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第9話 「青春だなぁ」(道北)

自転車日本一周旅〜人生で大切なことはすべて旅で学んだ〜


どこまでも続く一本道。
見渡す限りの地平線。
ガードレールも、道路標識も、電柱もない。
ただの一本道。
日本にもこんなところがまだあったのか。
さすが北海道。
海風に乗って、グイグイ進む。

ここは日本最北の稚内に続く道道106号線。
天塩町鏡沼キャンプ場から北上し、日本最北の原野を走るシーサイドラインだ。
左前方にうっすらと利尻富士が浮かぶ。
右は広大なサロベツ原野が広がる。
爽やかな梅雨のない北海道の海風が背中を押す。
さらにグイグイ進んでいくと、道の側に広がる牧草地にはバームクーヘン状の牧草ロールが転がり、牧歌的な開放感を味わう。
ペダルを漕ぐ度にまるで洋上に浮かぶ富士山のような利尻島が近づいてくる。

「何もないな。
 誰もいないな。
 快適なスピードで〜。
 道はただ永遠続く話しながら、歌いながら〜」

と奥田民生の「イージュー☆ライダー」を口ずさむ。

お気に入りの人生の応援歌を歌いながら、カレンダーも、目的地も、テレビもない自由気ままな自力旅。
退屈ならそれもまたグッド。
名曲をテープに吹き込んで、あの向こうに行ってみたい。
もっと向うへ行ったらならばきっと見つかるだろう。
あの向こう側に夢があるのなら、向こう側に着くまでペダルを漕ぎ続けるんだ。

僕らの自由を。
僕らの青春を。
気持ちの良い汗を。
決して枯れない涙を。
幅広い心を。
くだらないアイデアを。
軽く笑えるユーモアを。
上手くやり抜く賢さを。
眠らない身体を。
全て欲しがる欲望を。

手に入れたかったモノは大袈裟にいうとこういうことだったんだろう。

人生には喜怒哀楽がつきもの。
その度に人生の応援歌を歌って道を突き進もう。
青春とは夢があること。
その実現に向けて情熱を燃やしていること。
年齢で決めるものではない。
夢×情熱=青春
青春とは心の若さなのだ。

奥田民生「イージュー☆ライダー」
https://m.youtube.com/watch?v=Mg7rtAWKdok&list=RDEMAmlhHcbjrx2jQqsqkNHvkQ&start_radio=1

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