バビロン(仮)後半を振り返る

バビロン(仮)後半の振り返りです。
前半:https://note.com/torotaku_ks/n/naeae5eb9003b

ここから振り返ります↓

あれ、noteだと選択肢表示されないのかしら。まあいいや。


◆観念して目を閉じる or 石橋をかばう

後半への引きっぽくなった選択肢ですね。
「石橋をかばう」を選んだ時に会話してるのはフリオと千尋です。

黒い柱の爆発後、他人と会話が一切できなくなった中、
お互いに唯一話せる人間(の形をしている)に会ったので、
そのまま一緒に行動してます。
その間に概念鬼にも遭遇しているので、
石橋と主人公(=あなた)が囲まれているのを見つけても
助けには行きませんでした。
対抗手段もなくて危険なので、そのまま身を潜めておこうというのが
千尋の判断です。最悪、二人を見捨てる選択肢も彼の中にはありました。
フリオはそれに従ってます。

で、「石橋をかばう」ではなく「観念して目を閉じる」が選ばれた場合の
結果ですが、このようになります。

???「負傷している民間人を発見、緊急事態により出力を抑え未確認物体への威嚇狙撃を試みる」

「???」になってますが、2B40(佐微)の台詞となります。
もうこの時点で人間化しているので、
傍から見ればなんかよくわかんない独り言を言っている男です。

本気の攻撃ではなく、威嚇狙撃であることがこの時点でわかります。
また「民間人を発見」ではなく「負傷している民間人を発見」と
わざわざ言っているのもポイントとなります。理由は後述。

そして、すごくさらっと書いてますが
佐微はコンクリートの塊を持ち上げてます。
自然にそんなことすな。感覚バグる。

見た目の話ですが、骨格がしっかりしていて
なおかつ筋肉もがっしりついてる男性かな~という
大まかなイメージしかないです。

傷だらけなのは、戦場の前線で活躍していた名残を残そうかなーと。
とはいえ、その当時は遠距離で戦車とか敵軍の集まりを
ビームで殲滅する戦い方なので、意外と傷とかはつかなかったかも。
古傷のある男性は好きだけどね。

佐微が登場した時の選択肢「はい」or「いいえ」

ちなみにこの選択肢ですが、佐微も最初の石橋と同じ質問をしています。
ただ佐微自身の意図は、単純に救助の際に
意識があるかを訊いている程度の質問ですね。
なので、返答も「はい」か無回答かの二択しか想定していません。

Q:じゃあ「いいえ」って答えたらどうなるの?

???(2B40)「応答を確認。言語認識に異常なし。……再計算、否定の意見を返されたため異常あり。……再計算、応答を確認したため異常なし。……再計算、否定の意見を返されたため……」

A:無限ループします。


◆フリオ&千尋の登場

なんで二人が瓦礫の下からひょっこりと登場していたのかというと、
佐微がビームをぶっ放したからですね。
その結果、周りの建物も巻き込まれて崩れて、二人の上に
細かい瓦礫が降って埋まってしまった感じです。

千尋はそのまま佐微が立ち去るまでやり過ごすつもりでいましたが、
フリオはというと、見たことのない物に興味津々で
「もっかいやって~」とはしゃいでいます。
このへんから、犬感は割と出すつもりで書いてます。
というか、犬だと思って書いてます。

んで、ここでも攻撃命令をいったん受諾拒否してます。
機械の頃は、指示する人間がむやみに撃たせて誤射にならないよう、
セーフティロック的なものがかけられていたのがこの受諾拒否です。

人間になると、本当はセーフティロックなんかもなくなり
自由に自分の意志で撃てるはずなのですが、
機械だったころの習慣は、なかなかすぐには抜けないようです。
あるいは、心のどこかで「それはやってはいけないことだ」と
すでに思っていたのかもしれません。

