バビロン(仮)前半を振り返る

こちらでは以前リアルタイム執筆で書いた「バビロン(仮)」前半の解説と反省を書いてます。
普通にネタバレとなります。お気をつけて。

本文の頭:https://twitter.com/torotaku_KS/status/1653734022315675651?s=20

または #リアルタイム執筆 からご検索ください。


◆冒頭、黒い柱のニュース

とりあえず謎の黒い柱が出現してるよ~っていうのをニュース風に。
一応リアルタイム執筆の書き方としては、ざっくりプロットを書いて本番はアドリブと勢いで書いたりしていたのですが、ここのプロットは

黒い柱が各所で出現
原因不明、近づくなとテレビでは注意喚起

これだけです。しょっぱなから本番のことを全く考えていませんでした。
今思い起こしてみても文章がだいぶちぐはぐだし、普通に入れようと思っていた「念のため近づくな」が抜けているのも、私がだいぶ焦っていたことが伺えますね。ところでなんで本番最初からピンチなの? では次行きます。


◆思い出せない言葉を調べる 辞書 or スマホ

本文初選択肢。主軸の一つでもある
「人は言葉を忘れたときどうするか?」
をほのめかすつもりで書きました。プロットもほぼ同じです。

結果はスマホになりましたが、辞書を選ぶと
「スマホは充電が切れている」の文をすっ飛ばす仕様になっています。


◆黒い柱に近づく~爆発するまで

謎の声ですが、同じ言葉を繰り返してます。
とりあえず言語はあるけど、普通に聞くだけじゃ意味わからんな~みたいな表現です。全く意味のわからない外国語みたいな感覚で見てください。


◆絵文字だけのシーン

問題はここですね。
主人公(あなた)が言語を失ってしまったので、言語なしでどう説明したもんかと考えた結果、なんとか絵文字で何が起こっているか表現しようと試みてます。私は絵が描けないので。

さすがにここの解説ないのはどうかしてると思うので、
ざっくりどうなっているかを説明します。

爆発する
目を覚ましてあなたは愕然とする
建物が崩壊している
あなたは自分が言語を失っていることに気づく(概念はなくなってない)
黒い柱の周りに人(?)らしきものが集まっている
その人らしきものは一斉にあなたの方を振り向いた

選択肢:微笑みかける or 逃げる

あなたは逃げるを選択した
人の形をしていたものがどろりと溶けるように形を変え、見たことのない化け物になって襲い掛かってくる
あなたは逃げる、化け物は追いかける
ここで行き止まり

選択肢:死を覚悟する or 応戦する

あなたは応戦した
化け物たちは消滅した……?
頭上から、鳥の羽が一枚落ちてくる

あなたは気を失った
しばらくすると、誰か(石橋)の話し声が聞こえてきた
その誰かは、何かを話しながら辞書を差し出した

選択肢:触れる or 触れない

あなたは辞書に触れた
辞書から光が放たれる……

こんな感じのことが起こってました。ようわからんね。
私もあんまりよくわかってないです。

ちなみに、ここの選択肢もどっちを選んでも話の流れは変わりません。

人らしきものに微笑みかけると、そいつらもニッコリ顔を返してくれます。
ニッコリ顔のまま溶けます。
選択肢は「逃げる」が選ばれたので、不愛想なまま溶けます。

死を覚悟しても、化け物は勝手に消滅します。
通常通り羽も落ちてきます。

辞書に触れないでおくと、石橋があなたの手を優しく掴んで
ゆっくりと辞書にあてがってくれます。
結構この時点で喋ってますが、「大丈夫だよ~怖がらないで~」みたいな
感じのことを話してます。

選択肢がやたら多かったのでそこらへんを端折ったりはしましたが、
一応プロット通りとなります。


◆石橋登場

口悪いなコイツ。
私は口の悪いクソガキキャラが好きなので、ついついキツい物言いの子を出したくなるのですが、最初に遭遇するキャラが口の悪い人だと読んでくれてる人の心がシュンってなってないか心配です。
ごめんね。お詫びにあなたの脳内で、彼にソーラン節を踊らせます。

ちなみに「言葉がわかりますか?」に「はい」を返すとこう↓

石橋「よかった……どうやら間に合ったようですね。もう大丈夫ですよ」

こんな感じで、石橋の選択肢は真面目に答えると普通に返してくれます。

そういえば同票で割れてましたが、私はこの時まで同票の存在を忘れていました。ので、急遽オススメの選択肢を自分で選びました。

じゃあ石橋が口悪くなったの、私のせいやん。
ごめんなさい。お詫びにあなたの脳内で、私がソーラン節を踊ります。


◆博物館へ移動

「ついて炒った」の誤字のせいで、石橋炒めが爆誕。
一応執筆で誤字とかのミスは、発見次第に消して投稿し直すことにしてるんですが、ちょっとおもしろかったのでそのまま本文として採用してます。

「戦争の記憶」展は、戦争に使われた武器・戦車の一部・そのほか道具や記録などの諸々を展示し、戦争の記憶を風化させないようにしよう、的なコンセプトの展示だと思っていただければ大丈夫です。

