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ポケカFレギュ環境考察記事:リザードンexに立ちはだかる《HP280》の壁

この記事について

この記事では、来週に控えたポケモンカードゲームの新レギュレーション環境に関する考察記事になります。今回は《リザードンex》を中心に考察しております。
少しでも新環境が皆様の中で楽しみになっていただければ幸いです。誤字脱字等はTwitter(X)を通してご連絡いただけると幸いです。

はじめに

来週に控えたレギュレーション変更の大きな争点はやはり《バトルVIPパス》でしょう。

発売後から使われ続けた一枚

これまで様々なデッキに採用され、環境が煮詰まるにつれこのカードに確実にアクセスすることが重要視され、サポートながら確実にグッズにアクセスできる《ペパー》や《カイ》、先行時でのアクセス確立を高める《ポケストップ》や《イキリンコex》などの評価が上昇していきました。
このカードのスタン落ちにより、序盤から多面展開をすることを前提としている《ロストギラティナ》《サーナイトex》《リザードンex》《パオジアンex》などのデッキは苦戦を強いることが予測されていました

新環境でも期待

なかよしポフィンの登場

先日、そんな予想を一変させる新カード《なかよしポフィン》が発表されました。このカードにより各デッキは《キュワワー》《ラルトス》《ヒトカゲ》《ゼビエ》などのサーチが容易になり、さらに《バトルVIPパス》のような使用に関する制約がないため強化にすらなり得ます。
この中でも抜きん出てこのカードを強く使えるデッキは《リザードンex》でしょう。序盤のエンジンになる《ロトムV》を持ってこれないこと以外に関してはほぼ《バトルVIPパス》の上位互換であり、《ヒトカゲ》だけでなく《ポッポ》や《ビッパ》も展開することができるため、デッキが1ランク上のパワーに強化されることは確実でしょう。また、《リザードンex》は《バトルVIPパス》以外のスタン落ちの影響が少なく、環境序盤で最も見られるデッキの一つであることは確実でしょう。

《VIPパス》になり得るか

リザードンexが抱える‘‘HP280‘‘の壁


《リザードンex》の技バーニングダークは素点が180ダメージと心もとないながらも、サイドをとられるにつれ打点が上昇していく技で、非常にカウンター性能の高いポケモンですが、苦手なHP帯域のポケモンが存在します。それがHP280です。
《リザードンex》の基礎戦略は1枚目の《リザードンex》を使い捨て、HPが多く残った状態の2体目の《リザードンex》でV/exクラスのカードを一撃で気絶、その後《かがやくリザードン/ヒードラン》などでサイド差を埋め、3枚目の《リザードンex》で勝ち切るのが一般的です。
サイドが2枚とられた状態だと、バーニングダークは240ダメージ出すことができるため、環境の《テツノカイナex》や《トドロクツキex》などのカードを一撃で気絶させることができます。しかし、《ギラティナVstar》など高耐久のポケモンには《まけんきハチマキ》を採用しても10ダメージ足らず、さらにサイドを3枚とられた状態でも270ダメージしか出ないため、《Vstar》や《2進化ex》に対してはなんらかの工夫が必要です。

痒い所に手が届かない

現環境の立ち位置

しかし、《リザードンex》はそのような問題を抱えながらも長らく環境トップに君臨してきました。それはHP280の代表格である《アルセウスVstar》や《パルキアVstar》が環境にいないからです。

かつての環境では《アルセウスVstar》や《パルキアVstar》が長きに渡って環境トップをけん引した時期がありましたが、どちらもスタン落ちにより重要パーツを失いデッキパワーの低下を受けました。その結果一部デッキへの勝率が著しく下がってしまったのです。

その要因は《ミュウVmax》と《ロストギラティナ》にあります。

《ロストギラティナ》


対Vstar最強のVstar

《ロストギラティナ》はロストインパクトによる280ダメージの連打が圧倒的に強く、多くの《Vstar》同系での打ち合いに負けません。さらに脇を固めるサブアタッカーにも《ウッウ》《ヤミラミ》が控えており、サブプランとして用意されるようなアタッカーに対しても隙がありません。また、《かがやくサーナイト》などでの対策も《頂への雪道》が許しません。