さて、それで状況説明ですね。
主人公は既に石橋から説明を受けてるので、
今度は主人公が三人に教えてます。
聞き役になっているのは千尋です。
佐微は発言許可が必要だし、フリオは人間の言葉を覚えきれてないので
テンポを重視すると消去法的に彼になりますね。
千尋自身も、呑み込みは早い方です。

「言葉はわかるのに話が通じないヤツ」の台詞は
千尋がフリオのことを言っています。
前述の通り、千尋とフリオは登場前からすでに行動を共にしているので、
この一週間でのフリオの印象を総括的に言ってます。
まぁ、犬だからね。しかたないね。


◆千尋いじり選択肢 不良 or 外国人

金髪ピアスをしてるのは、結果の通りファッションです。
千尋が通っていた高校は校則がゆるく、むしろ運動会なんかで
チームカラーに髪染めたりとか普通にしてる学校。
ただ、千尋自身には若干似合ってません。
本人もそれを気にしているようで、せめて髪色だけでも
今度黒に戻そうかなとか考えたりしてます。

ちなみに「不良だ!!!!」を選ぶとこう↓

千尋「偏見! ……そんなにガラ悪く見えるか……?」
???(フリオ)「目立ってわかりやすいんだぞ!」
千尋「そこじゃねー!」


◆フリオいじり選択肢 なでる or "ごしゅじん"

千尋とは違い、フリオの髪は天然で白色です。
元々白い毛の犬なので、人間になった後の体毛も白になってます。
あと、触り心地のいい髪質です。飼い主がよく手入れしてた名残ですね。
フリオもなでられるのが好きなようです。

んで、この時点だと元々犬だったことは開示していないので、
ここで「ごしゅじん」とか言うと、なんかちょっと危険な香り。

選ばれなかった選択肢↓

千尋「何も訊くんじゃないぞ。俺も何も訊いてないから。首の輪っかも見えるけどあれはチョーカーだ、アクセサリーだ。絶対に訊くなよ」
フリオ「……?」

千尋ストップがかかります。
ちなみに、首輪をしてることも地味に教えてくれます。


◆2B40(佐微)の紹介

唯一いじり選択肢がないのは、千尋とフリオとで二連続選択肢を
使っているからです。
当初は千尋とフリオの前に紹介して、いじり選択肢も出す予定でした。
が、結局このシーンで再度フリオと千尋に紹介するのでカットしました。

ちなみにカットした選択肢は、前述した
「言葉がわかるか応答を求める(はい or いいえ)」
の選択肢として再編してます。


◆三人と博物館到着

千尋は一度学校の行事で「戦争の記憶」展に行ったことがあります。
とはいえ解説なんかを聞いても流して見る感じで、
あまり関心は持たなかったと思います。
「でっかい展示(2B40)があったなー」ぐらいしか覚えてないです。

んで、前半の時に2B40の記述がなかったことに気づいたのですが、
ここで一応千尋が言及するので、存在自体は教えてくれます。
今思うと、前半での2B40の言及はなくて正解だったかもしれません。

「ここに展示があったはず」よりも
「ここって何が置いてあったんだろう」の思考になったので、
後述する博物館探索がやりやすかった気がします。


◆ビーム運用について会話するシーン

いったん情報整理のシーンですね。
ひとまず概念鬼をビームで倒す運用ができないかを言及しています。
ただしこの時点での課題は三点あって、

・元々戦車を殲滅できる攻撃なので、出力を考えないと周囲に危険が及ぶ
・2B40自身が他人から命令/許可を受けないと撃つことができない
・2B40自身でも撃つ判断はできるが、概念鬼を倒すことまではできない

とまあ、ガチガチに
「2B40(佐微)が自己判断で概念鬼を倒さなければいけない」
状況に陥るフラグを丁寧に前振りしています。

改めて思ったのは、この時点の佐微とフリオって
マジで話進めさせてくれないんだなってことですね。
「めーめーって何なんだぞ?」「命令とは、上位の者から~」に限らず、
フリオのわかんない言葉を佐微が教えるループに入りかけるところでした。
これ、下手したら説明終わるの翌日になるよな……?
聞き役に千尋がいて本当によかったです。
彼にはMCの才能があるのかもしれません。