ここでちょっとミスったのが、本来なら博物館に着いた時点で、ちゃんと2B40が置いてあることを言及するはずだったんですよね……

そこから
「あれ、さっきまであのでっかい展示(2B40)があったはずなのにどこに行ったんだろう……」

から、なんやかやあって
「展示と同じ名前の2B40を名乗る人間が現れた! もしかして、機械が人間になって動き出してる!?」

の思考に持ってくはずだったんですが、すっかり抜け落ちてました。

気づいたころには話がだいぶ進んでいたので、ここもこのままです。

そしてまた同票になったので口が悪くなる選択肢を選ぶ寿司。
(あなたは誰 or お前イズ誰)
といっても前述のとおり真面目な選択肢だと普通に返してしまうので、ここは個性を出す方を優先しました。どうせ後半から喋れなくなるからね

世界観の説明をしてくれるのは非常に便利です。
自分がパニックものを書こうとすると、どうしてもキャラが世界観を理解するまでに時間をかけてしまいがちなので、ありがたや。

とはいえ理解してもらえてるのかも不安なので一応説明すると、

・黒い柱が爆発して1週間が経っている
・黒い柱が爆発したせいで町の建物に被害が及んでいる
・黒い柱に近づきすぎると言語を理解できなくなる(言語喪失状態)
・言語喪失のせいでコミュニケーションが取れず町の復興もままならない

→言語喪失を戻す手段として、辞書が有効

このへんがわかってもらえれば大丈夫です。

ちなみになぜ復帰用アイテムが辞書なのかというのが、
次の選択肢(調べる or あの言葉なんだっけダンス)です。
「あの言葉、なんだっけ……」の集約を言語喪失状態としているので、同じく言葉の集約である辞書を使えばOKだよ、って感じで採用してます。


◆博物館の外へ、食料調達

あの「パリーン」は何だったのかという話なんですが、これは博物館に展示されているはずの2B40が動き出した音の予定でした。

前のプロットでは、元々2B40はガラス張りのショーケースに入っている予定だったのですが、「結構でかい展示なのにショーケースに入ってるのもったいなくね?」と、「これから拠点にする予定なのにガラス割れてるの、普通に危なくない?」の理由で変更しました。

博物館入館時に展示にすら言及してなかったのに、この音だけ残っているのもなんだか変ではあるのですが、これに関しては別の理由を持たせてあげてもよさそうかなと思って残してます。

今後言及するかもしれないし、しないかもしれない。
言及したら「よう使ったな」と思ってください。
全然しなかったら「コイツ丸投げしよったな」と思ってください。

コンビニでの選択肢について(スマホ or 払わなくてよくない?)ですが、
下の選択肢がわかりづらい日本語してたかなと思ってます。
「こんな崩壊した世界の中、お金を払ったところで損するだけに見えるけどな~」のニュアンスが伝わればと思ったのですが。
じっくり文章を見直せないと、こういうところに綻びが生じるのに気づけないものですね。

ちなみに「払わなくてよくない?」が選ばれるとこうなる↓

石橋「何言ってるんですか。こんな世界だから払うんですよ。それが人間の作り上げた営みであり「お金」っていう概念ですから。概念すら失ったら……きっと俺たち人間は二度と元には戻れません」

こういう導入で、概念鬼の説明に入ります。
珍しく、どっちを選んでも毒舌にならない選択肢でした。

そういえば、説明した後の「慎重に行動しなければなりません」の選択肢で
はい or いいえを選べますが、「いいえ」になるとこうなります↓

石橋「よし。では帰りましょう。もうあなたのスマホは見捨てます。

 ……

 ……はぁ……わかりました。家はここから近所なんですね? わからないことがあるんだったらもう一回説明しますから、とにかく慎重に行動してください。いいですね?」

こっちはちゃんと口が悪くなりますが、なんだかんだでちゃんとスマホ救出に付き合ってくれます。


◆自宅に戻り、スマホ救出~前半終了まで

このへんも、実はプロットがざっくりとしか書いてなかったのでほぼアドリブで生成してます。

化け物が近くにいるドキドキ感、見つかって逃げるときのハラハラ感が出せたらなーとは思うのですが。
というか、この時実際に自分でハラハラドキドキしながら書いてたのですが、まだちょっと表現力が足りないです。

ちなみにこのあたりのプロット全文↓

概念鬼は黒い柱の近くにいることが多いです。
できるだけ物音を立てずに、慎重に……

後は帰るだけ、しかしスマホから大きな音が鳴り響き……

しまった! 朝のアラームをセットしたままだった!
しかも5分ごとに鳴るやつ!

気づかれた! 走りますよ!

しかしガタガタした足場でつまづいてしまう
がれきが崩れ、自分に降りかかろうとする

それを石橋が助ける、頭から血が出ている
早く逃げて……気を失う

しかし時すでに多く、概念鬼たちが取り囲む

要点しか書いてなくてディテールがふわっとしてるので、ほんとにこのあたりはノリでした。



ここまで前半です。導入と世界観の説明だけだったのですが、ここまでで四時間ほどと案外時間がかかったので、残りは中後編へ~って感じになりました。

世界観説明するキャラを入れても四時間だったら、入れてなかったら本当にどのぐらいかかっていたんでしょうね。


それでは、「バビロン(仮)」後半の振り返りへ続く~

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