2020年2月巨人ドラフト指名戦略

巨人2020年ドラフト指名予想

2019年シーズンは原監督が見事優勝を復帰一年目で成し遂げた。チームのど真ん中を支える坂本勇人のセ・リーグの歴代ショートで初となる40本塁打を達成し、初のMVPを獲得。まさに坂本の年だった。また、坂本を2番に置き、3番丸、4番岡本の打順は他チームへの脅威になっていたであろう。
そして、菅野の安定感、山口俊の最多勝、岡本の2年連続30本塁打、移籍一年目の丸の額面通りの活躍、中川のポリバレントリリーフ、田口の復活、大竹の配置転換リリーフでの活躍、等があったことで成し得たものであろう。

しかし、内実をみると優勝チームという圧倒的な力を持ってしてのセ・リーグ制覇ではなかった。加えて、満を辞して出場した日本シリーズではソフトバンクに一勝もできず、惨敗をした。
さらに、2019年オフには最多勝山口俊のメジャー移籍、菅野の2020年オフにメジャーポスティング宣言を希望との報道もあった。長年チームを支えてきた阿部慎之助も遂に引退を決断。2019年シーズン中には上原も引退している。
よって、チームは大きく変わろうとしている。いや、変わらなければ、この先の栄光は無いと言っても過言では無い。

前置きが長くなったが、2019年シーズンの成績を見てみよう。
チーム順位　1位
打率　　　　2位
得点　　　　1位
安打　　　　2位
本塁打　　　1位
打点　　　　2位
盗塁　　　　2位
防御率　　　4位
失点　　　　3位

チーム成績を見ると、打が秀でているが、守の面では中の下だ。現状の課題はやはり投手陣である。

山口俊の流出に加え、2020年オフに菅野のメジャー挑戦が現実化した今、エース獲得が急務になっている。

その為、2019年ドラフトでは不安要素のある佐々木ではなく、ある程度完成されたスーパーな選手な奥川を指名した。
くじ運の悪さには愛想が尽きるが、エースを獲得しようとする意図が感じられ、攻めた点は評価しよう。
その後も1位、2位に将来性抜群な投手を立て続けに指名した。

それでもやはり直近の2021年、2022年の投手陣の柱を任せられる投手は数少ないのが事実である。

野手陣では坂本の後継者と由伸、阿部が抜け、亀井の高齢化による左の大砲が補強ポイントであろう。

上記より、野手補強よりWエースが抜ける投手補強を優先すると思われる。

今年もスーパーな選手で近未来の投手陣の軸を担える可能性のある大学生投手、高校生投手は存在する。

大学生投手では苫小牧駒大の伊藤、東海大の小郷、山崎の二枚看板、東洋大の村上、早稲田大の早川あたりが候補になってくるであろう。

高校生投手では明石商の中森、中京大中京の高橋、智弁和歌山の小林あたりが候補となる。

その中で、東海大系列派閥(原監督、GM、菅野等)の為、山崎もしくは小郷になるのではないだろうか。私は小郷だと思う。
もしくは2019年ドラフトで明治大の森下ではなく、星稜高の奥川を指名したように、大学生投手より、高校生投手の方がモノになりそうだということになれば、中森もしくは高橋を指名するのではないか。

仮に投手ではなく、あえての野手を希望する場合、左の大砲である近畿大の伊藤、坂本の後継になりうる中央大の牧、はたまた高校生野手の東海大相模の西川が候補になる。

上記の選手はどれも現段階での1位候補になるので、2位での獲得は難しいだろう。

原監督が現場復帰してきた2018年、2019年のドラフトでは次の監督候補である阿部慎之助への戦力補充として高校生の指名が多い。

また、将来性を重視したエース候補投手や素材型の大砲候補、坂本後継になりうる野手を指名している。
この2年間のドラフトの中から軸となる選手の台頭が望まれるが、2020年ドラフトでもドラフト1位以外はそのような傾向になると予想する。

ドラフト1位で即戦力投手を獲得できれば、2位以降にはまた素材型選手たちを指名するだろう。

2020年シーズンの見どころとして、ドラフト戦力が激変するような下記の若手の台頭を望む。
◯ドラフト1位組の大卒投手陣の高橋優、鍬原、桜井
◯セカンド不在問題に終家止符を付けるこれまたドラフト1位組の大卒野手の吉川尚
◯ドラフト6位高卒投手2年目の戸郷のローテーションで大活躍
◯育成1位から支配下になり、イチロー以来の高卒1年目にファーム首位打者を成し遂げ、一軍初ヒットを放った怒涛の一年を送った山下のレギュラー獲得
◯大卒3年目の野手でファーム打点王に輝いた北村も一軍帯同できるか注目

ただ、現状の投手陣から新エースが現れとようとも、ドラフト1位は大卒投手を指名すると予想する。

2020年、コロナがあり開幕が遅れ、五輪もある安定しないシーズンになりそうだが、最後は笑えるようなシーズンを迎えたい。