ちなみにA級機密情報だから喋れないって言ってますが、
人間になってるので本当はプロテクトもなく喋れます。
ただ、本人の性分として無闇に情報を喋ってはいけないとも
思っていそうですね。
まあ、この時点でのA級機密情報は当時の上官の名前程度なので、
あんまり気にしなくていいです。テストにも出ません。


◆食事シーン

朝、石橋と調達した食べ物をみんなで分けています。
じゃあなんで犬用ジャーキーがあるの? と思うかもしれませんが、
それは石橋がここを拠点にするときに、まず博物館の売店の片っ端から
食べれそうなものを買ったやつの残りです。
ひもじくなったら食べる気だったのかもしれません。

ジャーキーは犬時代からフリオの好物です。
ただ、人間になった影響で味覚も人間になってしまったので、
当時は好んで食べていたものが美味しく感じなくなっています。
嗅覚・聴覚もまだ強い方ですが、それでも犬の時よりは
若干性能が劣っています。
逆に視力は上がってますね。犬は視力がそもそも低いらしいので。

で、代わりにおにぎりを食べてます。
飼い主に食べさせてもらったことがあるみたいですね。

ちなみに、佐微が口におにぎり突っ込まれた時なのですが。

【翻訳】
2B40「この状況について指示を求める」
千尋「喋るならよく噛んでから飲み込め」
2B40「了解した」

ちゃんと訳すとこうなります。
なので、そのあとの台詞で「先ほど指示をくれた」の流れになりました。
真顔でおにぎり頬張りながら指示求める絵面を想像するとなんかウケる。

そしておにぎりおいしいダンスを「踊る」or「踊る」の選択肢↓

どうせ踊るので分岐も何もないですが、よくわからないまま踊ると
千尋が「なんでよくわかってないのに踊るんだ……?」と聞いてきます。

「石橋はどうする?」or「自分はどうすれば?」の選択肢↓

この選択肢ですが「自分はどうすれば?」を選んでも

千尋「石橋さんを見ててくれないか? さすがに怪我人を置いていくわけにもいかないし、お前もちょっと怪我してるだろ」

こんな感じで誘導してくれます。この選択肢を選ぶとちょっとだけ
「あなた」寄りの回答を返してくれますね。

次は票入らなかった選択肢↓

「許可」or「命令」①
投票時間を短くしすぎたかも。
この時点で選択肢が多くテンポを悪くしてたので、投票を短めにして
早めに切り上げようとしたのですが、選択肢がわかりにくかった……

投票時間は状況を見ながら設定しているのですが、後のことを考えず
序盤で長めの時間にしてたのも悪かったかもしれないですね。

そもそも今回のテーマなので、こいつは長めに設定しとくべきだった。


◆博物館探索:「あなた」パート

同票になったのでどっちにするか迷ったのですが、
どういう展示があるのか説明した方がいいかなと思い
取る方にした気がします。
2B40の展示がある場所にも誘導しやすいので。

そういえば、石橋のほっぺたをつついてる時
見た目が少年って言ってますね……すいません、実は成人です。
当初の設定は少年だったのですが、少年の割に言動が大人びすぎているので
成人に変更しています。
元々そのへんの設定があやふやで、プロット時点では決まってなかったのが
表記ミスを招いてました。

というか、プロット時点で書いてた表記がこれ↓

石橋をつつく:「う~ん……」まだ眠りから戻らないようだ。
石橋が視界に入る範囲内で展示を見てみるか……

元々「石橋をつつく」行動は選択肢で選ばせる予定で、
その影響もあってか表記があっさりしていました。
なのですが、今まで石橋が何かとちくちく言葉を投げてくる奴だったので、
もうちょっと見た目とか掘り下げようとしたらこのザマですね。
とりあえず、童顔の成人ってことにしてください。

