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小豆島への家族旅行

今年の5月末に家族と小豆島に旅行にいった。
両親と姉と僕の4人での旅行。

家族旅行は人生で二度目だ。1回目の旅行も僕らが大人になってから、今から5年前くらいに初島に旅行にいった。

そう思うとものすごく島に行きたがる家族だ。

次の旅行も沖縄にしようという話が出ている。

基本的に家族で何かをする時は僕は一番最後に聞かされる。今回の小豆島旅行も日程も行き先も決まった状態で行けるなら行こうくらいのノリで誘われた。

実際前日まで僕は小豆島に何をしにいくのかも、なぜ小豆島に決まったのかも知らなかった。

両親は1日早く徳島に行き、鳴門海峡の渦潮などを見て一泊していたらしく、僕は前日姉の家に泊めてもらい、2人で早朝から香川県に向かった。

高松駅で両親と待ち合わせをし、高松港からフェリーで小豆島に向かう。

家族で何かをする時、母と姉が色々調べたり、スケジュールをきちんと決めてくれている。
男たちは基本的に何も知らず、当日フラフラとやってくる。それが鳥山家だ。

フェリーの時間もきちんと調べていてくれて、小豆島に着いたタイミングでレンタカーの予約も姉がしてくれていた。

高松港に着くとたまたまその日に海上自衛隊の輸送船おおすみに一般の人も入れるイベントが開催されていた。

輸送船おおすみ


初めて見るどでかい輸送船にテンションの上がる家族。一番父親がテンションが上がっていた。
せっかくだから乗ってみようということになり乗り込んでみる。元々予定になかったことだったので、母と姉はフェリーの時間を一便ずらそうかなどと相談していた。そんなことは気にせずどんどん乗り込んでいく男たち。

そしてデカいエレベーターらしきもので甲板に出れるというのがあった。一度に2.30人ほどを乗せてエレベーターは上がっていく。自衛隊の方が説明をしてくれて、最後止まる時に少し落ちますが、大丈夫ですので慌てないようにお願いします。とのことだった。

聞いていても思わず声がでるほどの落ち方で、びっくりしたなーと思っていたら、親父がその構造をとても気になり、自衛隊の方のところまでいってどんな理由で落ちていてどうやって支えているのかをひたすら聞いていた。

母と姉は甲板から見える景色に感動して写真を撮ったりしている、父はひたすら自衛隊の方と話し合っている。
その中間にいる僕。これが鳥山家の構図だ。

ひとしきり甲板で写真などを撮り、またエレベーターで降りて行く。降りる直前に父が先程仕入れた知識を僕らに教えてくれていた。
一度エレベーターが高くまで上がりその間にストッパーが出てきてその上に着地するので少し落ちるのだよと。ほら見てごらん、今は何も出てないけどあれがエレベーターが上がった後に出てくるんだ。

一生懸命父が説明していると、50代くらいの旅行できていた女性5人組の方が父の説明を横で真剣に聞いていた。
へーそんな構造になってるんですねーなどのリアクションをとってくれている。父の周りに女性陣が集まり、父の講習が始まっていた。

そして一緒にエレベーターに乗り降りて行く。
降りて行く間も講習は続き、降りきった所で女性陣が色々と教えていただきありがとうございましたと父に言った。

「いえいえ」

と父が当たり前みたいに答えていた。

まるでそこでずっとエレベーターの構造を説明するためにいる人のように「いえいえ」と言っていた。

結局おおすみにテンションが上がってしまい、一便遅れで小豆島に向かう。
島につき、綺麗な自然の景色に癒された。

早速レンタカーで香川県の讃岐うどんを食べに行き、母が行きたがっていたエンジェルロードに向かった。


エンジェルロードは潮の満ち引きで道が現れるというところだ。なので潮が引いている時間にいかないと渡れないので母は時間をずっと気にしていた。

もう少しエレベーター講習が続いていたら渡れなかったかもしれない。

エンジェルロードにつき周りの岩山が綺麗で僕が思わず「綺麗すぎて嘘みたいだな」と言った。
作り物のように綺麗だった。それを聞いた親父が確かにな…といい岩山を調べに近づいて行く。

母と姉はもちろん海の綺麗さと潮の満ち引きで自然の力によってできる道に感動していた。

エンジェルロードの真ん中にいく母と姉。ずっと岩山が気になりずっと触っている父。
その間にいる僕。また鳥山家の構図だ。

その後も親父は神社やお寺が大好きなので見かけたら「鳥居だ」と言って鳥居に吸い込まれて行く。
僕が「あなたの旦那さん鳥居に吸い込まれて行きましたよ」というと母は「あぁはいはい」と言いながら着いていく。その後を歩いていく子どもたち。これもまた鳥山家の構図だ。

母は映画村に行きたがっていた。色んな寄り道があり、映画村の営業時間が気になる母。
色んなところに行くたびに「あ、でも映画村が…」と言っていた。

無事映画村にもつき、映画のセットの中を歩く。
海沿いに昔の学校のセットがそのまま残されていた。教室や職員室などもそのまま残っており、姉が僕に教師の位置に立ってという。姉は生徒の机に座り居眠りをしているフリをする。次に姉が教師の日誌を手に取り僕を叩くフリをする。
しかし全く僕は乗らない。これも鳥山家の構図だ。

ふざける姉と乗らない弟


無事行きたかったところに全て行けてホテルへといく。

夕食はバイキングでお酒も飲み放題。各自好きなものを取っていき好きなだけ食べる。
僕はとりすぎて食べ過ぎてしまい気持ち悪くなる。33年生きても毎回失敗してしまう。人間はバイキングがちょうどの量取れるようになった時に初めて大人になるのかもしれない。

ホテルでは4人で一部屋、4枚の布団を並べて寝た。
僕らの家は6畳のアパートだったから、昔は布団を2枚しか並べられず、僕が中学、姉が高校までは2枚の布団で4人で寝ていた。
久しぶりに家族並んで寝たが、親父のいびきや姉の歯軋りが聞こえる。懐かしかった。


だが気になってとても寝れなかった。何回も僕はタバコを吸いに外に出た。

次の日も途中途中「鳥居だ」はあったが、行きたかったところには全て行くことができた。
高松駅まで戻ってきて、日本一長いアーケードに行く。何かを察した母が僕に、私たちは適当に買い物するからどこか行ってきたら?と言った。

僕は買い物があまり得意じゃないので気づいてくれたのだろう。僕は喫茶店に行って1人でのんびり一服していた。3人は色々と買い物をしながら歩いていたみたいだ。これも鳥山家の構図。

僕の行きたい喫茶店の前まで皆ついてきてくれた


帰り高松空港から飛行機に乗った時に母が言った。

「4人で飛行機乗るのは初めてかもね」

初めてだった。まだ初めてのことがあった。

今回の旅行で改めて僕はこの家族に育てられたんだと思った。父の気持ちも母の気持ちも姉の気持ちも手に取るようにわかった。僕の気持ちも皆がわかってくれている。

次は沖縄だ。

これからも島縛りの旅は続いていく。この世の全ての島に行った時にこの家族の旅は終わるのだろう。

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