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【まず知ること編】バーチャルで生きるためのマーケティングのこと



私には「バーチャルで生きていける社会を作りたい」という夢があります。
新しい生き方の選択肢として、或いはハンデを解消する働き方の選択肢として、アバターと仮名を纏って生きることが認められる社会を作りたい。また、私自身、それを最前線で証明したいと思っています。

-バーチャル企画塾・塾長 動く城のフィオ(Phio the alchemist)-




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鳥鳥鳥(さんとりい)[@3tori_virtual]です。

今日から「バーチャルで生きるため」の知識やノウハウをご紹介していきます。

バーチャルYouTuber(VTuber)、VRコンテンツ制作者、インターネットを中心に活動している全ての方が、より意欲的な活動を行うことができるようになること。
それを達成できるようになるのが、マーケティングというものだと信じて情報を発信していきたいと思います。

◆この記事をお勧めする人

- もっと、自分の活動を広く人々に知ってもらいたい…
 =>そのためにあるのがマーケティングです!

- そもそもマーケティングってなに?というレベルの人
 =>今回はまさしくそれを紹介します!この機会に是非お読みください!

- マーケティングを役立てたい!けど、まずは何を知ればいいのやら…
 =>今回は「まず知るべきこと」からを紹介していきます!




1,まず知ること。そして、これを忘れないこと。

Aさん「マーケティング? 市場調査とかして、「消費者のニーズはこれ!」って調べることでしょ?」
Bさん「違うよ! テレビCMなどの広告を使って、商品が売れるようにすることだよ!」

上記はどちらもマーケティングの一部ですが、それがマーケティングの全てではありません
上記がどちらもマーケティングの一部であるように、マーケティングにはたくさんの要素が内包しており、『これがマーケティングなんだ』と言うためには、本来はたくさんの言葉が必要になります。

それでも、今回は「まず知ること」が大事。
たくさんの言葉を使わずにマーケティングについてを紹介するために、「マーケティングの神様」と呼ばれる経済学者『フィリップ・コトラー(通称、コトラーと呼ばれる)』の言葉をお借りしましょう。おそらくこれが、マーケティングを説明する一番短い定義です。

マーケティングとは、「ニーズに応えて利益を上げること」である。

-経済学者 フィリップ・コトラー-

これが最も短く、また本質的にマーケティングを定義している言葉だと言えます。
ですが、これだけだと、まだよくわかりませんね。

そこで、「ニーズに応えて利益を上げること」がどういうことなのか。
つまり、商品やサービスが、ニーズに応えているとどうなるのか?を、まず「セリングとマーケティング」の違いから一緒に考えてみましょう。



2,「セリングとマーケティング」からマーケティングを知る。

顧客側「これ、自分に似合うかなぁ…」
売る側「ええ、もちろん!この商品、アナタにぴったりですよ!ぜひご購入ください!

セリングとは、日本人的に言えばセールストークというのが馴染み深いと思います。
「アナタにお似合いですよ!」
「大変オトクになっております!」
「今が買いどきですよ!損をしますよ!」
サービスや商品を提供する側は、すでにある商品に対して、それを「どうやって売るか」を一生懸命に考え、顧客に売り込むのです
これが、セリング。
販売の現場では重要なことですが、これはマーケティングの考え方とは大きく異なります

これに対してマーケティングとは、すでにある商品ではなく顧客側のニーズに対して、「何をどうしたら売れるのか」を考えます。
マーケティングがうまくいくと、例えば次のようになります。

顧客側「この商品、私が欲しかったものだ!これください!
売る側「はい!お買い求めいただきありがとうございます!」

商品を「売る」のではなく、商品が「売れる」のです。

物を売るための手法を「セリング」と言い、物が売れるための手法を「マーケティング」と言う。
そう、マーケティングの本来の目的は、「ものを売ること」ではなく、「物を売れるようにすること」なんです。



3,ニーズに応える商品を作ること。と、そのニーズを持つ顧客を探すこと。

マーケティングを活用して「ニーズに応えて利益を上げること」「物を売れるようにすること」を実践するためには、大きく分けて2種類の方法があります。

①『顧客のニーズに合わせた商品を作る』

「物が売れる」という商品が分かれば、それを作ればいい。という考え方。

基本的には「顧客のニーズを優先して作る」ため、先に顧客のニーズがどういうものなのかを知らなければならず、知るためにはたくさん情報を集めなければならない。

言葉で説明する以上にとても大変なのですが、凄く効果がある方法なんです。
②『どのような顧客であれば作られた商品によってニーズを満たすのかを探す』

「顧客のニーズ」というものがあるなら、とあるニーズはどんな人が持つものなのかを探し、適切な商品を適切な顧客に見つけ出してもらう。という考え方。

こちらは「ニーズに合わせた商品を作る」という手法とは異なり、顧客のニーズを満たす商品があること、そしてその価値を顧客に気づいてもらうというような、商品ありきでありながら「売れるかどうかがわからないものを「売れる」状態にする」というかなりアベコベな方法でもある。