それで、2B40の展示の説明書きを読むシーンに戻りますが、
ここで一応「2B40って結局何なの?」の説明をしています。
元々博物館で展示されていた動かない機械が、なぜか人間になって
動き出していることの表記にもなれたら、と思って書きましたが、
一体どのぐらいの人に伝わっているのか……
まだ表現とか書き方を模索している途中なのが自分でもわかります。

一応ダメ押しとして、千尋の視点で
「2B40(佐微)が鏡に映ると機械の見た目をしている」
ことは説明してますが、どうなんだろ。
一応後でこのあたりは書くので、そこでも振り返ります。


◆博物館探索:三人パート

石橋の辞書を使って、今後「身から出た錆」という諺が
キーワードになることを教えています。
その流れで「戦争の記憶展」の展示のひとつでもある
「戦没者の石碑」を佐微に見てもらいました。

この石碑は、戦争で命を奪われた人々全員ではなく、あくまで
「遺体があり、なおかつ身元が判明している人」のみの名前が
刻まれているので、そうでなければ当然ながら入っていません。

「カゲヤマユウゴ」が何者かについては、後述の没シーンにて
ざっくり説明します。
本来は本編でも入れる予定だったのですが、主に回想シーンになり
話の流れを切ってしまうな~と思ってカットしました。
後に語ることもなさそうなので、没シーンとしてツイートしてます。

そして、千尋が佐微を問い詰めるシーンです。
「命令ってなんだよ?」から始まり、
「自分のことを鏡で見たことがないのか?」までに繋げられたら
いいかなと思って、プロットよりも多めに会話を足しました。

で、ちょうどよく鏡がありますね。
鏡とは言いつつ、正確には「鏡面加工された壁の展示」です。
博物館・美術館に常設してある、芸術家が作った
オブジェの一種と思ってください。

そこで千尋の視点から見ると、
「2B40(佐微)は機械の姿」「フリオは白い小型犬の姿」
が映るラーの鏡的な役目を担っております。

ただ、視点を変えると佐微・フリオは
「自分が人間の姿をしている」
ように見えるので、この鏡壁は正確には
「【自分以外の人間】が、肉眼で見ているものとは異なる姿に見える」
といった内容の展示となっております。ちょっとややこしいですね。

でもそうしないと、佐微は結局自分の姿が機械に見えちゃうので
殊更にややこしくなるんですよね……「やっぱワイ機械やん」って感じで。さすがにそこまでこじれたら、唯一の人間である千尋にもよくない。
まあ、ずっと人間だと思っていた人が、鏡だと人間に映らないのも
普通に怖いですけど。


◆博物館探索終わり、合流と情報共有

・声をかける:「2B40」or「フリオ」or「千尋」
この選択肢は、選んだ順に会話の順序が変わる程度の変化です。

千尋は、まだ自分の中で状況を整理している段階です。
軽くショックも受けているので、そっとしておくことしかできません。
佐微とフリオは、自分の本来の姿、そしてなぜか自分が人間になっている
ことを報告してくれます。

このあたりで長くなったので一旦執筆を中断させていただきましたが、
もうちょっと他にも中断するタイミングがあったような気がする……


◆夜になってから

どの選択肢を選んでも、最終的には2B40(佐微)には行きつきます。

ちなみに、フリオか千尋を選ぶとこうなります↓

〇フリオを選択
 床で丸まって眠っている。気持ちよさそうだ……

〇千尋を選択
 千尋「悪いな、だっせえところ見せちまって。……おやすみ」
 千尋は壁に寄りかかりながら座り、目を閉じた……

二人とも寝てます。
佐微だけは眠る習慣があまりないせいか起きていますね。
主人公(あなた)もなんだか寝付けなかったのかもしれません。

休息許可は特殊B級権限とありますが、これは機械時代では
当時の上官+同じ隊に所属している一部の兵士が持つ権限です。
そもそも上官よりも一般の兵卒の方が2B40と関わるので、
現場の状況によっては階級の低い兵士でも許可/命令を下せるように
設定されています。

