ライブレポ : Olivia Rodrigo
フジロック・サマソニと共に夏が終わりを迎え、肌寒くなってきたと思ったのもつかの間、心の底から燃え上がるライブに行ってきました。
Olivia Rodorigo ディズニー・チャンネルから王道ポップスター路線を爆走中の彼女、旬真っ只中での初来日公演は追加公演までソールドアウトと始まる前からでも神回になることが約束されていました。
そんな Olivia Rodorigo 待望の初来日公演のライブレポートです。
・ 会場到着
ライブ当日、3日前に急性咽頭炎にかかるという最悪のコンディションでこの日を迎え、すぐに咳き込む喉を薬漬けにして抑えながらなんとか会場に向かいました笑。
会場に入るとまず目につくのはステージではなく、参加者(特に女の子)たちのファッションでしたね。女の子8割の会場内を見渡せばオリヴィアリスペクトを全面に押し出したキラキラスパンコールのミニスカートやタンクトップが映ります、またオリヴィアを象徴する色でもある紫をしっかり取り入れてコーデしてくる女の子たちを前に、最大のおしゃれがバンTの自分はファッション弱者の負い目を感じながらただただ圧倒されてましたね笑。
あと最近の洋楽アーティストのライブと比べると参加者の平均年齢が圧倒的に若かったですね。10代前半ほどの子もかなりのかず見受けられ、若者の洋楽離れが危惧される日本においてこれは、かなり前向きになれることだと思います。
・ 暗転・開始から大熱狂
開演時間が近づく中、ステージのスクリーンに火の灯った蝋燭で ‟GUTS” の文字が映し出されこの時点でとんでもない声援が会場を包みます。
そのまま暗転しステージ中央にオリヴィアが姿をあらわした瞬間、会場からは声援というよりも悲鳴に近いそんな轟音が響きます。1曲目は bad idea right? 、サビ前の "Seeing you tonight, It's a bad idea, right?" を完璧に歌って見せる観客のクオリティーの高さに、そして何よりも目の前で始まったのがロックショーであることに驚かされました。ポップ・バラ―ドの両面をもつ彼女ですが、そのステージは間違いなくロックの風貌でしたね。
ロケットスタートから一転、代表曲 vampire に始まりそこから traitor、drivers license、teenage dream とバラード曲を立て続けに披露、どの曲でも観客の合唱度合いが素晴らしかったですね。バラードでありながらここまで力強く、会場の雰囲気を熱くさせる彼女のパフォーマンスの高さにほれぼれしつつ、声を出せない自分に対しては文句がとまりませんでした笑。
love is embarrassing では SNS でも話題となった特徴的なダンスを披露。このポップ・バラードのメリハリのおかげで中だるみすることなくバラードパートを聞いていられると思うと、21歳とは到底思えない技量の高さが垣間見えます。
・ こんなお月見なら毎年やるよ
GUTS world tour のこれまでの公演で一つのハイライトとして広まっている浮かぶ月にのって会場を巡る演出ですが、有明アリーナの天井構造でどこまで出来るのかと不安に思っていました、結果、場所こそは固定だったもののしっかりやってくれてよかったです。
三日月の上から logical、enough for you を披露したオリヴィア、その中で会場のさまざまな場所に手を振りファンとの交流をかかさない彼女ですが、彼女が手を振るたびにその先で悲鳴が巻き起こる様はもはやファンタジーでしたね笑。おとぎ話の妖精さんかなにかですかほんと。
途中のオリヴィアをはさんで右と左に分かれてスクリームさせる演出、この演出自体は色んなアーティストがするんでよくやるんですが、今回はわけが違いましたね。携帯の画面とか割れたんじゃないかと思いました笑。
ステージに戻ると初の日本公演に集まったファンたちに「今日はありがとう」と日本語で伝える最高のファンサービス。さらにはファンからのギフトを受け取りはしゃぐ姿に可愛らしい女の子の一面も見せてくれます。
・ 若きポップスターの爆発力
ライブも終盤、2人のギタリストの間で深紅の衣装を輝かせる彼女、若きポップスターがロックンロールを爆発させます。
brutal、obsessed、all-american bitch と怒涛の3連発。時折見せる官能的な仕草に ‟美しい女性” の一面を覗かせながらも、ステージを縦横無尽に駆け巡る彼女はまだまだ ‟無邪気な女の子” で改めて今のオリヴィアのステージが見れることを幸運に思いましたね。その後のアンコールで good 4 u、get him back と最高のポップソングを披露、初の来日公演の幕を閉じます。
歌唱力など技術の高さも勿論すごいですが、何よりも無邪気で大味なパフォーマンスが素晴らしいですね。21歳のあふれるエネルギーが会場にも伝わってファンたちもどんどんヒートアップしていくのを肌で感じました。このてのド直球ガールズポップの大型新人(もう新人なんていえないけど)がそもそも久々なんでそういう面でも最高に楽しいライブでした。
SETLIST
bad idea right?
ballad of a homeschooled girl
vampire
traitor
drivers license
teenage dream
pretty isn't pretty
love is embarrassing
making the bed
logical
enough for you
lacy
so american
jealousy, jealousy
happier
favorite crime
deja vu
the grudge
brutal
obsessed
all-american bitch
good 4 u
get him back
・ どこが洋楽不振なんよ!?
10代~20代の若い世代が多く駆け付け、圧倒的な熱量で信じられないほど大盛況となった今回の来日公演、ディズニー・チャンネル出身でアイドル的人気があることも否定しませんが、それでもアリーナ規模でここまで会場全体からシンガロングの声が聞こえてきたのは久しぶり、いや今までで一番かもしれません。オリヴィアは現在、Spotify の月間リスナーランクでは世界53位で女性のソロアーティストでは18位と間違いなく世界を代表するポップアーティストとなりました。そんな彼女が日本においてしっかりファンベースを確立していてアリーナ規模での来日が実現したことは、洋楽シーンにとってかなりの安心に繋がりましたね。今回の公演は両日共にソールドアウト、それもかなり早い段階でのソールドアウトだったので興行的にも大成功でしょうし、これが洋楽シーンをさらに加熱してくれる一つの要因になればいいかなと思いますね。サマソニなんかは K-POP もいいですけどここらへんの直球ポップを攻めてもいいのにとも思いますね。
それにしても久々に女の子率鬼高のライブに行ったわけなんですけど、これはこれで良きですね。頻度で言うとロックバンドの男率高めのライブが多いんですけど、それと比べるとオーディエンスの一体感がレベチなんですよね。オリヴィアが特別凄かったのもあるとは思いますが、全曲頭からサビまで何でも歌えます、さらにはライブの定番演出はしっかり予習してきますって感じで笑。アーティストのパフォーマンスに加えてオーディエンスの練度が高いとめちゃくちゃ楽しいんですよ。今回もまさにこれではちゃめちゃに楽しいライブでした。次は Dua Lipa に期待です。
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