男はつらいよ

noteにまずなにを書こうか悩みに悩んだ結果、僕の一番好きな映画「男はつらいよ」について書くことにしました。

皆さんも一回は見たことや聞いたことがある映画だと思います。
あらすじは、車寅次郎というテキ屋をしながら日本中を旅している男、通称「フーテンの寅」が実家の葛飾区柴又に帰ってきては騒動を起こし、毎回マドンナに惚れながら最後は実らないというお話です。

「男はつらいよ」の凄いところは、全48作ほとんどがこのストーリー、そして同じオチというところです。
毎回毎回期待しながらも同じオチ。「今回こそは!」と思いながら見るも同じオチ。なのになぜか見てしまう。そこに「男はつらいよ」の謎の魅力があると思います。

僕が「男はつらいよ」を初めて見たのが5歳の時、今から23年も前です。この時から寅さんに惚れてしまいました。
なぜ惚れたのか?全く覚えていません。
確か「釣りバカ日誌」かなにかとの同時上映で、「男はつらいよ」は後の上映だったのですが、先に上映された映画の時は動き回ったり、お母さんに話しかけたりしていたようで、しかし「男はつらいよ」が始まってからは一切喋らず、動きもせずスクリーンを見つめていたと両親から聞きました。

そしてそれからは毎日「寅さんが見たい」と言っていたようです。
「アンパンマン」や「機関車トーマス」よりも「男はつらいよ」を見たいという5歳児でした。

そんな僕が今まで何度も何度も見た「男はつらいよ」の魅力を少しでも伝えることができればと思い、書かせていただきます。

まず、大前提として僕が言いたいのは、「寅さん」という男が意外とどんな人か勘違いされている。ということです。

「男はつらいよ」を見たことがない人のイメージは大体

・明るくて社交的
・皆に優しい
・柴又の皆からは「寅さんだ!会えて嬉しい!」と言われている。

などどっちかというとヒーロー的な、皆から愛されているようなイメージだと思いますが、実際は寅さんが柴又に帰ってくると

「寅が帰ってきたよ…」
「また面倒ごとがおきるぞ…」

と、ものすごくめんどくさがられてるのです。

寅さんは思ったことをすぐ言葉にだしてしまい、むかつくことがあったらすぐにその人に対して罵声を浴びせます。
そしてすぐ人と揉めるし、問題ごとを抱えてくるのです。

なので柴又の人からは少し呆れられています。
正直近くにいると嫌な大人かもしれません。
というより、ものすごく子供なのです。

ですが、今考えると5歳の僕が惚れたのはこの部分なのかもしれません。
大人になるにつれ、周りの人に気をつかい思っていることも口に出さなくなります。もちろんそれも人間として大事なのですが、この大人はそんなことしない。

「なんでこの人はこんなに余計なことを言うのだろう?」
と思っていたのを覚えています。

「寅さん」は皆がやりたくてもやれない、なりたくてもなれない、大人なのかもしれません。
皆、半分どこかで羨ましいと思いながら「男はつらいよ」を見て、でも実際はこんな生き方なんてするのはバカだよ。と自分の生き方を納得させているのかもしれません。

そしてもう一つ、「寅さん」は毎回毎回マドンナに振られている。だから「寅さん」はモテない男。というイメージです。

実際そんなことはありません。
寅さんはなんならモテモテなぐらいです。
次から次へと綺麗な女性と知り合い恋に落ちていきます。
実際何回かは、このまま決断すればこの女性とお付き合いできる。
というところまでいきますが、最後は寅さんの方から柴又を去っていく。ということがあります。
「寅さん」は結局、幸せになるのが怖いのかもしれません。所帯を持って平凡に暮らしていく。そんなことを「羨ましい」「そうなりたい」と思いながらも一番怖がっているように思えます。

そこに「寅さん」の哀しみを感じます。
主題歌の歌詞の中にも「俺がいたんじゃお嫁にゃ行けぬ、わかっちゃいるんだ妹よ。いつかお前の喜ぶような、えらい兄貴になりたくて」
という言葉があります。(実際には映画の1本目で妹のさくらは結婚するのですが。)
「寅さん」は結局、自由に生きているように思えるけれども、一番自分の生き方を悔やんでいるのも「寅さん」自身なのかもしれません。

そして、なんといっても「寅さん」の一番の魅力。
これはイメージ通りだと思いますがそれは「義理人情に熱い」ところです。
これが「寅さん」の愛されてる一番の理由だと思いますし、結局「寅さん」を皆が憎めない一番の要因だと思います。
他人の為に一生懸命になれるし、他人の為に涙を流すこともある。自分は全くお金がなく生活するのもやっとなのに、他人の為に動くのです。

この姿に何度も涙を流したこともありますし、勉強させられたこともあります。
結局「寅さん」は誰よりも人間で、誰よりも人間が好きなのです。

このまま書いていたらどんどん長くなってしまいそうなので、このくらいにしておきます。
また書けたら書かせてもらおうと思います。

そしてなんと来年2019年、「男はつらいよ」最新作が公開します!
今から48作見れば、全然間に合いますし、なんなら一個も見なくても大丈夫だと思います!
是非!見に行きましょう!初日に!僕は絶対に初日にいきます!
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。

よろしければ、是非お願いします!