例えば、「割り箸」は食事をするための道具だが、「掃除に役立つ」というニーズが生まれる(その価値に気付いてもらう)ことで「売れる」ようになった、なんてことがある。本来の用途とは関係なく、誰がどうしてニーズを満たしてくれるのかを探すのだ。

これがマーケティングとして間違っているというわけではないが、この時点では「この方法はあまり再現性の高いものではない」とだけ認識してほしい。

また、これも①と同じく、結局は「顧客のニーズ」を知るということが必要であるため、たくさんの情報を集める必要がある。

マーケティングを活用して「ニーズに応えて利益を上げること」「物を売れるようにすること」を実践する。
そのためには、『顧客のニーズに合わせた商品を作る』『どのような顧客であれば作られた商品によってニーズを満たすのかを探す』という方法があることを、まずは知ってほしい



4,顧客が何を求めているのかを知るということ、ベネフィットを考える。

そもそも、顧客は何を求めて商品やサービスを買いに来るのか?
これについては、マーケティングの世界の有名な格言が存在します。

ドリルを買いに来た人がほしいのは、ドリルではなく「穴」

-マーケティング学者 セオドア・レビット

これは、つまりはこういうことです。

顧客側「(穴を空けたいから…)これは私にぴったりです!ドリルをください!」
売る側「はい!お買い求めいただきありがとうございます!」

つまり、顧客が本当にほしいのは「ドリル」ではなく、ドリルを使用することによって得られる「穴が空くという効果」が発生することを求めているのです。
このように、顧客が商品やサービスに求める価値や効果などのことを、マーケティング用語でベネフィットと言います。

顧客が求めるものがベネフィットであることを忘れると大変なことになります。
例えば、アメリカの鉄道会社の話。

鉄道会社が提供しているのは「鉄道車両の運行」ですが、
顧客が求めていたものは「目的地への移動」です。
鉄道会社が「鉄道輸送・鉄道車両の運行」にこだわってしまったばかりに、自動車や飛行機の大衆化の時代に乗り遅れて、その鉄道会社は衰退してしまいました。

売る側は、単に商品やサービスを売っていると考えてはいけません。
ベネフィット自体は形の無いもので、顧客が本当に求めている価値・効果などのことですから、売り手はそれを商品やサービスとして提案し、提供することで「ベネフィットに応えられる商品やサービス」という形を与えているのです。



5,ニーズとベネフィット、何がどう違うの?

ニーズは「必要なものに対する欲求」のこと。
ベネフィットは「顧客が本当に求めている価値・効果」のこと。

例えば、顧客のニーズとして「雨の日の移動手段がほしい」というものがある場合、商品やサービスには「自動車」や「タクシー運行」などが考えられます。

それに対してベネフィットを考えた場合、顧客が本当に求めていたのは「移動しなければならないけど、濡れたくないから」だったり「雨の日を移動して楽しみたいから」だったりすると、前者なら「移動しなくても済む方法」が、後者なら「雨の日を移動して楽しむことができる商品やサービス(雨ガッパなど)」が、それぞれベネフィットを満たした商品やサービスだと言えるでしょう。
もちろん、「自動車」や「タクシー運行」もベネフィットを満たしていると言えます。
しかし、ベネフィットを考えた場合『必ず「自動車」や「タクシー運行」でなければならない』ということではないことがわかりますね

前節にてベネフィットのことを考えてもらったとき、アメリカの鉄道会社の話を例に出しましたが、まさしく「顧客にとって、この商品やサービスでなければならない」ということではない。ということを知るのが、『ベネフィットの考え方を知る』ということの重要な、そして商品やサービスを売るということにとって、とても価値のあることだと言えます。

ニーズとは「その商品がほしい状態(必要なものに対する欲求)」のこと、ベネフィットとは「顧客が本当に求める価値・効果」のこと、こんな感じなのだと知っておくと良いでしょう。



