甘納豆を通してしたいこと
今日、とても嬉しいことがありました。
それは私が作った甘納豆で、とても喜んでもらえたこと。
そして、それがもっと多くの方々に広がっていく仕組みが見えたこと。
私の志。
“甘納豆づくりを通して、人と人、人と自然が調和した豊かな社会をつくること”
4年前、家業に入ったときは、正直甘納豆というものに自信が持てなかった。
原材料選びや、品質に納得できてなかったこともあるけど、まず私の考え方に、実は甘納豆なんてもうほとんど求められていないんじゃないか、という思いがあった。
他の、いわゆる斜陽産業と呼ばれる、市場が小さくなって行っている業界の人も同じような思いをしているかもしれない。
自信がなくて、けど売上はあげたい。
自社ブランドで販売したいけど、販路もない、販路開拓のつてもなかった私は、地元の手作り市に出ることにした。
出展料5000円。
甘納豆一袋150円。
自分の仕事にもいい価格がつけれず、試食を出すのもとても勇気がいた。
爪楊枝に刺した甘納豆を差し出す手が、なかなか伸びなかったのをとても覚えている。
アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような、心苦しい経験だった。
今日、この甘納豆がとても求められていることを知った。そして、より多くの人を豊かにできる技術である見通しが見えた。
今、地球にも人にも優しいお豆やお砂糖などの農家さんのことを伝える役割ができ、さらにもう数年したら、農家さん自身がやりがいという心の豊かさと、経済的な豊かさ、両方を手に入れる仕組みができるかもしれない。
そんな未来が浮かんだ。
多分それは実現する。
なぜならそれは私が望むことで、多くの人のためになることだから。
動機善なりや?私心なかりしか?
尊敬する経営者、京セラの稲盛会長は、ことを起こすにあたり、この質問を自らにしているそう。
正直今は私心はある。けれど公心というか、よ世のため人のためという心もある。
今日は、これまで甘納豆づくりに4年間携わってきて、一番意味があった日かもしれない。
"応用をするなら基礎をやれ"
母校京都大学で、アジア人として初めてノーベル化学賞を受賞した 福井謙一博士が、終生の師・喜多源逸教授より受け継いだ言葉。
基礎をコツコツやってきたから、新しいチャレンジを形にする力があることを実感した。
私は忍耐力があって、コツコツやるのが好き方だ。短距離より長距離。自分のペースで、自分と向き合う。
これからも、コツコツ、甘納豆道を極めていく。
これをあと30年、60歳になったら、甘納豆については世界で一番語れる人間にきっとなれる。
そしたら次は、私より語れる人間を育てる。それが5代目だったら、最幸だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?