こんなふうに、元からガチガチに自分の行動を拘束されているので、
このころの佐微にはまだ「自分の意志で行動する」ということが
いまいちピンと来ていません。

ここから佐微との会話の選択肢↓

「許可」or「命令」②
ここからちょっとだけ、選択肢によって話の展開が分岐します。
ここで結果が「許可」になると、次の選択肢までの会話がまるっと
「命令」にあたる部分が「許可」に置き換わります。

なので2B40の「命令とは、上位の者が~」の部分は
「許可とは、一般的に禁止されている行為を~」になります。
この「○○とは」の部分を擦ってるのを、概念鬼との戦いに
繋げるための前振りにするつもりだったのですが、
次の選択肢が違うやつ(後述)になってしまったので、あんまり
次の構成にうまく繋げられなかった……
この辺、もうちょっと効果的になるように練ればよかったです。

この選択肢もあまり効果的ではなかったかも……
これまでも結構流れとか見て選択肢を省略したりもしてたので、
ここも全然省略してよかった部分ですね……
どっち選んでもそんな変わらないし。

そしてこの辺から、佐微への説教が始まります↓

「それって~」の選択肢が二つありますが、その後の結果を
[自動選択]と書くだけでどっちの結果になったかは教えてません。
0票だったのでそんなに効果的でもなくなりましたが、これは単純に
「各個人で選択した方がそれぞれの結果になる」からです。
また、どっちを選ぼうと、多数決で結果が変わることはありません。

というのも、このシーンは主人公(あなた)の行動・発言の解釈が
人によって変わると思ったからです。

この後、主人公(あなた)は佐微へ責め立てるような言動をします。
ただ、主人公はあくまで読者自身であってほしいので、
主人公(あなた)と読者の間で感情の温度差があるのは
本意ではありません。

ただ、このあたりの発言は主人公(あなた)=読者が
どれだけ石橋に対して情が湧いたか、にもかかっていると思うので、
あまり湧かなかった人にとっては「なんでそんなに責め立てるんだろ」
と思われてしまう可能性もあるな~と思いました。

なので、このあたりで意識したのは、ここの主人公の言動が
石橋に情が湧いた人には「感情的に怒っている」ように見えて、
特に湧かなかった人には「客観的に叱っている」ように見える、
そんな描写にすることでした。

なので、描写はあえて「~ことを伝えた」に徹して、主人公(あなた)が
どんな気持ちでその発言をしたかは、読者に委ねようと思いました。

あなたはどちらだったでしょうか。
この時点で石橋に親しみを持ってもらうのが一番ではありますが、
人によっては好まれないキャラクターであることも勿論承知の上です。
好きなように解釈できていれば、私にとって何よりの幸いです。

そして、最後に言い放つ「命令」or「許可」③

ちなみにこの選択肢も、どっちが多くなろうが必ず[自動選択]と書くのみで
同じように「各々が選んだ方が正解となる」つもりで書いています。

ただし、この選択肢でどっちが多いかによって、今後の描写ががっつり
変化します。
今回は「許可」が選ばれましたが、「命令」を選択肢にした場合
それ以降の本文で「許可」を指す全描写が「命令」に置き換わります。

そして、主人公(あなた)が立ち去った後の佐微が何をしているのか
という話ですね。
これは、佐微なりに「自分はなぜ人を率先して助けられないのだろう。
どうやったら助けに動くことができるのだろう」を考えている時間
となります。

解決策の上位二つを端的に言うと

1:今まで通り人から許可をもらう(でもすぐには助けられない)
2:特定条件下になったら自分で許可(でもすぐには助けられない)