6,自分の作るコンテンツと向き合う。

マーケティングを知るということは、まずは顧客のニーズというものを知ること、そしてベネフィットをよく知ることなんだと、ここまでで紹介させていただきました。

それらを知って、ではマーケティングを活かしてコンテンツをより多くの人に届けよう!となっている方もいるかも知れませんが、ここでいったん学びの手を止めてください

おそらく、これを読んでいるということは、自身が何かしらのクリエイターであるという方が多いのだと思います。
もしくは、このような情報を見つけ出しているということで、そういった商品やサービスを売ることに関わりを持つ方なのでしょう。

あらためてになりますが、マーケティングを活かす方法というのは、大きく分けて2種類の方法があります。

『顧客のニーズに合わせた商品を作る』
『どのような顧客であれば作られた商品によってニーズを満たすのかを探す』

どちらであっても、「顧客のニーズ」をよく知ることが必要です。
そして、「顧客のニーズ」という情報を活かすためには、「自分は何を作るのか」と向き合うことが必要になります。

「物が売れる」ことが目的ならば、そのまま更に先へと学んでいくことが良いでしょう。

向き合った結果、自分の提供できる商品やサービスが多くの顧客のニーズに満たせることに気づいた人もいると思います。

しかし、向き合った結果、自分の提供できる商品やサービスが、ほんの少しの人にしかニーズを満たせていないということに気づいた人もいるはずです。
そのほとんどは、アメリカの鉄道会社の例と同じく、「この商品やサービスでなければならないということではない」という理由によって

そのために、マーケティングという学問を最大限に活かそうとした場合、『あなたは自分の作るものをぜんぜん違うものに変えなければならない』と考えてしまうこともあると思います。

ですが、「物が売れる」ことが目的ではなく、「それが売れる」ことで達成に近づく、その先の目標がある人。
そういった人は、『自分がそれを作ることに、自分のための大切な意味がある』という人なのだと思います。


大丈夫です。

マーケティングは、あなたが作りたいものを、誰かに届けることができる。
そういったことを学ぶことができる学問です。
ただ、どうしても効率や成果を考えると、あなたの作りたいものは「顧客のニーズ」や「ベネフィット」という考え方でみたときに、非常によくないものに見えることがあるだけです。

「顧客のニーズ」も「ベネフィット」も、『まずはたくさん知り、情報を集める』ということから始まるのです。
あなたの大切な『自分が作るコンテンツ』によって、どんな顧客のニーズが満たされるのか、それを探すのが、あなたにとってのマーケティングの世界での最初の旅となるでしょう。



7,「あれ?なんかマーケティングって、なんだか想像していた以上に大変なことをするという話なのでは…?」

マーケティングというものを簡単に説明するならば「物が売れるようにすること」なのですが、そのためにやることはマーケティング知識がまったくない状態の人・もしくはマーケティングを勉強したての人が、マーケティングの全てを、無差別に、網羅的に、何でも実践しようとしたとき、間違いなく個人でどうにかこうにかできる許容量のようなものを余裕で超えています
例えて言うなら、自分の生身ひとつから始めて、今すぐゴジラを倒しに行くみたいな。

でも大丈夫。
個人でどうにかこうにかできるマーケティングだってもちろんあります。

この記事の一番最初でも紹介したように、マーケティングにはたくさんの要素が内包しています
今回の記事については、最初の記事ということなのでマーケティングの基礎編ということで、マーケティングがどのような効果を狙ったものなのか・どのような効果を発揮するためのものなのかを紹介させていただきましたが、今後は誰にでも実践可能な、また成果が期待できるノウハウの公開も行っていく予定です。


この記事を読んで、「今後の投稿も気になるぞ」という方は、「バーチャルで生きていくためのマーケティング」をテーマに記事を連載していくマガジン、『「バーチャルで生きていく」ためのマーケティング』をフォローしていただけますと幸いです。


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詳しくは、Twitterにて「バーチャル企画塾」と検索、またはバーチャル企画塾・塾長の「動く城のフィオ(Phio the alchemist)」さんのTwitterアカウントをお探しください。



おわりに

今日のまとめ。

・マーケティングとは、ものが「売れる」という状態にすること!
・ニーズとは、「必要なものに対する欲求」のこと!
・ベネフィットとは、「顧客が本当に求めている価値・効果」のこと!
・マーケティングの実践に移る前に、「自分の作るコンテンツ」と向き合うこと!

以上、本日はここまで!

バーチャル企画塾で発足したマーケティング部。 みんなが楽しめるためのマーケティングを目指した内容を『部誌』として提供していきます。Let's follow!