《ミュウVmax》


最強の名をほしいままにしてきた

《ミュウVmax》は長きに渡り中打点デッキを否定し続けてきました。クロスフュージョンからのサイコジャンプにより生半可なダメージをリセットする戦略に加え、《Vstar》ラインであるHP280もテクノバスター+パワータブレット×2で突破可能です。サブアタッカーに採用されることのある《メロエッタ》は《Vstar》の進化前であるVラインを突破する打点も出しやすい上に、《フュージョンエネルギー》が4枚あれば《Vstar》ラインも狙うことができます。

新環境による変化

しかし《ミュウVmax》はスタン落ち、《ロストギラティナ》も《バトルVIPパス》《頂への雪道》《あなぬけのヒモ》などのスタン落ちなどによりかつての《アルセウスVstar》や《パルキアVstar》などと同様に著しいデッキパワーの低下が予測されます。これにより、息を潜めていた《ホウエン地方の神々》の復権が予測されるのです。

ホウエンの神々を打ち砕く《厄災》

しかし《雪道》が封鎖された今、《パオジアンex》を無視することはできません。

《災厄》の復活


《パオジアンex》はポケカ四天王決定戦にて多くのプレイヤーが使用したことが印象的な方が多いかもしれませんが、最近はシティリーグでの入賞数も激減しています。それはシティリーグの試合形式に由来しています。
ポケカ四天王決定戦はBO3形式で行われ、そのルールと《パオジアンex》の相性は非常に良いものでした。《かがやくゲッコウガ》でのイージーウィンなどによる勝敗が決まる速度が速いため、3本目まで時間を残せる可能性も高く、さらにBO3形式のため多少の事故には目をつむることができます。

しかしシティリーグではそうはいきません。シティリーグは会場によっては4-1の戦績でも予選落ちする可能性があり、ある程度事故の可能性を孕んでいる《パオジアンex》は勝ちにくく、さらにデッキの存在も周知しており、対策も練られるようになりました。
また、Tier下位デッキの《頂への雪道》が剥がせず負けるなどの展開も多く、様々なプレイヤーが参加するシティリーグ向きのデッキではありません。

しかし《雪道》は封鎖されました。

ポケカ史上最高クラスのスタジアム

さらに、序盤を《バトルVIPパス》に依存している点が懸念点でしたが、《なかよしポフィン》の登場により一気に改善されました。元来、《パオジアンex》の展開を急がなければならないケースなどは少なく、《かがやくゲッコウガ》へのアクセスも《ネストボール》などに代替することができるためデッキ基盤の強化が予想されます。

新環境でもキーマン

さらに前述したように《Vstar》がもし増えるようであれば、それらは《パオジアンex》の格好の餌食となるでしょう。
《アルセウスVstar》や《パルキアVstar》は《パオジアンex》を一撃で気絶させる手段は持ちませんが、《パオジアンex》はエネルギー6枚を用いることで一撃で気絶を狙うことができます。さらに進化ポケモンとたねポケモンのトレードになるため、アタッカー用意の難易度が大きく異なり、《セグレイブ》さえ成立させてしまえば継続的に攻撃することが容易です。また、《パルキアVstar》とタッグを組ませて安定感を増すような構築の可能性も考えられます。

総括

  • 新環境序盤では研究が進んでいる《リザードンex》の活躍が期待される

  • 《リザードンex》に対し《アルセウスVstar》《パルキアVstar》系統のデッキの優位性が期待される

  • 《アルセウスVstar》や《パルキアVstar》に強い《パオジアンex》にも注目

いかがでしたでしょうか?新シーズンもポケカを楽しんでいきましょう!

※画像はポケモンカードゲーム公式様より引用させていただきました。


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