こんな感じですね。何の解決にもなっていない解決策です。

ちなみに三件目の結果出力を途中でやめてるのは、
佐微がスリープモードに入りかけだったからです。

このへんからちょっとずつ、佐微が自分なりに
「人間になった自分はどうあるべきか」
を模索していく描写が増えますね。


◆翌朝、民間人発見まで

いや千尋で話進ませるの、ごっつ楽だな……サクサク進みますね。
別に千尋を目立たせたいわけでもなかったんですけど、
相対的にフリオの台詞が減ってしまいました。ごめん、次は活躍させる。

辞書を佐微が持っていた理由は、メタ的に言えば今後の展開で
佐微だけ言語を失わない&錆びた刀を出せる状態を作るためですが、
昨夜に言われたことが自分の中で引っかかっていたのか、
自分で率先して辞書を引き受けていますね。
千尋が「まさか許可を求めてまで~」って言うほどですから、
この時点でもかなり大きな変化です。


◆概念を失った民間人と概念鬼

さて、このあたりも解説が必要ですね。

前半でも概念鬼の説明自体は石橋がしてましたが、この時に
「概念鬼から概念奪われたらどうなるの?」の具体例を出しています。
概念鬼の解説を前半の時にしなかったのは、この流れがあるからですね。

【きょうの概念鬼】
「自分が他人の行動を左右させる」または
「他人によって自分の行動が左右される」ことにあたる概念を奪う。

→該当の言葉:「命令」「許可」など

こんな感じで、特定の言葉を奪うというよりは
特定の意味を包含する言葉全体を使えなくなっています。
なので、命令・許可の概念の両方が無くなってます。

実は当初、何の概念鬼にするかも全然決めてなかったのですが、
どうせ佐微はこの回で指示待ち人間を卒業させるつもりだったので
「じゃあ許可(命令)を奪うやつにするか~」とあんまり深く考えずに
決めてます。

とりあえず今回は「なんか話噛み合わないな~、全然埒が明かないな~」
ぐらいで済んでますが、この辺練ったらもっと面白くなりそうでしたね。

ただあんまりやりすぎても重くなるし、ただでさえ民間人発見の時点で
時刻がてっぺんを超えてたので、今回はチュートリアルなども兼ねて
軽めにしておいてよかったです。

ここのプロットを細かく作るまで、まさか
「許可(命令)とは~」のくだりを再利用することになるとは
つゆほども思ってませんでしたね。
最初は普通に単なる「コイツずれてるな~」の感じを出すぐらいの
つもりだったのですが。

私が一番、何が伏線になってるか全然わかってない気がしてます。


◆戦闘シーン

2B40(佐微)は戦闘用に造られたので、攻撃への反応は三人の中で
一番早いです。
運用された戦闘機の中では古い型ですが、だからこそ性能も良く
壊れずに現存しているイメージがあります。

そんで、このあたりから佐微の独白を解禁してますね。
そんなに意識してたほどではなかったのですが、このあたりから
少しずつ佐微が人間らしく思考できるようになってたらな~と思ってます。


◆「私自身に許可する」

ちなみにここも選択肢によって、台詞が「私自身に命令する」になります。
そういえば「概念鬼が二体いた」についてなのですが、ここはまだ
概念鬼の設定があやふやになっている名残ですね。
決める前までは単純に「命令の概念鬼」「許可の概念鬼」がいる感じで、
「佐微のビームで最初にやられた方が、選ばれなかった選択肢の概念鬼」
に設定する予定だったのですが、普通に説明する時間もないので
単に概念鬼が二体いるだけのシーンになりましたね。

ただ「片方仕留め損ねた」の台詞はいかにも強者って感じがするので、
そのまま残してます。


◆錆びた刀が辞書から出てくるシーン

この錆びた刀は、斬った/刺した対象の傷口から錆を発生させる能力が
あります。
この錆に侵されると動きが鈍っていき、やがて朽ち果てることになります。
概念鬼が消滅したのは、その効果によるものです。

さて、佐微がまた独り言を言ってますが、これは佐微自身が
「機械から突然人間になったことに対する戸惑い・不安」を述べてます。
機械の時には辞書的な言葉の定義としてしか知らなかった「概念」を
実際に体感し、現在進行形で受け入れている段階にあることが
伝わっていてほしいなと思っています。

