X68 HDDデータ救出への長い旅:接触編
ことの始まり
少し前から、自分的にレトロPCブームが続いてまして、中学校の頃に使っていたパソコン PC-8001mk2 のイベントで集まったり、ゲーム遊んだりをしていたんですが、自分的に一番使っていたレトロPCは、大学生の時に使ってた X68000 シリーズでした。
とても思い入れのあるマシンだったので、最終的に使っていた X68030 はずっと手元に置いていたのですが、数年前、電源修理の際に内蔵しているHDDが起動しなくなっているのがわかってからは放置しまっていました。なんとかしたいと思っていたんですが、そのまま数年がすぎ、X68030 はオフィスの片隅でオブジェ化していたんですね。そうこうしているうちに、コロナ禍でテレワークになり、休日もあまり出かけたりする機会も減ってきていたので、お正月休みになんとかX68030 のHDDをサルベージに挑戦することに。
重い腰を上げたのは、手元に残っていると思っていた昔に作ったゲームのソースがそのHDDの中にしか残ってないと判明したことでした。これはできるうちになんとかしないといかんと思ったのですね。ただ、なんとかするといっても HDDはすでに起動しなくなっていたので、果たして本当になんとかできるのかどうか賭けでもあったんです。起動はしなくなっているけれど、データの読み出しはできるのではないかということに賭けたのです。
スタート地点
X68030以外、必要なハードウェアが一切ないところからスタートでした。
これからX68のHDDのサルベージに挑戦する方がどのくらいいらっしゃるか不明なのですが、ネット上の数々のサイトにはとても助けられたので、2021年段階の自分の経験も誰かの役に立つならばと思い、note に記録しておくことにしました。
X68030 の蓋を開ける
X68をご存知の方は知っていると思うのですが、本体が「マンハッタンシェイプ」という変な(カッコイイ)形をしてまして、まずパッとみただけでは、本体を開ける方法がわかりません(笑)
自分も学生時代に開けたりしたことはあったのですが、すっかり忘れてしまっていたので、Google先生に相談。
「X68000 分解」で検索すると、色々と出てきますが、写真も多く参考になったのはコチラの「芝浦技術研究所」のページです。」のページです。
https://shibaura-it.pgw.jp/x68000-xvi-分解/
解説は写真付きで丁寧なのですが、この「本体横の爪を押しながらずらす」というのが動くまでよくわからないので、ちょっと苦戦しました。
HDD の取り外し
本体横のカバーが外れれば、HDDの取り外しまで辿り着くのは難しくありませんでした。開けてみて気が付きましたが、通常の 3.5インチHDDではなくて、X68030 の内臓HDDは、SCSI 2.5 インチHDD といういささかレアなもの。「これはケーブルあるのかな…」という不安が頭をよぎりますが、心の中の棚にあげました。
HDDを接続するPCの準備
世の中のX68のHDDをサルベージされている方の記事を読むと、やはりマシンはWindowsが基本の様です。いろんなツールが使えることと、なんといってもSCSIインターフェイスを繋げないといけないので、PCIスロットがないMacでは無理なのでした。
下記の KUMA-TYPE さんのページは本当に参考になりました
http://blog.kumacchi.com/2016/02/07/7221
このためだけにWindowsマシンを調達するのも勿体無いので、会社で廃棄予定の古いPCを借りて進めることに。何にも知識がなかったため、業務で使用するPCと同様に、WindowsUpdateで Windows10の最新バージョンにしてしまったのですが、これが後ではまります。
SCSI インターフェイスをゲット
X68030 のHDDは、SCSIという既にレガシーとなってしまった規格でPCと接続します。幸いなことに、このSCSIという規格、昔は世界共通規格だったので、AT互換機やMac、9801などでも採用されていた規格。ただ、レガシーすぎてもうSCSIインターフェイスボードとか当然、売っていません。
しょうがないんで、ヤフオクでゲットすることに。
SCSI インターフェースボードと行ってもいろんな種類が出ていて、X68のHDDサルベージを行っている人のブログを参考にすると、AHA-2940というのがベストみたい。当時、定番商品だっただけに、ヤフオクに出品も多く、また価格にもばらつきがあって、500円〜5000円くらいの幅がありました。
出ている中から、適当に入札し、故障も考慮して2枚ほどゲットです!
Windows10でSCSIセットアップ
SCSIカードを入手できたので、セットアップするためケースをあげて愕然!なんと PCI スロットがない!なぜ!?PCIスロットは、VL Busの反省を受けて作られた共通企画じゃなかったのー??
調べるとPC互換機から離れているこの10数年の間に、元々の形状のPCIスロットは駆逐され、PCI Express という新しい規格に入れ替わってしまったぽい。
これまで会社でもビデオカードの増設くらいしかしなかったので、なくなっているとは思いもしませんでした。調べると、PCI Express は電気的にPCIと互換性があるようでシンプルなアダプタで対応できることを発見!
早速、Amazonで調べてオーダー。こういうニッチな部品もAmazonで買えるのは便利ですね。
届いたので、アダプタを刺し、その上に SCSIカードを刺す。
フルサイズなので、アダプタ分、高さが増えたせいでケースの蓋が閉まらなくなってしまったが一時的な利用だしまぁ、目を瞑ることに。
あと、ケース側の電源も古いタイプの形状のものがなかったので、SATAのコネクタから分配してくるものを購入して接続。
これで、SCSIボードを物理的に接続するところまで整った!
全部繋げるとこんな感じ!
現代の規格に対応するため、アダプターに繋ぎまくりですね…
「発動編」に続く
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