけども。ツアー後半になるにつれ、終わりが見えてくるにつれ、歌詞の内容に現実味が出てくるといいますか、どんどんぐさぐさ刺さるようになりました。
反復するフレーズが多くて一生続けられそうな曲なのに、締めはめちゃくちゃはっきり終わらせているのが好きなのですが(こういう構成、歌詞に合っていて良いです)、それに合わせた演出(花びらを宙に散らして照明をスッと落とす)がなされていて素敵でした。

>>『制服の人魚』
森田・山﨑・武元・守屋の4人曲。「W-KEYAKI FES.2022」1日目、制服衣装で披露されたときにはただのエロ曲じゃねえかとガッツポーズをしたものですが、今回は落ち着いた衣装で……まぁとはいえエロ曲であることは変わりなかったですね。トロッコが動いてくれるから、メンバーはその上でパフォーマンスに専念できる。とても良いですよ。

>>『五月雨よ』
良い意味で「水」のようだなぁ、というのがこの曲の印象。つまり、当たり障りが無く、棘が無く、ノイズが無い。もちろんそういう曲ばかりじゃあ退屈みが出るでしょうが、とはいえこういう曲はあると良い(全体的に主張強めな曲が多いのでなおさら)。ラスサビ、メンバーがお互いに目を合わせながら楽しそうにパフォーマンスしている様子を見て、毎回とてもほっこりしました。
全体曲(ユニット曲じゃない、という意味で)は纏まったフォーメーションで披露されるものが多いですが、この曲では高低差も付けてステージ全体に広がっていたのが印象的。地方公演ではステージ横のスタンド席が超神席になっていましたね。

>>『なぜ 恋をしてこなかったんだろう』
『五月雨よ』ラストで多幸感に包まれた矢先、賑やかでアップテンポなイントロから『なぜ 恋をしてこなかったんだろう』が始まるというこの振れ幅、いやぁ楽しいです。
補正がかかっているのは言うまでもないでしょうが、この曲およびその2曲後『I'm in』の増本綺良は必見です。櫻坂1年目の彼女は正直、全体的に緊張が表に出ているなと感じることが少なくなかったですが、今年のツアーでは一転してとてものびのびとしたパフォーマンスを見せてくれることが多くなりました。全身で曲に乗っかり楽しんでいる感が最高です。
(東京ドームで追加された、藤吉夏鈴がワイヤーで飛ぶ演出については全くピンときませんでした。)

>>『Nobody's Fault』
地方公演ではメインステージ、東京ドーム公演ではサブステージでの披露でしたが、演出という意味では地方公演の方が全然良かったように思います。地方公演では毎回にやけが止まらなかったラスサビにかけて森田が一人歩く演出も、ばかでかい東京ドームでは最終的に着いて踊る位置がなんとも中途半端になってしまい、うーんイマイチ。
とはいえ、森田ひかる本人のパフォーマンス自体はどの公演も素晴らしかったです。場を完全に掌握していました。貫禄あるゆったりとした歩きから始まり、それと対照的に映る中央での激しいダンス、そして威風堂々とした戻るさま!!ステージに上がる階段でこちらを1回振り向くところも最高です。その際の表情で見せる表現も幅が広く、毎公演、存分に差異を楽しむことができました。

>>『I'm in』
4thシングルのバックスメンバー曲。楽しい曲調とは裏腹に歌詞の内容にはだいぶ強いエグみがあり、それを意識しながら見る、楽しさ全開のパフォーマンスからは彼女たちの底力が強く感じられます。今でも十二分に楽しい曲ですが、いずれ声出しが解禁されたらさらにライブ映えすると思います。

>>『Buddies』
「なぜ この曲を全員曲にしないんだろう」3rdシングルが出たあたりからずっと言ってます。しかも今回のセトリではこのあとMCですから、準備云々の理由も無いはず。うーむ。
今回のツアーではラスサビ前の山﨑天演説パートが無く、まぁ毎回内容を変えて話すのは大変だしな~と思っていたら、東京ドームでは菅井お嬢のお言葉が挿入されました。ツアー中に自分のことはほぼ表に出してこなかっただけに、最後の最後でこういう演出が入るとうるっときちゃいます。

>>MC → DANCE TRACK
これだけやってようやくMC。良いです。
MC明けから始まる、ココまでの楽曲を振り返るようなDANCE TRACKも最高の一言。ああいうアレンジ、マジで気持ち良いですよね(ボキャ貧)。

>>『車間距離』
Bメロまでがピークでサビで一気に減速する曲、という印象はライブで何回聞いても変わりませんでしたが、2層構造のトロッコを用いた演出は見栄えが良くてとてもイイカンジ。あと、この曲の増本綺良はもはや別人か?と思うくらい美少女になります(普段とはベクトルの違う可愛さとして映るという意味)。良いです。

>>『恋が絶滅する日』
やーーーーこの曲はライブでめちゃくちゃ盛り上がりますね。楽しいったりゃありゃしない。終盤まで来ても疲れを感じさせないパフォーマンス、曲の調子良さ、賑やかなステージ演出、これらすべてのおかげで、Cメロ前間奏部分を反復させる演出がばちくそキマります。一生続けばいいのに!!
自分はアルファベットを単なるカッコいい模様として認識している節が多分にありますから、背景で歌詞の英訳が勢いよく流れていく演出もグッドです。

>>『摩擦係数』
あらかた上の方で書きましたのでこちらでは追記程度に。派手で賑やかな『恋が絶滅する日』からの、無機質で冷たい立ち上がりの『摩擦係数』という流れがイイですよね。とても際立ちます。
いちおう少しアレな話もしておくと、ダンスパフォーマンスについては完全に正面から見る前提の構成なので、今回のステージ・客席の配置ではそれを十二分に堪能できる人はほんの一握りだったよなというのはあります。トハイエこういうのは欅坂の時から多々あった話なので全然ヨシ。いつかそういう視点で見られる機会があることを楽しみにしたいと思います。

>>『思ったよりも寂しくない』『美しきNervous』
地方公演、アンコールの1曲目。前者が1日目で後者が2日目。全員参加で、乱暴な言い方をしてしまえばレスばら撒きタイム。自分的にはそういうのにあまり興味がないので特に思うことも無ければ書きたいこともないんですが、メンバー・オタクみんな楽しそうなのでとても良いです。

>>『櫻坂の詩』
地方公演、最後の曲。東京ドームではやりませんでしたね。いつの日か、櫻坂46の力100%で東京ドームに立とうね、それまではお預けね、というメッセージだと自分は受け取りました。ついていきますよ!!

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東京ドーム公演、アンコール以降の話が残っていますが、コレについては色々とだらだら書きたい気持ちじゃないのでやめておきます。そのうち書きたくなったら書こうと思います。

(どこかで聞いたようなフレーズだな)

というわけで終わりです。「2nd TOUR 2022“As you know?”」ありがとうございました。そして、菅井友香さん卒業おめでとうございます。本当にありがとうございました。最後まで、最高でした……!!

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