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ナガミヒナゲシと通学路

この花は私が子供の頃にはなかったと思う。
娘が小学生の時にしきりに実の筋の入った丸い蓋を集めて楽しんでいた。この蓋の筋の下に縦に長くタネの部屋が入っている。それでナガミヒナゲシというらしい。蓋だけ取って、タネは小学生たちの手で無造作にその辺の叢に、植え込みに、捨てられたに違いない。
今ではそこら中の道端に、たくさんの薄朱色のうすい花びらを揺らしている。
多分、小学生の子たちが朝な夕なに通る通学路に沿って広がっていったのではないかと、私は思っている。

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