彼はまだまだ人間なりたての「ばぶちゃん」なので、ゆっくり人間らしさを
育てていきたいですね。


◆「急に会話のテンポ良くなったな?」

このへんから、深夜テンションでおかしな台詞が結構ありますね。
がっつりメタ台詞を言わせてます。
選択肢出さずにぶっ続けで執筆してたからか、変にハイになってます。

とはいえ、ここでやっと佐微が自分を人間として喋るようになったシーン
でもあるので、人間入門おめでとうの意味もちょっと込めてます。

「私を殴れ」は、かつて軍隊にいた頃の感覚で話してます。
今となっては暴力でアウトですが、戦時中はザラにあったでしょうね……
昔にあった価値観をアップデートしていくのも、佐微にとっては
これから必要になりそうです。


◆2B40→鈍島佐微になるまで

そもそも「鈍島佐微」の名前の方が先行で決まっていたので、
当て字となるように名付けたのが通称の「2B40(識別番号3B)」です。
でも佐微って漢字は一発で変換されてくれないので、2B40って打った方が
実は楽だったことに気づきました。
まあ、これからは辞書登録するようにします。

ちなみにこの「機械にちなんだ」or「識別番号」の選択肢も、
どっちにしろ「さび」の名前にはなるように誘導されます。
「機械にちなんだ」だと、佐微が自ら「錆がいい」と言ってくれます。
その後は、千尋の「せめて漢字は~」の流れになりますね。

そして、改めて「ナイストゥーミーチュー」な感じで締めて、
このなっがい本編後半の解説は以上となります。

でもな、もうちょっとだけ続くんじゃ。すまんな。


◆没シーン

ざっくり言うと、佐微と「カゲヤマユウゴ」の関係性の補足です。
伍長として戦場で肩を並べる~中尉として戦場に散るまでの過程を
簡単にまとめてます。

とはいえちゃんとシーンとして決めてたのは軍曹と中尉の時代だけで、
その間の階級時代のシーンはツイート用に補完しています。

戦場に散って大きな功績も遺したのに身元不明の遺体として処理され、
しかも逃亡したと思われたせいで二階級特進すら叶わなかったことが
伝わればと思います。

一応本編で、佐微が指示待ち人間を卒業するあたりなんかで
入れようかとも思ったのですが、回想になってるせいで
単純に物語の流れを切ってしまいそうだったのでカットしました。

今後の話に挙がる機会もなさそうなので、供養を兼ねて出してます。

ちなみに、2B40を口止めしてまでおこぼれをもらった大尉は、
大尉以降大きな成績も残してないので出世してません。
別に今後出す予定もないですが、苗字は日立(ひたち)といいます。


◆人物紹介:鈍島佐微

読み:にびしま さび
元となったことわざ:身から出た錆
外見:"がたい"のいい成人男性 所々細かい古傷がある
特徴:元機械 なんかすごいビーム出す

もともと自分がやっていた「#ことわざ二次創作」のうち、
「身から出た錆」を元にキャラクターを作っています。

名前は「錆」から、当て字でつけてます。
苗字の「鈍島」は、なんとなく「鈍色(にびいろ)」が
イメージカラーというか、彼から光沢のない鉄の塊を連想させたので
「にび」の語感を使いたくて設定しました。
機械の時の通称「2B40」は当て字です。


◆さいごに

これにて「バビロン(仮)」の解説・振り返りは終了です。
めっちゃ長くなってしまった……読んでくださりありがとうございます。
元々思い付きで始めた「#ことわざ二次創作」からストーリーを
練ったようなものですが、こんなに長い話を書いたのは久しぶりでした。

現実との兼ね合いもあり、思うように進めることもままならないことが
多いかとは思いますが、活発な時なんかは見守ってくださると助かります。

それでは、次回に続く~。

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